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デジタル技術を活用した予防医療って?注目される背景や事例も紹介

デジタル技術を活用して、医療やヘルスケアに関する課題を解決することを「デジタルヘルスケア」と言います。デジタルヘルスケアのさまざまな領域のなかでも、特に注目を浴びているのが、病気を未然に防ぐ「予防医療」です。

医療機器メーカーなど医療業界の企業はもちろん、IT系をはじめとする他業界の企業も多く進出しており、医療業界の将来を考えるうえで重要な領域です。医療業界での転職を考えているのなら、理解しておきたい話題といえるでしょう。

この記事では、デジタル技術を活用した予防医療についてわかりやすく解説します。

デジタル技術で病気を防ぐ!最先端の予防医療とは

デジタル技術で病気を防ぐ!最先端の予防医療とは
ここでは、デジタルヘルスケアと予防治療の基本的な知識を解説します。

(1)デジタルヘルスケアとは
「ヘルスケア」とは、健康の維持・向上のためにする行動や健康管理を意味します。デジタルヘルスケアは、デジタル技術を活用してヘルスケアを行うことを指します。

デジタルヘルスケアで用いられる主なデジタル技術は、人工知能(AI)やチャットボット、ウェアラブルデバイス、ビッグデータ解析などさまざまです。

デジタル技術の活用により、血圧といった身体の状態や人の行動といったデータを効率的に収集できるようになり、科学的なデータを根拠とした健康管理や病気の予防が可能になります。

また、チャットボットなどの導入により、医師をはじめとする専門家にアクセスしやすくなるのもデジタルヘルスケアの大きなメリットです。

(2)デジタルヘルスケアを活用した予防医療とは
予防医療とは、病気になってから治療するのではなく、病気にならないよう健康な状態をできるだけ長く維持することを指します。

デジタルヘルスケアを活用した予防医療では、下記のようなアプローチをしています。
・スマートフォンアプリなどの情報提供の場を設け、患者に必要な予防・治療にアクセスできる環境を整える

・身体の状態や日々の行動といったデータをもとに、医学的な見地から行動の変化につながるアドバイスをする

デジタルヘルスケアを活用した予防医療は、幅広い病気に活用されていますが、特に高血圧や糖尿病といった生活習慣病に効果を発揮する方法です。血圧などのデータから注意喚起したり、栄養バランスのとれた食生活や適度な運動を促したりすることで、生活習慣病のリスクを軽減できます。

デジタルヘルスケアが登場する前から、病気の予防には生活習慣の改善が有効なのは広く知られています。しかし、病気にかかる前に、日々の生活を変えるのは難しいといえるでしょう。自覚症状がないまま進行し、発症すると健康を大きく損ねたり、高額の医療費がかかったりといったリスクが考えられます。

デジタル技術の活用により、その人の志向やライフスタイルに合わせた行動変容プログラムを提供し、経過をチェックできるようになるため、生活改善のハードルは大幅に下がるはずです。

なぜ必要?デジタル技術を活用した予防医療が注目される背景とは

なぜ必要?デジタル技術を活用した予防医療が注目される背景とは
近年、デジタル技術を活用した予防医療が注目されているのには下記のような背景があります。


(1)超高齢化社会
日本 は国民の21%以上を65歳以上の高齢者が占める「超高齢化社会」です。高齢者はさまざまな病気にかかりやすく、高齢者が増加すると医療を必要とする人も増加します。そのため、医療費が増加し、高齢者を支える現役世代の負担が重くなり続けています。

また、高齢化に伴い、長期的に治療・介護が必要な患者が増えていますが、医療・介護系の人材不足は深刻です。

デジタル技術を活用した予防医療により病気の発症や重症化を防ぐことで、医療費の負担を軽減し、医療・介護人材の人手不足を解消できると期待されています。


(2)慢性疾患へのシフト
かつて日本人がかかる病気は、結核や肺炎といった感染症など、急激に発症する「急性疾患」が主でした。しかし、医学の発達や生活スタイルの欧米化に伴い、がん・心臓病などの循環器疾患・糖尿病などの生活習慣病といった「慢性疾患」にかかる人の割合が増加しています。それに伴い、予防医療の重要性が高まっています。

慢性疾患は、少しずつ発症し治療が長期化する疾患です。そのため、予防医療を行えば、発症を未然に防げる、発症しても軽症で済むといったケースも少なくありません。また、慢性疾患の多くは、生活習慣との関係が深いため、予防医療による効果が高いと考えられます。

デジタル技術の活用により、生活改善に必要なデータ収集や指導が容易になれば、効果的に予防できるでしょう。


(3)平均寿命と健康寿命のギャップ
「健康寿命」とは、健康に関する問題で日常生活が制限されずに生活できる期間を指します。

厚生労働省によると、2019年時点での日本人の平均寿命は、男性が81.41歳、女性が87.45歳です。2019年時点での健康寿命は、男性が72.68歳、女性が75.38歳なので、平均寿命と比べ、それぞれ約9年、約12年短い状況です。

平均寿命が長くても健康寿命が短く、生活に不便がある状態が続くのは避けたいものです。また、平均寿命と健康寿命の差が大きいと医療費・介護費の負担が大きくなります。

デジタル技術を活用した予防医療で健康管理を行うことで、平均寿命と健康寿命の差を解消できると期待されています。

デジタル技術を活用した予防医療はここまで来ている!事例紹介

デジタル技術を活用した予防医療はここまで来ている!事例紹介
デジタル技術を活用した予防医療サービスは、すでに数多くリリースされています。代表的な事例を紹介します。


(1)HEALTHY LAB:株式会社M-aid
「HEA LTHY LAB」は、「手の中に収まる“かかりつけ医”」をコンセプトに開発されたスマートフォン向け健康管理アプリです。

スマートフォンと連携し、歩数・消費カロリー・心拍数・食事などを記録・分析することで、「健康年齢」「病気発症予測」「リスク軽減予測」を算出できます。

さらに、管理栄養士とチャットでやりとりし、自分に合ったアドバイスや健康相談を受け、改善に役立てられるメリットもあります。


(2)糖尿病予防プログラム:日本生命保険相互会社
身体 の状態をさまざまな機器・ツールで測定し、改善に役立てる糖尿病予備軍向けプログラムです。本人が数値をもとに体調を管理するのと並行し、日本生命病院の保健師などが遠隔で生活改善を指導します。
自分で身体の状態を把握できるので生活改善への意識が高まる、専門家の指導により具体的な行動改善につながるといったメリットがあります。


(3)生活習慣病リスク予測AI :東芝デジタルソリューションズ株式会社
東芝グループとSOMPOホールディングスグループが共同開発した「生活習慣病リスク予測A」は、6種類の生活習慣病リスクを6年先まで予測できるAIです。
1年分の健康診断のデータから、糖尿病・高血圧症・肥満症・脂質異常症・肝機能障害・腎機能障害のリスクを算出します。糖尿病発症リスクの予測を調べたところ、90%以上の高精度でした。

まとめ

まとめ
超高齢化・急性疾患から慢性疾患へのシフト・平均寿命と健康寿命のギャップなどを背景に、AI・チャットボット・ウェアブルデバイスといったデジタル技術を活用した予防医療への注目度が高まっています。

代表的な事例としては、株式会社M-aidが開発したスマートフォン向け健康管理アプリ「HEALTHY LAB」、日本生命保険相互会社が提供する「糖尿病予防プログラム」があります。

今後さらにニーズが増していくと考えられ、将来性がある職場に転職したい人は、デジタルを活用した予防医療に強い会社を目指すのもよいでしょう。

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