1. 医療転職.comトップ
  2. 記事一覧
  3. キャリアコンサルタント資格の難易度はどのくらい?勉強時間は?

キャリアコンサルタント資格の難易度はどのくらい?勉強時間は?

「キャリアコンサルタント」は、希望や適性にマッチした求人の紹介やキャリア相談などを通して、その人らしく生き生きと働けるようサポートする仕事です。やりがいが大きいため、転職希望者も多い傾向にあります。

しかし、キャリアコンサルタントと称して仕事をするには、国家資格が必要です。この記事では、キャリアコンサルタント資格の概要や難易度、勉強時間など、目指すうえで知っておきたい情報を紹介します。

キャリアコンサルタントってどんな仕事?資格は必須?

キャリアコンサルタントってどんな仕事?資格は必須?
キャリアコンサルタントの仕事内容や国家資格の必要性について解説します。

(1)キャリアコンサルタントとは
「このまま今の職場で働いていて大丈夫かな?」「仕事にやりがいを感じられない」など、長いキャリアのなかで、働き方に悩む人は少なくありません。

キャリアコンサルタントは、働く人の悩みに寄り添い、キャリアに関する専門的な知識・経験を活かして、適切なアドバイスやサポートをする仕事です。

キャリアコンサルタントは、人材紹介・人材派遣会社や企業の人事部門、大学のキャリアセンター、ハローワークなど、幅広い職場で活躍しています。

能力・経験・価値観・特性などにマッチした職業選択のサポートだけではなく、キャリアプランの作成やワークライフバランスを考えた働き方の相談、スキルアップ支援などもキャリアコンサルタントの重要な仕事です。

厚生労働省が運営する「職業情報提供サイト」によると、キャリア相談の仕事をしている人の数は全国で309,100人、平均年収は579.8万円です。

(2)キャリアコンサルタントを名乗るには国家資格が必須
キャリアに関する相談業務を行うにあたって、資格は必要ありません。ただし、「キャリアコンサルタント」と名乗るには、国家資格が必要です。

「キャリアコンサルタント試験」または「キャリアコンサルティング技能検定(1級または2級)」に合格し、名簿に登録して初めて、キャリアコンサルタントとして活動できます。国家資格キャリアコンサルタントWebサイト 登録センターによると、2023年6月末時点でのキャリアコンサルタント登録者数は、68,602人です。

国家資格を持たない人は、「キャリアカウンセラー」など他の名前を名乗って、キャリア相談業務に携わります。

また、民間のキャリアカウンセラー資格も存在するものの、国家資格であるキャリアコンサルタントの方が、信頼性が高く、転職に有利です。

キャリアコンサルタント試験の受験資格って?どんな試験なの?

キャリアコンサルタント試験の受験資格って?どんな試験なの?
キャリアコンサルタントを名乗るには、キャリアコンサルタント試験またはキャリアコンサルティング技能検定どちらかの合格が必要です。

キャリアコンサルティング技能検定の方が高レベルなため、一般的にはキャリアコンサルタント試験を受験します。

この記事では、キャリアコンサルタント試験の受験資格や概要について紹介します。


(1)受験資格
下記のいずれかを満たしていれば受験することができます。

・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した人
・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する人
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した人

実務経験がない場合は、厚生労働大臣が認定する講習を受けるのが一般的です。通学だけではなく、通信講座でも学べるので、働きながら資格取得を目指す人も少なくありません。

(2)試験概要
キャリアコンサルタント試験は、「キャリアコンサルティング協議会(CCC)」と「日本キャリア開発協会(JCDA)」が共同で運営し、年3回、同じ日に同じ問題で実施しています。

試験内容は下記の通りです。

<学科試験>
キャリアカウンセリングをするうえで必要な知識を確認する試験です。試験時間は100分で、50問出題されます。出題形式は、4つの選択肢から1つを選択するマークシート式です。

<実技試験>
キャリアコンサルタントとしての心構えや対応力が問われる試験です。論述試験と面接試験を行います。

・論述
事例記録を読み、設問に記述式で回答します。試験時間は50分です。

・面接
面接ではロールプレイと口頭試問が行われます。試験時間は、ロールプレイ15分、口頭試問5分、合計20分です。

どちらの団体が運営する試験を受けても合格率はほとんど変わりません。ただし、面接の評価軸が異なります。

キャリアコンサルタント試験の難易度って?どのくらい勉強すべき?

キャリアコンサルタント試験の難易度って?どのくらい勉強すべき?
キャリアコンサルタント試験の合格率と難易度について解説します。

(1)合格率
直近5回の試験の合格率は、下記の通りです。

第22回(令和5年3月) 学科:82.2% 実技:64.6% 学科・実技同時:59.3%
第21回(令和4年11月) 学科:61.7% 実技:57.7% 学科・実技同時:46.9%
第20回(令和4年7月) 学科:77.9% 実技:60.2% 学科・実技同時:54.9%
第19回(令和4年3月) 学科:61.6% 実技:61.1% 学科・実技同時:48.6%
第18回(令和3年10~11月)学科:81.1% 実技:63.5% 学科・実技同時:60.1%


例年、学科・実技同時受験者の合格率は46~60%前後で推移しています。受験者の約半分が合格しており、高い合格率の試験といえます。


(2)難易度
キャリアコンサルタント試験の難易度を、他の国家資格の合格率と比較して考えてみましょう。

・宅地建物取引士(宅建):17.0%
・行政書士:12.1%
・社会保険労務士(社労士):5.3%
※全て令和4年度

国家資格によって受験資格や試験内容などが異なるものの、他の国家資格と比べて合格率が大幅に高く、難易度は低めだと考えられます。

ただし、講習や実務を通して知識を身に着けた人が受験しているため、合格率が高いという面もあるので、油断は禁物です。しっかりと準備して、合格を目指しましょう。

(3)合格するために必要な勉強時間
厚生労働大臣が定めるキャリアコンサルタント講習のカリキュラムは、150時間です。試験に合格するには、さらに学科試験への対策が100〜200時間ほど必要なので、トータルの勉強時間は250〜350時間が目安です。勉強期間は、3~6ヶ月くらいを想定するとよいでしょう。

働きながら受験する場合は、仕事のある日は2~3時間学科を通信講座で学習し、土日でスクーリングをするといったスケジュールが一般的です。

講座で学んだ内容を自習で定着させ、模擬試験でアウトプット練習することで、効率的に勉強できます。特に試験直前は過去問を繰り返し解き、自分の苦手分野を洗い出し、復習することをおすすめします。

また、キャリアコンサルタント養成校によっては、直前対策を実施しているケースもあるので活用しましょう。

実務経験によって受験資格を満たしていれば独学でも受験でき、知識や経験によってはより少ない勉強時間でも合格できるかもしれません。ただし、ロールプレイや面接の練習が難しい、学習に詰まった時に質問できないといったデメリットもあります。

まとめ

まとめ
キャリアコンサルタントは、キャリアに関する専門的な知識を活かして、働く人の相談に乗り、適切なアドバイスやサポートをする仕事です。

キャリアコンサルタントを名乗って仕事をするには、国家資格が必要です。

キャリアコンサルタント試験の合格率は、45~60%前後で推移しており、他の国家試験と比較すると、難易度は低いといえます。また、合格に必要な勉強時間は、250〜350時間が目安です。

キャリアコンサルタントは、働き方の多様化などを背景に、大きな注目を集めている資格です。医療業界専門の転職エージェントや医療業界の企業など、医療業界で活躍する人も少なくありません。