製薬会社で異なるMRの年収差とは?最新データで詳しく紹介
2022/10/04
2025/12/04
MR(医薬情報担当者)は一般的に高収入といわれますが、実際の年収は「どの製薬会社で働くか」「どの領域を担当するか」によって大きく変わります。同じMRでも、がん・免疫・希少疾患などの専門領域を扱う企業と、生活習慣病領域やジェネリック医薬品を扱う企業とでは、求められる専門性や市場規模が異なり、それが年収差として表れます。
この記事では、最新の年収データに加え、製薬会社の種類(内資・外資・バイオベンチャー・後発医薬品メーカー)、領域別の特徴、高収入企業の傾向などをわかりやすく整理しました。年収アップを目指すMRの方、これからMRを目指す方にとって、自分に合ったキャリアを選ぶためのヒントとしてご活用いただければと思います。
この記事では、最新の年収データに加え、製薬会社の種類(内資・外資・バイオベンチャー・後発医薬品メーカー)、領域別の特徴、高収入企業の傾向などをわかりやすく整理しました。年収アップを目指すMRの方、これからMRを目指す方にとって、自分に合ったキャリアを選ぶためのヒントとしてご活用いただければと思います。
MRの平均年収はどれくらい?最新データで分かる全体像
MRは「高収入の職種」というイメージを持たれることが多いですが、その理由を具体的な数字で把握している方は意外と少ないかもしれません。ここでは、最新の年収データをもとに、MR全体の平均年収と日本全体の給与水準を比較しながら、MRという職種の特徴をわかりやすく整理します。年齢による収入推移やインセンティブ制度の影響など、MRならではのポイントもあわせて解説します。
大手転職サービス doda が公表している職種別平均年収データ(2023年版)によると、MR(医薬情報担当者)の平均年収は 約732万円 とされています。
参照:doda「2023年版 職種別平均年収データ」
この数字は全職種の平均年収(約436万円前後)と比較してもかなり高く、一般的な営業職の中でも突出している水準です。
また、MRはインセンティブ(業績給)や毎年の評価による昇給額が比較的大きいことから、30代後半~40代で年収900万円前後に届くケースも珍しくありません。さらに、外資系企業やスペシャリティ領域を扱うメーカーでは、1,000万円を超えるMRも多く存在します。
国税庁「令和6年 民間給与実態統計調査」(2024年発表)によると、日本の給与所得者の平均年収は478万円 (前年比3.9%増)でした。
参照:国税庁「民間給与実態統計調査」
これをMRの平均年収と比較すると、
その差は 約254万円 となり、MRという職種が日本全体の平均給与と比較して、非常に高い水準に位置していることがわかります。
MRは月給に加えて、以下のような手当・賞与が充実している企業が多く、それが年収をさらに引き上げています。
特に外資系メーカーでは インセンティブ比率が高いため、営業成績が良いMRは年収が跳ね上がりやすい特徴があります。
dodaの年齢別データでも、MRは他の営業職と比較して伸びが大きい傾向があります。
特に30代以降は、スペシャリティ領域や外資系に転職することでグッと年収が上がりやすく、キャリア選択の影響が大きく出る年代です。
MRは、医療機関・医師・薬剤部・地域連携など多くの医療関連ステークホルダーと関わり、科学的根拠に基づく情報提供が求められる専門職です。また、製薬産業は営業利益率が高く(約15%前後)、MRに対して手厚い給与体系を整えやすい点も大きな特徴です。
こうした背景が重なり、「MR=高収入」という構造が形成されています。
MRの平均年収は約700万円前後が主流
大手転職サービス doda が公表している職種別平均年収データ(2023年版)によると、MR(医薬情報担当者)の平均年収は 約732万円 とされています。
参照:doda「2023年版 職種別平均年収データ」
この数字は全職種の平均年収(約436万円前後)と比較してもかなり高く、一般的な営業職の中でも突出している水準です。
また、MRはインセンティブ(業績給)や毎年の評価による昇給額が比較的大きいことから、30代後半~40代で年収900万円前後に届くケースも珍しくありません。さらに、外資系企業やスペシャリティ領域を扱うメーカーでは、1,000万円を超えるMRも多く存在します。
日本全体の平均給与と比べても高水準
国税庁「令和6年 民間給与実態統計調査」(2024年発表)によると、日本の給与所得者の平均年収は478万円 (前年比3.9%増)でした。
参照:国税庁「民間給与実態統計調査」
これをMRの平均年収と比較すると、
- MRの平均年収:732万円(doda調査)
- 日本の平均給与:478万円
その差は 約254万円 となり、MRという職種が日本全体の平均給与と比較して、非常に高い水準に位置していることがわかります。
ボーナスや手当が“総額年収を押し上げる”構造
MRは月給に加えて、以下のような手当・賞与が充実している企業が多く、それが年収をさらに引き上げています。
- ・営業手当(固定)
- ・外勤日数に応じた外勤手当
- ・出張手当(1日2,000〜4,000円が相場)
- ・住宅手当・借り上げ社宅制度
- ・年2回のボーナス(1回100〜200万円)
- ・インセンティブ(年100〜300万円以上のケースも)
特に外資系メーカーでは インセンティブ比率が高いため、営業成績が良いMRは年収が跳ね上がりやすい特徴があります。
年齢別で見るとMRの年収はさらに明確に差が出る
dodaの年齢別データでも、MRは他の営業職と比較して伸びが大きい傾向があります。
- 20代後半:550〜650万円
- 30代前半:650〜800万円
- 40代:800〜1,000万円以上も可能
特に30代以降は、スペシャリティ領域や外資系に転職することでグッと年収が上がりやすく、キャリア選択の影響が大きく出る年代です。
MRの年収が高い背景には「職務の専門性」と「業界の収益構造」がある
MRは、医療機関・医師・薬剤部・地域連携など多くの医療関連ステークホルダーと関わり、科学的根拠に基づく情報提供が求められる専門職です。また、製薬産業は営業利益率が高く(約15%前後)、MRに対して手厚い給与体系を整えやすい点も大きな特徴です。
こうした背景が重なり、「MR=高収入」という構造が形成されています。
製薬会社の種類によってMRの年収が変わる理由とは?
