循環器内科と呼吸器内科の違いってなに?それぞれの特徴について解説
2023/10/26
2025/01/22
「循環器内科」「呼吸器内科」と聞いても、どんな病気を診療するところなのかわからない方も多いのではないでしょうか?実は「内科」という単語は共通しているものの、この2つには大きな違いがあります。
医療業界で働く上で、どの診療科がどのような病気を担当しているかを知っておくことは非常に大切です。
この記事では、循環器内科と呼吸器内科の違いや主な病気とその治療法、使われる医療機器などの面から解説します。
医療業界で働く上で、どの診療科がどのような病気を担当しているかを知っておくことは非常に大切です。
この記事では、循環器内科と呼吸器内科の違いや主な病気とその治療法、使われる医療機器などの面から解説します。
循環器内科と呼吸器内科の違いって?わかりやすく解説
循環器内科と呼吸器内科それぞれの概要と違いを解説します。
循環器内科は、血液を身体中に送るポンプの役割を持つ心臓、血液の通り道である血管といった循環器の病気を専門に診療する内科です。
血液がスムーズに流れないと、身体に必要な酸素・栄養を細胞に届けられず、健康に大きく影響します。循環器の病気の主な症状は、胸の痛み・息切れ・どうき・血圧の異常です。
循環器内科が担当することが多い病気は、「狭心症」「心筋梗塞」「高血圧症」「肺塞栓症(はいそくせんしょう)などです。
心臓や血管の病気は日本人の死亡要因の約3割を占めており、循環器内科は非常に重要な役割を果たしています。
呼吸器内科とは、のど・気管・気管支・肺といった呼吸に関連する臓器の病気を専門に診療する内科です。
呼吸器内科では、「喘息」「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」「肺炎」「肺結核」「肺がん」などの病気の診療をします。呼吸器の病気によってあらわれる主な症状は、咳・痰・息切れ・息苦しさです。
循環器内科と呼吸器内科の違いを表にまとめました。
循環器内科とは
循環器内科は、血液を身体中に送るポンプの役割を持つ心臓、血液の通り道である血管といった循環器の病気を専門に診療する内科です。
血液がスムーズに流れないと、身体に必要な酸素・栄養を細胞に届けられず、健康に大きく影響します。循環器の病気の主な症状は、胸の痛み・息切れ・どうき・血圧の異常です。
循環器内科が担当することが多い病気は、「狭心症」「心筋梗塞」「高血圧症」「肺塞栓症(はいそくせんしょう)などです。
心臓や血管の病気は日本人の死亡要因の約3割を占めており、循環器内科は非常に重要な役割を果たしています。
呼吸器内科とは
呼吸器内科とは、のど・気管・気管支・肺といった呼吸に関連する臓器の病気を専門に診療する内科です。
呼吸器内科では、「喘息」「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」「肺炎」「肺結核」「肺がん」などの病気の診療をします。呼吸器の病気によってあらわれる主な症状は、咳・痰・息切れ・息苦しさです。
循環器内科と呼吸器内科の違い
循環器内科と呼吸器内科の違いを表にまとめました。
診療科 | 関連する器官 | 代表的な病気 | 主な症状 |
---|---|---|---|
循環器内科 | 心臓・血管などの循環器 | 狭心症・心筋梗塞・高血圧症・肺塞栓症 | 胸の痛み・息切れ・どうき・血圧の異常 |
呼吸器内科 | のど・気管・気管支・肺などの呼吸器 | 喘息・COPD・肺炎・肺結核・肺がん | 咳・痰・息切れ・息苦しさ |
循環器内科の代表的な病気と治療法をわかりやすく解説
循環器内科の代表的な病気と治療法を解説します。
高血圧や喫煙をはじめとする生活習慣などが原因で、動脈の血管が硬くなりしなやかさが失われた状態である「動脈硬化」になると、血管が狭くなり心筋が酸素不足を起こし狭心症になります。
狭心症の主な症状は、胸の痛みや圧迫感です。放置すると、心筋梗塞となり命に関わる場合があります。
治療法は、動脈硬化の進行を防ぐための生活習慣の改善、症状をおさえる「ニトログリセリン」などによる薬物療法、「カテーテル」と呼ばれる細い管を患部に挿入し風船をふくらませて血管を広げる「カテーテル治療」などです。
動脈硬化などが原因で冠動脈に血液の固まりである「血栓」が詰まり、血流が滞ることで、酸素・栄養が不足し、心筋が壊死する病気です。
強い胸の痛みや呼吸困難などの症状があらわれ、最悪の場合は死に至ります。
冠動脈を広げる「硝酸剤」や血栓がつくられるのを防ぐ「抗血小板薬」などの薬物療法、脚や腕の血管を移植し冠動脈に迂回ルートをつくる「バイパス手術」、カテーテル治療などの治療法があります。
「冠動脈(かんどうみゃく)」は、心臓を動かす「心筋(しんきん)」に必要な栄養と酸素を送る重要な血管です。
