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医療機器メーカーの世界ランキングを紹介!上位企業の特徴も解説

転職を考える際に、志望する業界でどの企業が強いのか知っておくことが大切です。この記事では、医療機器メーカーのシェアにおける世界ランキングをご紹介します。

医療機器メーカーはグローバル企業が多く、転職活動の際には日本企業だけでなく、外資系企業もチェックすることをおすすめします。応募先企業の業界内での立ち位置を知っておくと、より深く志望動機などを考えられるため、面接対策としても有効です。

医療機器メーカーのシェア世界ランキング【TOP15】

医療機器メーカーのシェア世界ランキング【TOP15】
医療機器業界は、2020年時点で約4500億米ドル、日本円にして約50兆円もの規模を持つ市場です。シェア世界ランキング上位の企業は、そのなかでも特に売上額が大きい企業です。

医療機器メーカーの世界市場におけるシェアランキングTOP15は、下記の通りです。

1位 メドトロニック  シェア:6.69%
2位 ジョンソン&ジョンソン  シェア:5.11%
3位 サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック  シェア:5.02%
4位 GE  シェア:4.00%
5位 シーメンスヘルシニアーズ  シェア:3.87%
6位 ベクトン・ディッキンソン  シェア:3.80%
7位 カーディナル・ヘルス  シェア:3.71%
8位 アボット・ラボラトリーズ  シェア:2.62%
9位 バクスター  シェア:2.60%
10位 フィリップス  シェア:2.19%
11位 オリンパス  シェア:1.30%
12位 フレゼニウス  シェア:1.29%
13位 富士フイルム  シェア:1.19%
14位 キヤノン  シェア:0.91%
15位 テルモ  シェア:0.69%

上記にランクインしているような大企業であればあるほど、給料などの条件がよく、経営も安定している傾向にあります。また、大きなプロジェクトに携われる、グローバル化などに伴い新しいポジションが生まれやすいなど、やりがいを持って働ける条件が整っている可能性が高いでしょう。

世界ランキング上位3社の医療機器メーカーについて概要を解説!

世界ランキング上位3社の医療機器メーカーについて概要を解説!
世界ランキング上位は、ほぼ欧米の医療機器メーカーで占められています。なかには、あまり聞きなれない会社もあるのではないでしょうか?

同じ大手医療機器メーカーでも、会社ごとに得意とする分野など特徴が異なります。転職先を検討する際の参考になるよう、上位3社の医療機器メーカーの概要を解説します。

1.メドトロニック
メドトロニックは、1949年にアメリカで医療機器の修理会社として設立されました。1957年には、世界初の電池式心臓ペースメーカーを、1960年代後半には世界初の植込み型心臓ペースメーカーを開発しました。

現在は、ペースメーカーや糖尿病患者向けに常時インスリンを自動的に投与する機器などのリーディングカンパニーとして活動しています。

同業の買収を積極的に行うことで、事業を拡大してきました。2020年の収益は約300億米ドル、日本円にして3兆円を超え、日本国内の医療機器市場全体とほとんど同じくらいの規模です。

2.ジョンソン&ジョンソン
ジョンソン&ジョンソンは1886年にアメリカで滅菌済み包帯などのメーカーとして創業した、トータルヘルスケアカンパニーです。日本では「バンドエイド」や「リステリン」といった家庭用製品のイメージが強いですが、世界屈指の医療機器メーカーで、特に外科領域の医療機器では圧倒的なシェアを持っています。

約60ヶ国に拠点を持つグローバル企業で、医療機器以外にも家庭用衛生用品や化粧品など、幅広いビジネスを展開しています。

3.サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック
サーモ・フィッシャー・サイエンティフィックは、2006年にThermo ElectronとFisher Scientrificが合併して誕生した科学機器・試薬・科学サービス企業です。

アメリカに本社を置き、世界各国で80,000人以上の従業員が働いているグローバル企業でもあります。

分析器やライフサイエンス用研究・実験機器など分野で、業界をリードしています。

医療機器メーカーの世界ランキングで欧米企業が強い理由とは

医療機器メーカーの世界ランキングで欧米企業が強い理由とは
世界市場におけるシェアランキング上位5社の医療機器メーカーは、シーメンスヘルシニアーズがドイツ企業、その他の企業は全てアメリカの企業です。5位以下も、ほとんどが欧米の企業となっております。

世界の医療機器市場のシェアは、約4割がアメリカ、約4割がヨーロッパ、1割が日本と圧倒的に欧米が優位といえます。

ではなぜ、医療機器メーカーの世界では欧米企業が強いのでしょうか?

1.西洋医学が世界の医学界をリードしているから
現在、世界の医学界をけん引しているのは、欧米で発展した西洋医学です。そのため、医薬品と同様、医療機器も西洋医学に基づいているため、欧米メーカーが強い傾向にあります。

2.新興国では医療機器のニーズが低い
日本で生活していると気が付きにくいですが、新興国では医療機器があまり普及していません。そのため、ランキング上位の企業は欧米などの先進国がほとんどという結果になります。

ただし、新興国の医療機器のニーズは高まる傾向にあり、今後、中国をはじめとする新興国の医療機器メーカーが躍進する可能性はあります。

3.早くからグローバル化に対応してきた
医療機器の国内需要には限りがあることを見越し、欧米企業はさらなる事業拡大を目指して、早くから海外市場へ進出してきました。

そのため、すでに各国で確かな基盤を築いていており、欧米以外の医療機器メーカーは後発のため、シェア獲得に苦労する傾向にあります。

4.ビジネス規模が大きい
欧米の医療機器メーカーは非常に規模が大きく、医療機器だけではなく総合電機メーカーや医薬品メーカーとしても活動しています。取り扱う製品・サービスの幅広さが、安定経営やさらなる拡大に有利に働いていると言えるでしょう。

日本の医療機器メーカーの競争力は?どんな分野に強いの?

日本の医療機器メーカーの競争力は?どんな分野に強いの?
日本の医療機器メーカーのうち、上位15社にランクインしているのは、オリンパス・富士フイルム・キヤノン・テルモの4社のみです。各社の得意分野は下記の通りです。

・オリンパス:内視鏡
・富士フイルム:MRI、CT、X線画像診断、超音波画像診断装置
・キヤノン:眼底カメラなどの眼科向け診断機器、X線デジタル撮影装置
・テルモ:カテーテルなどの心臓・血管に関する医療機器

日本の医療機器市場は、拡大傾向にありますが、国際競争力は欧米企業には及びません。2018年の時点で、約9,529億円と輸入超過になっています。

軟性内視鏡の世界シェアが98.0%であるなど、診断機器の国際競争力はある程度あります。しかし、人工関節や放射線治療装置などの治療機器は、欧米系の企業のシェアが圧倒的に大きいのが現状です。

日本の医療機器メーカーが国際競争力を高めるには、グローバル化やデジタル技術の活用などが鍵となるでしょう。

まとめ

まとめ
医療機器メーカーの世界ランキングでは、上位のほとんどを欧米企業が占めています。日本の医療機器メーカーも上位15社に4社ランクインはしていますが、欧米企業と比較すると小規模です。

内視鏡や画像診断機器などの診断機器はある程度のシェアがありますが、治療機器については欧米企業が圧倒的に強いと言えます。

こうした傾向を知っておくことで「治療機器に携わりたいから外資系を目指す」といったように、より自分の希望に応じた転職先を見極めやすくなります。

転職活動では、業界の特徴や動向といった情報収集が非常に大切です。医療業界に特化した転職サイトでは、そうした情報を解説している場合が多いので、是非チェックしてみてください。