MRの年収は「同じMR」という肩書きであっても、企業ごとに大きな差が生まれます。年収600万円台の企業もあれば、1,000万円を軽く超える企業もあるため、「どの製薬会社を選ぶか」はキャリア形成において極めて重要です。ここでは、なぜ製薬会社によって年収に大きな開きが出るのか、その要因を専門的な視点から整理していきます。
製薬会社は、扱う薬の領域によってビジネスモデルが大きく異なります。そしてこの領域の違いこそが、MRの年収差を生むもっとも大きな要因です。
● 高年収につながりやすい“スペシャリティ医薬品領域”
以下のような領域は市場単価が高く、企業の収益性が高いため、MRの年収も高水準になりやすい傾向があります。
これらは専門性の高い医薬品であり、医師とのディスカッションも科学的な根拠(エビデンス)に基づく高度な会話が求められます。そのため、MRにも高度な知識が求められ、結果として給与も高く設定される のが一般的です。
● 年収が比較的控えめになりやすいプライマリー領域
生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)を中心とするプライマリー領域は競合が多く、薬価も標準的なため、MRの年収はプライマリー領域 ≦ スペシャリティ領域となる傾向があります。
製薬会社は単に「外資」「内資」で分けるだけでは不十分です。MRの年収は、さらに次の4タイプで大きく分かれます。
● 外資系は成果主義でインセンティブが大きい
外資系メーカーでは、インセンティブ比率が高く、給与レンジも広い特徴があり、実績によっては1,200万円超えも珍しくありません。
● 内資大手は“総合力”で高水準を維持
武田薬品工業、第一三共、アステラス製薬などの内資大手は、固定給が安定しており700万〜900万円水準を維持しやすい特徴があります。
● ジェネリックは薬価・収益構造から給与は控えめ
後発医薬品メーカーは薬価が低「収益性の関係で年収が抑えられる傾向があります。
● バイオベンチャーは成功すれば高収入だがリスクも大きい
バイオ系ベンチャーはパイプライン次第で収益が大きく変動するため、高年収になる可能性もあれば、年収が安定しないケースもあります。
製薬会社の年収水準は、会社が保有する 新薬候補(パイプライン)の強さ によって大きく左右されます。
▼パイプラインが強い企業の特徴
一方、パイプラインが弱い企業は、・
となり、年収の伸びが期待しにくい傾向があります。
同じ領域の製品を扱っていても、企業の戦略によってMRの年収は変わります。
とくに外資系では、“前年の実績が翌年の給与に直接反映される”というケースも多く、年収差の理由になっています。
MRの年収差は、単に企業規模だけで決まるわけではありません。
これら複数の要素が重なり、同じMRでも数百万円以上の年収差が生まれるのです。
① 扱う薬の種類(領域)によって求められる専門性が違う
製薬会社は、扱う薬の領域によってビジネスモデルが大きく異なります。そしてこの領域の違いこそが、MRの年収差を生むもっとも大きな要因です。
● 高年収につながりやすい“スペシャリティ医薬品領域”
以下のような領域は市場単価が高く、企業の収益性が高いため、MRの年収も高水準になりやすい傾向があります。
- オンコロジー(がん)領域:抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬など
- 希少疾患(オーファン)領域:患者数は少ないが薬価が高く収益性が高い
- 免疫・自己免疫疾患領域:RA(関節リウマチ)、IBD(炎症性腸疾患)、アレルギー疾患などのバイオ製剤
- 中枢神経領域:統合失調症、うつ病、神経変性疾患など
- 再生医療・遺伝子治療:CAR-T療法、細胞治療など高付加価値領域
これらは専門性の高い医薬品であり、医師とのディスカッションも科学的な根拠(エビデンス)に基づく高度な会話が求められます。そのため、MRにも高度な知識が求められ、結果として給与も高く設定される のが一般的です。
● 年収が比較的控えめになりやすいプライマリー領域
生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)を中心とするプライマリー領域は競合が多く、薬価も標準的なため、MRの年収はプライマリー領域 ≦ スペシャリティ領域となる傾向があります。
② 外資系・内資系・ジェネリック・バイオ…企業タイプの違いが直接影響する
製薬会社は単に「外資」「内資」で分けるだけでは不十分です。MRの年収は、さらに次の4タイプで大きく分かれます。
● 外資系は成果主義でインセンティブが大きい
外資系メーカーでは、インセンティブ比率が高く、給与レンジも広い特徴があり、実績によっては1,200万円超えも珍しくありません。
● 内資大手は“総合力”で高水準を維持
武田薬品工業、第一三共、アステラス製薬などの内資大手は、固定給が安定しており700万〜900万円水準を維持しやすい特徴があります。
● ジェネリックは薬価・収益構造から給与は控えめ
後発医薬品メーカーは薬価が低「収益性の関係で年収が抑えられる傾向があります。
● バイオベンチャーは成功すれば高収入だがリスクも大きい
バイオ系ベンチャーはパイプライン次第で収益が大きく変動するため、高年収になる可能性もあれば、年収が安定しないケースもあります。
③ パイプライン(新薬開発力)と市場戦略の違い
製薬会社の年収水準は、会社が保有する 新薬候補(パイプライン)の強さ によって大きく左右されます。