安静時の血圧が、上140mmHg、下90mmHgを超える状態を指します。血圧が高いと、血流が早くなり血管がダメージを受け、動脈硬化を起こすリスクがあります。
高血圧の原因は、食事・運動をはじめとする生活習慣・喫煙・遺伝などです。食事や運動の改善、「カルシウム拮抗薬」など血圧を下げる作用のある薬による薬物療法などの治療を行います。
狭心症
高血圧や喫煙をはじめとする生活習慣などが原因で、動脈の血管が硬くなりしなやかさが失われた状態である「動脈硬化」になると、血管が狭くなり心筋が酸素不足を起こし狭心症になります。
狭心症の主な症状は、胸の痛みや圧迫感です。放置すると、心筋梗塞となり命に関わる場合があります。
治療法は、動脈硬化の進行を防ぐための生活習慣の改善、症状をおさえる「ニトログリセリン」などによる薬物療法、「カテーテル」と呼ばれる細い管を患部に挿入し風船をふくらませて血管を広げる「カテーテル治療」などです。
心筋梗塞
動脈硬化などが原因で冠動脈に血液の固まりである「血栓」が詰まり、血流が滞ることで、酸素・栄養が不足し、心筋が壊死する病気です。
強い胸の痛みや呼吸困難などの症状があらわれ、最悪の場合は死に至ります。
冠動脈を広げる「硝酸剤」や血栓がつくられるのを防ぐ「抗血小板薬」などの薬物療法、脚や腕の血管を移植し冠動脈に迂回ルートをつくる「バイパス手術」、カテーテル治療などの治療法があります。
「冠動脈(かんどうみゃく)」は、心臓を動かす「心筋(しんきん)」に必要な栄養と酸素を送る重要な血管です。
高血圧症
安静時の血圧が、上140mmHg、下90mmHgを超える状態を指します。血圧が高いと、血流が早くなり血管がダメージを受け、動脈硬化を起こすリスクがあります。
高血圧の原因は、食事・運動をはじめとする生活習慣・喫煙・遺伝などです。食事や運動の改善、「カルシウム拮抗薬」など血圧を下げる作用のある薬による薬物療法などの治療を行います。
呼吸器内科の代表的な病気と治療法をわかりやすく解説
呼吸器内科の代表的な病気と治療法を解説します。
呼吸した空気の通り道である気管支が何度も炎症を起こすことで、狭くなる病気です。主な症状は、呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音が出る「喘鳴(ぜんめい)」、咳、息苦しさなどです。
喘息は、遺伝・アレルギー・ガスなどによる気管支への刺激によって起こります。肺活量や1秒間に吐き出せる息の量を測定する「肺機能検査」などの検査をして診断します。
気管支の炎症をおさえる「ステロイド」の吸入薬などの服用によって、発作が起きないよう管理します。
有害物質を吸い込むことで、気管支や血液・ガスを交換する部位である「肺胞(はいほう)」がダメージを受け、呼吸しにくくなる病気です。原因のほとんどは喫煙です。レントゲンや胸部CT検査などで肺の状態を調べて診断します。
長引く咳や痰・息切れ・息苦しさ・体重の減少などの症状があらわれ、肺炎や肺がんのリスクが高まります。
主な治療法は、禁煙です。禁煙と並行し、気管支を広げる「吸入抗コリン薬」などによる薬物治療も行います。
肺炎は、気管支から肺に侵入した細菌やウイルスが増殖し、炎症を起こす病気です。主な症状は、発熱・咳・痰です。重症化すると呼吸困難や脱水症状が起きるケースもあります。
肺炎の主な治療方法は、「抗菌薬」などによる薬物治療です。呼吸の状態によっては、酸素吸入や人工呼吸器を使用する必要があります。
喘息
呼吸した空気の通り道である気管支が何度も炎症を起こすことで、狭くなる病気です。主な症状は、呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音が出る「喘鳴(ぜんめい)」、咳、息苦しさなどです。
喘息は、遺伝・アレルギー・ガスなどによる気管支への刺激によって起こります。肺活量や1秒間に吐き出せる息の量を測定する「肺機能検査」などの検査をして診断します。
気管支の炎症をおさえる「ステロイド」の吸入薬などの服用によって、発作が起きないよう管理します。
COPD
有害物質を吸い込むことで、気管支や血液・ガスを交換する部位である「肺胞(はいほう)」がダメージを受け、呼吸しにくくなる病気です。原因のほとんどは喫煙です。レントゲンや胸部CT検査などで肺の状態を調べて診断します。
長引く咳や痰・息切れ・息苦しさ・体重の減少などの症状があらわれ、肺炎や肺がんのリスクが高まります。
主な治療法は、禁煙です。禁煙と並行し、気管支を広げる「吸入抗コリン薬」などによる薬物治療も行います。
肺炎
肺炎は、気管支から肺に侵入した細菌やウイルスが増殖し、炎症を起こす病気です。主な症状は、発熱・咳・痰です。重症化すると呼吸困難や脱水症状が起きるケースもあります。