▼パイプラインが強い企業の特徴
- ・新薬の上市が継続的に見込めるため収益が高い
- ・薬価の高いスペシャリティ領域を多く扱う
- ・営業利益率が高く、MRの給与原資が厚い
一方、パイプラインが弱い企業は、・
- 既存品の売上維持が中心
- ・価格競争が激しい領域に依存
となり、年収の伸びが期待しにくい傾向があります。
④ 企業の営業戦略や評価制度がそのまま給与に反映される
同じ領域の製品を扱っていても、企業の戦略によってMRの年収は変わります。
- インセンティブの比率が高い企業 → 成果次第で年収が大幅増
- 固定給中心の企業 → 安定するが伸びは控えめ
- 担当エリアの構造(都市部/地方) → 医療機関数で実績が変動
とくに外資系では、“前年の実績が翌年の給与に直接反映される”というケースも多く、年収差の理由になっています。
MRの年収は「領域」「企業タイプ」「開発力」で大きく変わる
MRの年収差は、単に企業規模だけで決まるわけではありません。
- 扱う薬の領域
- 企業タイプ(外資/内資/バイオ/ジェネリック)
- パイプラインの強さ
- 評価制度・営業戦略
これら複数の要素が重なり、同じMRでも数百万円以上の年収差が生まれるのです。
扱う薬の種類で変わるMRの年収:領域別の特徴と収入相場
同じMRであっても、「どの領域の医薬品を担当するか」によって求められる知識量や営業難易度が異なり、その結果、年収に大きな差が生まれます。特に高薬価の専門領域や、科学的根拠(エビデンス)を深く理解する必要がある領域ほど、MRのスキルが強く求められ、その分給与も高く設定される傾向があります。ここでは、主要な医療領域ごとにMRの業務特性と年収水準の関係を詳しく整理します。
オンコロジー領域は、近年の製薬業界の中心となる成長分野であり、医薬品の薬価も高いことから企業の収益への貢献度が非常に大きい領域です。
● 領域の特徴
● MRに求められるスキル
● 年収の傾向
オンコロジーMRは 800〜1,200万円以上 に届くケースも多く、もっとも年収が高くなりやすい領域 です。
希少疾患領域は、患者数が少ない反面、治療剤の薬価が非常に高いため、製品一つあたりの収益性が高く、高年収につながりやすい領域です。
● 特徴
● 求められる能力
● 年収の傾向
高薬価・高付加価値のため、オンコロジー同様に 900〜1,200万円 に達することも多いです。
関節リウマチ(RA)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)など、免疫領域はバイオ医薬品が中心となる領域です。
● 特徴
● 年収の傾向
バイオ製剤を扱うため、750〜1,000万円 程度の水準に乗りやすい領域です。
統合失調症、うつ病、てんかん、アルツハイマー病などを扱う領域です。
● 特徴
● 年収の傾向
専門性は高いものの薬価が中程度であるため、650〜900万円 程度に収まることが多いです。
高血圧・糖尿病・脂質異常症など、最も一般的な処方領域です。
● 特徴
● 年収の傾向
スペシャリティ領域と比較すると標準的で、600〜800万円前後 が中心となります。
感染症領域は季節性や流行状況による影響が大きい領域です。
CAR-T療法、遺伝子導入療法など、最先端医療を扱う領域です。
● 特徴
● 年収の傾向
企業自体が外資系・バイオ企業であることが多いため、1,000〜1,300万円以上 の高収入になるケースもあります。
オンコロジー(がん)領域:高薬価・高専門性で年収はトップクラス
オンコロジー領域は、近年の製薬業界の中心となる成長分野であり、医薬品の薬価も高いことから企業の収益への貢献度が非常に大きい領域です。
● 領域の特徴
- ・免疫チェックポイント阻害薬、抗体医薬、抗がん剤、分子標的薬など高薬価
- ・医師とのディスカッション内容が高度(臨床試験、OS・PFS・バイオマーカーなど)
- ・最新のエビデンスを継続的にインプットする必要がある
● MRに求められるスキル
- ・臨床試験の理解(Phase/HR/CIなど統計解析)
- ・腫瘍内科・外科・放射線科など多診療科との連携力
- ・治療ライン(一次〜三次)別の治療戦略の知識
● 年収の傾向
オンコロジーMRは 800〜1,200万円以上 に届くケースも多く、もっとも年収が高くなりやすい領域 です。
希少疾患(オーファン)領域:高単価+少数精鋭で高収入
希少疾患領域は、患者数が少ない反面、治療剤の薬価が非常に高いため、製品一つあたりの収益性が高く、高年収につながりやすい領域です。
● 特徴
- ・1人あたりの薬価が非常に高い(年間数百万円〜数千万円例も)
- ・症例数が少なく、医療機関のターゲットが限定される
- ・医師との関係構築は深く長期的になりやすい
● 求められる能力
- ・疾患の深い理解(遺伝子疾患、代謝疾患、神経系疾患など)
- ・患者数が少ないため“探索力”が必要
- ・専門医との高度なコミュニケーション
● 年収の傾向
高薬価・高付加価値のため、オンコロジー同様に 900〜1,200万円 に達することも多いです。
免疫・炎症・自己免疫領域:バイオ製剤中心で専門性が高い
関節リウマチ(RA)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)など、免疫領域はバイオ医薬品が中心となる領域です。
● 特徴
- ・抗TNFα抗体、IL阻害薬など高薬価のバイオ医薬品が主体
- ・治療ライン、バイオからバイオへのスイッチの知識が必要
- ・治療ガイドラインの理解が必須
● 年収の傾向
バイオ製剤を扱うため、750〜1,000万円 程度の水準に乗りやすい領域です。
中枢神経領域(CNS):疾患理解が難しく専門性は高いが年収は中〜高水準
統合失調症、うつ病、てんかん、アルツハイマー病などを扱う領域です。
● 特徴
- ・神経系は疾患メカニズムが複雑
- ・治療反応性に個人差があり、説明の難易度が高い
- ・精神科領域は施設ごとのルール・慣習の理解が必要
● 年収の傾向
専門性は高いものの薬価が中程度であるため、650〜900万円 程度に収まることが多いです。
プライマリー領域(生活習慣病):担当数は多いが年収はスタンダード
高血圧・糖尿病・脂質異常症など、最も一般的な処方領域です。
● 特徴
- ・市場規模は大きいが競合が非常に多い
- ・薬価は比較的低く、収益性は控えめ
- ・施設数が多いため業務量は多くなりがち
● 年収の傾向
スペシャリティ領域と比較すると標準的で、600〜800万円前後 が中心となります。
感染症・ワクチン:公衆衛生の影響が大きく年収は企業次第
感染症領域は季節性や流行状況による影響が大きい領域です。
- ・抗菌薬は薬価が低い → 年収は標準的
- ・ワクチンは製品によっては高薬価 → 年収は高めになる場合も
再生医療・遺伝子治療(ATMP):最先端領域で極めて高い専門性が必要
CAR-T療法、遺伝子導入療法など、最先端医療を扱う領域です。
● 特徴
- ・1回あたりの治療コストが数百万〜数千万円規模
- ・治療実施施設が限られている(認定施設のみ)
- ・医師・看護師・院内調整など連携業務が非常に複雑
● 年収の傾向
企業自体が外資系・バイオ企業であることが多いため、1,000〜1,300万円以上 の高収入になるケースもあります。
企業タイプで比較するMRの年収:内資・外資・ジェネリック・ベンチャーの違い
ここからは、製薬会社を「どのタイプに分類できるか」という視点で、MRの年収がどのように変わるのかを整理していきます。同じ領域の薬を扱っていても、企業の戦略や評価制度、組織文化によって年収レンジは大きく異なります。特に外資系か内資系か、さらにジェネリックかバイオベンチャーかによってMRの働き方と給与体系は明確に分かれます。
外資系製薬会社は、MRの平均年収がもっとも高いカテゴリです。
● 特徴
● 年収の傾向
800〜1,300万円以上
※成果により1,500万円超も現実的なレンジ。
● 主な企業例
ヤンセンファーマ(Johnson & Johnson グループ)、ノバルティス、ファイザー、アステラスの外資部門、ブリストル・マイヤーズ スクイブ、アストラゼネカ、アッヴィなど。
国内の大手製薬企業は、固定給がしっかりしており、安定性が高いという特徴があります。
● 特徴
● 年収の傾向
700〜1,000万円台前半
※安定した高水準が特徴。
● 主な企業例
武田薬品工業、大塚ホールディングス、第一三共、アステラス製薬、中外製薬、エーザイ、協和キリン
後発医薬品は薬価が低く、企業全体の利益率も低いケースが多いため、MRの平均年収も他タイプに比べて低くなる傾向があります。
● 特徴
● 年収の傾向
500〜700万円台前半
● 主な企業例
沢井製薬、日医工、東和薬品、富士製薬工業、日本ジェネリックなど。
バイオベンチャーは、新薬の開発状況や資金調達に収益が大きく左右されるため “リスクとリターンが共存する” タイプの企業です。
● 特徴
● 年収の傾向
600〜900万円
※上市成功後は1,000万超えに伸びるケースもあり。
● 主な企業例
サンバイオ、ペプチドリーム、アンジェス、そーせいグループなど。
これまでの内容から、最も年収が高くなりやすいのは次の組み合わせです。
理由は、「高薬価 × 高付加価値 × 成果主義」がそろうと、MRへの評価が最も高くなるためです。
製薬会社の種類をまとめると、MRの年収水準はおおよそ次のように分類できます。
製薬会社のタイプを理解すると、「どの会社を選べば年収が上がりやすいのか」が明確になります。
続く章では、企業ランキングをもとに実際の年収水準を見ながら、どの製薬会社が高収入につながりやすいのかを掘り下げていきます。
外資系大手:成果主義で年収はトップクラス
外資系製薬会社は、MRの平均年収がもっとも高いカテゴリです。
● 特徴
- 成果主義の文化が強く、給与にインセンティブの比率が大きい
- 年功序列はほぼなく、パフォーマンスで基本給・賞与が決まる
- 給与レンジが広いため、結果が出せるMRは一気に収入が増える
- オンコロジー・希少疾患など高薬価製品が中心
● 年収の傾向
800〜1,300万円以上
※成果により1,500万円超も現実的なレンジ。
● 主な企業例
ヤンセンファーマ(Johnson & Johnson グループ)、ノバルティス、ファイザー、アステラスの外資部門、ブリストル・マイヤーズ スクイブ、アストラゼネカ、アッヴィなど。
内資系大手:安定性と高水準のバランスが良い
国内の大手製薬企業は、固定給がしっかりしており、安定性が高いという特徴があります。
● 特徴
- 給与は高水準で、業界内でも安定感がある
- 福利厚生・住宅手当・社宅制度が非常に充実
- 年功序列の要素が一部残るが、近年は成果主義も併存
- 医薬品ポートフォリオが広く、プライマリー〜スペシャリティまで幅広い
● 年収の傾向
700〜1,000万円台前半
※安定した高水準が特徴。
● 主な企業例