肺炎の主な治療方法は、「抗菌薬」などによる薬物治療です。呼吸の状態によっては、酸素吸入や人工呼吸器を使用する必要があります。
循環器内科で使用する医療機器って?主なものを紹介
循環器内科で使用する主な医療機器を紹介します。
直径約2mmの細い管です。カテーテルを動脈に入れて心臓の状態を検査する「心臓カテーテル検査」やカテーテル治療で用いられます。
カテーテルを目的の場所まで挿入し、造影剤を注入して血管の状態を撮影する装置で、カテーテル検査に欠かせません。血管の状態や血流をリアルタイムで確認できます。
心臓は電気刺激により一定のリズムで収縮し、血液を全身に送っています。心臓の病気によりリズムが遅くなると、血液の供給が遅くなり脈拍の乱れや息苦しさといった症状があらわれます。
心臓ペースメーカーは人工的に心臓に電気刺激を与えることで、正しいリズムで心臓が動くサポートをします。
カテーテル
直径約2mmの細い管です。カテーテルを動脈に入れて心臓の状態を検査する「心臓カテーテル検査」やカテーテル治療で用いられます。
血管撮影装置
カテーテルを目的の場所まで挿入し、造影剤を注入して血管の状態を撮影する装置で、カテーテル検査に欠かせません。血管の状態や血流をリアルタイムで確認できます。
心臓ペースメーカー
心臓は電気刺激により一定のリズムで収縮し、血液を全身に送っています。心臓の病気によりリズムが遅くなると、血液の供給が遅くなり脈拍の乱れや息苦しさといった症状があらわれます。
心臓ペースメーカーは人工的に心臓に電気刺激を与えることで、正しいリズムで心臓が動くサポートをします。
呼吸器内科で使用する医療機器って?主なものを紹介
呼吸器内科で使用する主な医療機器を紹介します。
人工呼吸器は、呼吸のサポートを行う医療機器です。息を吸う時に肺に圧力をかけ空気を送り込み、息を吐く時には圧力を下げ空気を出すという仕組みです。
重度の肺炎により肺が二酸化炭素と酸素を交換できなくなった場合などに使われます。
「ECMO(エクモ)」とは、通常の人工呼吸器では対応できない重度の呼吸不全の患者に使用する医療機器です。肺の機能を代替することで、肺を休ませて回復させる目的で使用します。
静脈にカテーテルを挿入し二酸化炭素が多い血液を身体の外に出し、「人工肺」と呼ばれる装置で二酸化炭素と酸素を交換。ポンプ機能によって酸素を多く含む血液を患者の体内に送り込みます。
「スパイロメーター」とは、肺活量や一気にどれくらい息を吐き出せるかなどを測定し、呼吸機能を検査する医療機器です。喘息やCOPDなど呼吸器系の病気の診断に欠かせません。
人工呼吸器
人工呼吸器は、呼吸のサポートを行う医療機器です。息を吸う時に肺に圧力をかけ空気を送り込み、息を吐く時には圧力を下げ空気を出すという仕組みです。
重度の肺炎により肺が二酸化炭素と酸素を交換できなくなった場合などに使われます。
ECMO
「ECMO(エクモ)」とは、通常の人工呼吸器では対応できない重度の呼吸不全の患者に使用する医療機器です。肺の機能を代替することで、肺を休ませて回復させる目的で使用します。
静脈にカテーテルを挿入し二酸化炭素が多い血液を身体の外に出し、「人工肺」と呼ばれる装置で二酸化炭素と酸素を交換。ポンプ機能によって酸素を多く含む血液を患者の体内に送り込みます。
スパイロメーター
「スパイロメーター」とは、肺活量や一気にどれくらい息を吐き出せるかなどを測定し、呼吸機能を検査する医療機器です。喘息やCOPDなど呼吸器系の病気の診断に欠かせません。
まとめ
循環器内科は心臓・血管など血液の流れに関する循環器の疾患を、呼吸器内科はのど・気管・気管支・肺などの呼吸器の疾患を専門的に診療するところです。
循環器内科で取り扱う主な疾患は、狭心症・心筋梗塞・高血圧症・肺塞栓症です。良く使う医療機器として、カテーテル・血管撮影装置・心臓ペースメーカーがあげられます。
呼吸器内科では、喘息・COPD・肺炎・肺結核・肺がんなどの病気を取り扱っています。よく使う医療機器は、人工呼吸器・ECMO・スパイロメーターなどです。
医療業界で働くのであれば、診療科ごとの違いや代表的な病気の知識をおさえておくと、商談などに役立ちます。ニュースや医療業界専門サイトのコラムなどをチェックし、知識を身につけましょう。
循環器内科で取り扱う主な疾患は、狭心症・心筋梗塞・高血圧症・肺塞栓症です。良く使う医療機器として、カテーテル・血管撮影装置・心臓ペースメーカーがあげられます。
呼吸器内科では、喘息・COPD・肺炎・肺結核・肺がんなどの病気を取り扱っています。よく使う医療機器は、人工呼吸器・ECMO・スパイロメーターなどです。
医療業界で働くのであれば、診療科ごとの違いや代表的な病気の知識をおさえておくと、商談などに役立ちます。ニュースや医療業界専門サイトのコラムなどをチェックし、知識を身につけましょう。

この記事が気に入った場合は
Xへポストをお願いします