武田薬品工業、大塚ホールディングス、第一三共、アステラス製薬、中外製薬、エーザイ、協和キリン
後発医薬品メーカー(ジェネリック):収益構造から給与は控えめ
後発医薬品は薬価が低く、企業全体の利益率も低いケースが多いため、MRの平均年収も他タイプに比べて低くなる傾向があります。
● 特徴
- 薬価が低いため収益性も低い → 給与に反映されにくい
- 営業先が幅広く業務量が多い
- 製品種類が多く知識習得コストが大きい
● 年収の傾向
500〜700万円台前半
● 主な企業例
沢井製薬、日医工、東和薬品、富士製薬工業、日本ジェネリックなど。
バイオベンチャー:成功すれば高収入も狙えるが収入は安定しない
バイオベンチャーは、新薬の開発状況や資金調達に収益が大きく左右されるため “リスクとリターンが共存する” タイプの企業です。
● 特徴
- パイプラインの良し悪しがダイレクトに給与へ影響
- 少人数精鋭で、専門知識の要求水準が非常に高い
- 株式連動のインセンティブ(ストックオプション制度)を用意する企業もある
● 年収の傾向
600〜900万円
※上市成功後は1,000万超えに伸びるケースもあり。
● 主な企業例
サンバイオ、ペプチドリーム、アンジェス、そーせいグループなど。
外資 × スペシャリティ領域は“年収の頂点”になりやすい
これまでの内容から、最も年収が高くなりやすいのは次の組み合わせです。
- 外資系大手 × オンコロジー/希少疾患/免疫
- 国内大手 × オンコロジー/再生医療
- バイオベンチャー × 上市直後の新薬
理由は、「高薬価 × 高付加価値 × 成果主義」がそろうと、MRへの評価が最も高くなるためです。
企業タイプ別に見るMR年収の全体像
製薬会社の種類をまとめると、MRの年収水準はおおよそ次のように分類できます。
- 外資系大手:800〜1,300万円以上(成果次第で大きく変動)
- 内資系大手:700〜1,000万円台(安定して高水準)
- ジェネリック:500〜700万円前後
- バイオベンチャー:600〜900万円(成功時は大幅増も)
製薬会社のタイプを理解すると、「どの会社を選べば年収が上がりやすいのか」が明確になります。
続く章では、企業ランキングをもとに実際の年収水準を見ながら、どの製薬会社が高収入につながりやすいのかを掘り下げていきます。
年収ランキングで見る高収入MR企業:特徴と共通点(有価証券報告書ベース)
MRが高収入を目指す際、どの製薬会社で働くかは非常に重要です。というのも、同じMRという職種でも、企業ごとの給与体系に大きな開きがあり、平均年収に数百万円以上の差が生まれることも珍しくありません。ここでは各社が公開している有価証券報告書(有報) をもとに、最新の平均年間給与を比較しながら「高年収の製薬会社にはどのような特徴があるのか」を整理します。
※なお、有報の平均年間給与は “全従業員(MR以外の研究・開発・本社部門などを含む)” の平均値 であり、MRのみの年収ではありません。
※また対象となるのは日本国内で上場している製薬企業のみです。外資系製薬企業は一般的に給与水準が高い傾向がありますが、本ランキングには含まれていない点にご注意ください。
各社が公表している直近の有価証券報告書より、以下のように平均年間給与を確認できます。
(すべて従業員全体の平均であり、MRに限定した数字ではありません。)
※数値は各社の公開資料(2024〜2025年版)に基づく概算。
※年度により変動があり、MR個別の平均年収ではありません。
上記のように、主要製薬企業は軒並み平均年間給与が1,000万円前後と高水準ですが、特に上位企業には以下のような共通点があります。
● 高薬価のスペシャリティ医薬品を多数保有している
● 研究開発投資が大きく、強力なパイプラインを持っている
● グローバル展開が強い
※なお、有報の平均年間給与は “全従業員(MR以外の研究・開発・本社部門などを含む)” の平均値 であり、MRのみの年収ではありません。
※また対象となるのは日本国内で上場している製薬企業のみです。外資系製薬企業は一般的に給与水準が高い傾向がありますが、本ランキングには含まれていない点にご注意ください。
主要製薬会社の平均年間給与(最新有価証券報告書ベース)
各社が公表している直近の有価証券報告書より、以下のように平均年間給与を確認できます。
(すべて従業員全体の平均であり、MRに限定した数字ではありません。)
| 企業名 | 平均年間給与(参考数値) | 有価証券報告書リンク |
|---|---|---|
| 中外製薬 | 約1,207万円 | 有価証券報告書 |
| 第一三共 | 約1,114万円 | 有価証券報告書 |
| 武田薬品工業 | 約1,104万円(2025年3月期) | 有価証券報告書 |
| 大塚ホールディングス | 約1,063万円 | 有価証券報告書 |
| エーザイ | 約1,056万円 | 有価証券報告書 |
| アステラス製薬 | 約1,046万円 | 有価証券報告書 |
| 協和キリン(Kyowa Kirin) | 約994万円 | 有価証券報告書 |
※数値は各社の公開資料(2024〜2025年版)に基づく概算。
※年度により変動があり、MR個別の平均年収ではありません。
高年収の製薬企業に共通する特徴
上記のように、主要製薬企業は軒並み平均年間給与が1,000万円前後と高水準ですが、特に上位企業には以下のような共通点があります。
● 高薬価のスペシャリティ医薬品を多数保有している
- ・オンコロジー、希少疾患、免疫領域の比率が高い
- ・薬価の高さ=企業の収益性が高い
- ・高い専門性が求められる分、MR含め従業員の給与も上がりやすい
● 研究開発投資が大きく、強力なパイプラインを持っている
- ・第一三共、中外製薬などはR&D比率が非常に高い
- ・継続的に新薬を市場投入できる企業は収益も高い
● グローバル展開が強い
- ・武田薬品工業、アステラス、第一三共などは海外売上が大幅
- ・グローバル企業は報酬体系も国際水準で設計されやすい
MRの年収が高い理由:業界構造・手当・インセンティブの仕組み
MRは営業職のなかでも特に高い給与水準を維持しています。これは単に“営業力が必要だから”という理由ではなく、医薬品という高度専門領域を扱う職種ならではの構造によって支えられています。
ここでは、MRの年収が高水準で推移している理由を、製薬業界の利益構造や手当制度、インセンティブの仕組みから詳しく解説します。
製薬業界は、他業界と比較して 営業利益率が高い 特徴があります。一般的に日本企業の平均的な営業利益率は 5〜7% 程度ですが、
この高い利益率を背景に、製薬会社は従業員に手厚い給与を支払いやすい構造になっています。
● MRが恩恵を受けやすい理由
・医薬品は知的財産(特許)による収益性が高い
・高薬価領域を扱うと1件の売上貢献度が大きい
・新薬上市後の初期営業フェーズではMRの重要性が高い
このように MRは会社の収益に直結するポジション であるため、年収が高く設定されています。
MRの給与は 基本給だけでは判断できません。手当や補助がとても充実していることが、年収の高さに直結しています。
● 営業手当
最も代表的な手当で、すべてのMRに支給されます。
● 外勤手当
訪問日数に応じて支給される制度。
● 出張手当
地方エリアを持つMRは外勤手当に加えて支給されることも多い。
● 住宅手当・借り上げ社宅制度
転勤の多い業界のため充実しており、
これらが合わさることで、手当だけで年収が100万円以上上乗せされるケース も珍しくありません。
MRの大きな特徴は、成果に連動したインセンティブ制度が充実している点にあります。
● インセンティブとは?
年間の営業成績に応じて追加でもらえる報奨金のこと。外資系では特に割合が高く、
● 外資系の「成果主義」の仕組み
・成績上位者は、月給+ボーナス+インセンティブで年収1,300万円超え
・成績が振るわない場合、インセンがほぼゼロということも
・年次ではなく“前年の成果”が翌年給与に反映される
“頑張れば稼げる”だけでなく、「成果次第で大きく変わる」構造が年収の高さにつながっています。
新薬上市前後の数年間は、MRの役割が会社の売上に直結する最重要フェーズです。
● 新薬フェーズでのMRの仕事
新薬を成功させるには「初期3年の市場浸透」が極めて重要であり、企業は経験豊富なMRを配置します。
そのため、
・上市経験があるMR
・スペシャリティ領域経験者
・KAM(キーパーソンアカウント管理)スキルを持つMR
は、市場価値が高く年収レンジも上がりやすい という特徴があります。
MRは営業職ではありますが、扱う商材は高度医療製品であるため、他の営業職と異なる専門性が求められます。
● MRに必須の知識
● なぜ年収に影響するのか
・専門性が高いため採用に慎重
・即戦力になるには数年の育成が必要
・医療者との高度なコミュニケーション力が不可欠
この“参入障壁の高さ”が、MRの給与水準を下支えしています。
ここでは、MRの年収が高水準で推移している理由を、製薬業界の利益構造や手当制度、インセンティブの仕組みから詳しく解説します。
製薬業界の収益構造は利益率が高く、給与原資が大きい
製薬業界は、他業界と比較して 営業利益率が高い 特徴があります。一般的に日本企業の平均的な営業利益率は 5〜7% 程度ですが、
- ・製薬企業:15〜20%前後
- ・スペシャリティ・バイオ系:20%超えの企業も多い
この高い利益率を背景に、製薬会社は従業員に手厚い給与を支払いやすい構造になっています。
● MRが恩恵を受けやすい理由
・医薬品は知的財産(特許)による収益性が高い
・高薬価領域を扱うと1件の売上貢献度が大きい
・新薬上市後の初期営業フェーズではMRの重要性が高い
このように MRは会社の収益に直結するポジション であるため、年収が高く設定されています。
手当が極めて充実しているため“総額年収”が押し上がる
MRの給与は 基本給だけでは判断できません。手当や補助がとても充実していることが、年収の高さに直結しています。
● 営業手当
最も代表的な手当で、すべてのMRに支給されます。
- 大手:月6〜8万円
- 中堅〜中小:月4〜6万円
● 外勤手当
訪問日数に応じて支給される制度。
- 1日あたり 2,000〜4,000円
- 月15日外勤なら 3万〜6万円を追加支給
● 出張手当
地方エリアを持つMRは外勤手当に加えて支給されることも多い。
- 1日 2,000〜4,000円
● 住宅手当・借り上げ社宅制度
転勤の多い業界のため充実しており、
- ・自己負担は家賃の1割前後という企業も
- ・転勤時の引っ越し・更新料全額負担も一般的
これらが合わさることで、手当だけで年収が100万円以上上乗せされるケース も珍しくありません。
インセンティブ制度が強力で、成果次第で年収が大きく伸びる
MRの大きな特徴は、成果に連動したインセンティブ制度が充実している点にあります。
● インセンティブとは?
年間の営業成績に応じて追加でもらえる報奨金のこと。外資系では特に割合が高く、
- ・年100万〜300万円以上
- ・トップ層では400万円以上のケースも
● 外資系の「成果主義」の仕組み
・成績上位者は、月給+ボーナス+インセンティブで年収1,300万円超え
・成績が振るわない場合、インセンがほぼゼロということも
・年次ではなく“前年の成果”が翌年給与に反映される
“頑張れば稼げる”だけでなく、「成果次第で大きく変わる」構造が年収の高さにつながっています。
新薬上市フェーズではMRの価値が非常に高い
新薬上市前後の数年間は、MRの役割が会社の売上に直結する最重要フェーズです。
● 新薬フェーズでのMRの仕事
- ・主要KOL(キーパーソン医師)への医学情報提供
- ・施設ごとの治療プロトコル導入支援
- ・副作用管理・安全性情報提供
- ・治験・製造販売後調査のサポート
新薬を成功させるには「初期3年の市場浸透」が極めて重要であり、企業は経験豊富なMRを配置します。
そのため、
・上市経験があるMR
・スペシャリティ領域経験者
・KAM(キーパーソンアカウント管理)スキルを持つMR
は、市場価値が高く年収レンジも上がりやすい という特徴があります。
医薬品は知識労働であり、高度な医学的理解が必要
MRは営業職ではありますが、扱う商材は高度医療製品であるため、他の営業職と異なる専門性が求められます。
● MRに必須の知識
- ・疾患の病態理解(循環器、代謝、腫瘍、免疫など)
- ・薬理作用・副作用・薬物動態(PK/PD)
- ・臨床試験データ(PFS/OS、統計解析)
- ・医薬品医療機器法、広告規制、プロモーションコード
● なぜ年収に影響するのか
・専門性が高いため採用に慎重
・即戦力になるには数年の育成が必要
・医療者との高度なコミュニケーション力が不可欠
この“参入障壁の高さ”が、MRの給与水準を下支えしています。
年収アップを目指すMRが意識すべきキャリア戦略
MRの年収は、企業選びや扱う領域、キャリアステップによって大きく変わります。経験年数を重ねても給与が伸びにくいケースもあれば、領域や会社を変えることで一気に年収が100万円以上伸びることも珍しくありません。ここでは、現役MRが年収アップを目指す上で実践できる具体的なキャリア戦略をまとめました。
年収を大きく伸ばす最も確実な方法は、高薬価領域へのキャリアチェンジ です。
● 高収益領域に移ると年収が上がりやすい理由
● キャリアチェンジのポイント
高薬価領域へ移るだけで、年収が100万〜200万円単位で上がるケースも多いです。
外資系企業は、給与におけるインセンティブ比率が高い傾向があります。
● 外資系で年収が上がりやすい理由
● 推奨されるキャリアモデル
外資では、実績次第で 年収1,300万円以上 に到達することもあり、“短期的に年収を伸ばす” という点では非常に有効な選択です。
MR経験を活かし、専門性の高い職種へキャリアアップすると年収がさらに伸びます。
● MSL(メディカルサイエンスリエゾン)
医科学知識に基づき、医師とディスカッションする専門職。
● マーケティング職(ブランド担当)
● KAM(Key Account Manager)
これらの専門職は募集が限られているため、MR経験が3〜5年を超えたタイミングで狙うと成功率が高いです。
年収アップにつながる“市場価値の高い経験”は以下の通りです。
これらの経験があると、転職市場で評価が格段に高まり、【選べる企業が増える → 年収レンジも上がる】という好循環が生まれます。
MR認定資格の取得は必須ですが、年収への影響は限定的です。
実際には、
が年収に直結します。特にスペシャリティ領域の実績は “資格以上の市場価値” があります。
製薬企業の年収テーブルや評価制度は社外公開されていないことも多く、個人で情報収集するのは難しいケースがあります。そのため、年収テーブルが高い企業/インセンティブが手厚い企業/高薬価領域の採用が活発な企業を見極めるには、医療業界専門の転職支援サービスを活用することが有効です。
特に 医療転職.com は、MR・MSL・MAなど医療系キャリアに特化しており、一般には出回らない 非公開求人 の紹介も受けられます。
高薬価・高専門性領域へキャリアチェンジする(オンコロジー/希少疾患 など)
年収を大きく伸ばす最も確実な方法は、高薬価領域へのキャリアチェンジ です。
● 高収益領域に移ると年収が上がりやすい理由
- ・オンコロジーや希少疾患は1件あたりの収益貢献が大きい
- ・医師との高度なディスカッションが求められ市場価値が高い
- ・製薬企業が“経験者採用”を優遇する領域である
● キャリアチェンジのポイント
- ・プライマリー領域の実績を“論理的に語れる”よう準備
- ・新薬データや競合製品のエビデンスを事前に学習
- ・外資系のオンコロジーMRは高倍率 → 応募企業を広めに設定
高薬価領域へ移るだけで、年収が100万〜200万円単位で上がるケースも多いです。
外資系製薬企業へ転職し、インセンティブで年収を伸ばす
外資系企業は、給与におけるインセンティブ比率が高い傾向があります。
● 外資系で年収が上がりやすい理由
- ・成果主義が徹底されており、実績=給与に直結
- ・オンコロジー・免疫など高薬価の製品ラインが中心
- ・評価制度が透明で、昇給スピードが速い
● 推奨されるキャリアモデル
- ・内資 → 外資オンコロジー部門へチャレンジ
- ・外資プライマリー → 外資スペシャリティへ移行
外資では、実績次第で 年収1,300万円以上 に到達することもあり、“短期的に年収を伸ばす” という点では非常に有効な選択です。
MSL・マーケティング・KAMなど専門職へキャリアアップ
MR経験を活かし、専門性の高い職種へキャリアアップすると年収がさらに伸びます。
● MSL(メディカルサイエンスリエゾン)
医科学知識に基づき、医師とディスカッションする専門職。
- ・エビデンス理解力が必須
- ・MRよりも科学的・アカデミック寄り
- ・年収はMRよりやや高い企業が多い(〜1,200万円)
● マーケティング職(ブランド担当)
- ・製品戦略全体を考える“本社系”の役割
- ・KOL戦略・プロモーション戦略を策定
- ・待遇も高く、昇進スピードも早い
● KAM(Key Account Manager)
- ・大病院や地域連携など重要施設を戦略的に管理
- ・複数領域の理解・高度な交渉力が求められる
- ・報酬は1,000万超が一般的
これらの専門職は募集が限られているため、MR経験が3〜5年を超えたタイミングで狙うと成功率が高いです。
新薬上市経験やKOL対応の実績を“武器”として可視化する
年収アップにつながる“市場価値の高い経験”は以下の通りです。
- ・新薬上市フェーズの経験
- ・オンコロジー/希少疾患の担当実績
- ・KOL(医師)との深い関係構築経験
- ・治験・PMS・学会対応の経験
これらの経験があると、転職市場で評価が格段に高まり、【選べる企業が増える → 年収レンジも上がる】という好循環が生まれます。
資格よりも“領域経験+実績”が重視される
MR認定資格の取得は必須ですが、年収への影響は限定的です。
実際には、
- どの領域で成果を出したか
- 担当施設の規模・難易度
- KOL対応の経験
が年収に直結します。特にスペシャリティ領域の実績は “資格以上の市場価値” があります。
転職エージェントを併用し、年収テーブルの高い企業を狙う
製薬企業の年収テーブルや評価制度は社外公開されていないことも多く、個人で情報収集するのは難しいケースがあります。そのため、年収テーブルが高い企業/インセンティブが手厚い企業/高薬価領域の採用が活発な企業を見極めるには、医療業界専門の転職支援サービスを活用することが有効です。
特に 医療転職.com は、MR・MSL・MAなど医療系キャリアに特化しており、一般には出回らない 非公開求人 の紹介も受けられます。
まとめ
MRは医療業界のなかでも専門性が高く、企業の収益に直結するポジションであるため、全体的に高収入を狙いやすい職種です。ただし、この記事で解説してきたように、年収は「担当領域」「企業タイプ」「パイプライン」「評価制度」など複数の要因によって大きく変わります。どの製薬会社で働くか、どの領域で経験を積むかによって、年収レンジは数百万円単位で差が生まれることも珍しくありません。
特に高薬価のスペシャリティ領域(オンコロジー・希少疾患・免疫など)や、成果主義が徹底された外資系企業では、実績次第で1,000万円以上の年収も十分に目指せます。一方で、ジェネリック中心の企業やプライマリー領域では比較的安定しているものの、給与水準は標準的になる傾向があります。
また、有価証券報告書の平均年収は、MRだけでなく会社全体の従業員を対象にした数字ですが、企業の待遇レベルを把握するには非常に分かりやすい指標です。転職を考える際にも、企業比較の材料として十分に活用できます。
年収を伸ばしたいMRにとって大切なのは、自分の現在の立ち位置を理解し、どの領域・どの企業に進むべきかを戦略的に判断することです。今後のキャリアを考えるうえで迷いがある場合は、医療業界に特化した転職支援サービスを活用することで、より自分に合った選択肢に出会いやすくなります。
医療転職.com では、MR・MSL・MA・マーケティングなど医療系専門職の非公開求人も扱っており、個々の経験に合わせてキャリアの可能性を広げるサポートを行っています。
「どの方向に進むべきか分からない」「年収を伸ばせる環境を知りたい」という方は、気軽に相談してみてください。
特に高薬価のスペシャリティ領域(オンコロジー・希少疾患・免疫など)や、成果主義が徹底された外資系企業では、実績次第で1,000万円以上の年収も十分に目指せます。一方で、ジェネリック中心の企業やプライマリー領域では比較的安定しているものの、給与水準は標準的になる傾向があります。
また、有価証券報告書の平均年収は、MRだけでなく会社全体の従業員を対象にした数字ですが、企業の待遇レベルを把握するには非常に分かりやすい指標です。転職を考える際にも、企業比較の材料として十分に活用できます。
年収を伸ばしたいMRにとって大切なのは、自分の現在の立ち位置を理解し、どの領域・どの企業に進むべきかを戦略的に判断することです。今後のキャリアを考えるうえで迷いがある場合は、医療業界に特化した転職支援サービスを活用することで、より自分に合った選択肢に出会いやすくなります。
医療転職.com では、MR・MSL・MA・マーケティングなど医療系専門職の非公開求人も扱っており、個々の経験に合わせてキャリアの可能性を広げるサポートを行っています。
「どの方向に進むべきか分からない」「年収を伸ばせる環境を知りたい」という方は、気軽に相談してみてください。

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