日本の医療機器メーカー最新ランキング|年収・将来性も徹底解説
2022/10/05
2025/12/03
日本の医療機器メーカー市場は世界的にも存在感が高く、転職を検討する際に売上ランキングや年収水準を把握しておくことは重要です。
本記事では、2024年3月期決算に基づく最新ランキングをもとに、上位10社の特徴や平均年収、さらに注目のベンチャー企業や今後の業界トピックスまで解説します。転職を考える方に向けて、安定性と将来性の両面からキャリア選択のヒントをお届けします。
本記事では、2024年3月期決算に基づく最新ランキングをもとに、上位10社の特徴や平均年収、さらに注目のベンチャー企業や今後の業界トピックスまで解説します。転職を考える方に向けて、安定性と将来性の両面からキャリア選択のヒントをお届けします。
医療機器メーカー市場全体について解説!市場規模は拡大傾向
日本の医療機器市場は、世界的に見ても安定した成長を続けています。高齢化の進展や生活習慣病患者の増加により、医療機器の需要は年々高まっており、国内外の企業にとって注目度の高い市場といえるでしょう。
厚生労働省「薬事工業生産動態統計(令和5年年報)」によると、2023年(令和5年)の医療機器の国内生産金額は2兆6,747億円、輸入額は3兆3,217億円、輸出額は1兆1,255億円で、国内出荷額は4兆5,490億円に達しています(厚生労働省|薬事工業生産動態統計)。
区分別に見ると、カテーテルやペースメーカーなどの治療機器が市場の約6割を占め、CT・MRIなどの診断機器が約2割を占めています。治療機器は市場規模が大きいだけでなく成長率も高く、医療現場での需要増加が続いています。
世界市場における日本企業の競争力は、内視鏡や画像診断装置といった診断機器分野では一定の存在感を持つものの、治療機器分野では欧米メーカーが依然として優位に立っています。そのため、日本メーカーにとってはさらなる研究開発力の強化とグローバル展開が課題といえるでしょう。
また、近年はIoT、ビッグデータ、AI(人工知能)の活用により、医療機器の高機能化や効率化が進展しています。遠隔診療やデジタルヘルス分野の普及も追い風となり、従来のハードウェアだけでなくソフトウェアやサービスとの一体化が進むことで、医療機器市場の裾野はさらに広がっています。
転職希望者にとっては、このような拡大する市場における人材需要は大きなチャンスです。研究開発、営業、マーケティング、品質保証、臨床開発など、幅広い職種で人材募集が増えており、医療機器メーカーでキャリアを築く環境は今後も整っていくと予想されます。
厚生労働省「薬事工業生産動態統計(令和5年年報)」によると、2023年(令和5年)の医療機器の国内生産金額は2兆6,747億円、輸入額は3兆3,217億円、輸出額は1兆1,255億円で、国内出荷額は4兆5,490億円に達しています(厚生労働省|薬事工業生産動態統計)。
区分別に見ると、カテーテルやペースメーカーなどの治療機器が市場の約6割を占め、CT・MRIなどの診断機器が約2割を占めています。治療機器は市場規模が大きいだけでなく成長率も高く、医療現場での需要増加が続いています。
世界市場における日本企業の競争力は、内視鏡や画像診断装置といった診断機器分野では一定の存在感を持つものの、治療機器分野では欧米メーカーが依然として優位に立っています。そのため、日本メーカーにとってはさらなる研究開発力の強化とグローバル展開が課題といえるでしょう。
また、近年はIoT、ビッグデータ、AI(人工知能)の活用により、医療機器の高機能化や効率化が進展しています。遠隔診療やデジタルヘルス分野の普及も追い風となり、従来のハードウェアだけでなくソフトウェアやサービスとの一体化が進むことで、医療機器市場の裾野はさらに広がっています。
転職希望者にとっては、このような拡大する市場における人材需要は大きなチャンスです。研究開発、営業、マーケティング、品質保証、臨床開発など、幅広い職種で人材募集が増えており、医療機器メーカーでキャリアを築く環境は今後も整っていくと予想されます。
医療機器業界の売上高ランキング(2024年3月期 暫定版)
医療機器メーカーへの転職を検討する際、売上規模を把握することは重要な判断材料のひとつです。売上が大きい企業は経営基盤が安定しており、研究開発やグローバル展開にも積極的で、待遇面でも魅力がある傾向があります。
ここでは、各企業の2024年3月期決算短信(PDF)を参照し、当社独自にまとめた暫定ランキングを掲載しています。なお、一部企業は「医療機器事業」「ヘルスケア事業」の売上を用い、それ以外は会社全体の売上を採用しています。比較の際は注記をご確認ください。
※会社全体ではなく、医療機器部門の売上高を記載しています。富士フイルムHDヘルスケア事業、オリンパスは内視鏡事業と治療機器事業、オムロンはヘルスケアビジネス事業、コニカミノルタはヘルスケア事業の売上高です。
ここでは、各企業の2024年3月期決算短信(PDF)を参照し、当社独自にまとめた暫定ランキングを掲載しています。なお、一部企業は「医療機器事業」「ヘルスケア事業」の売上を用い、それ以外は会社全体の売上を採用しています。比較の際は注記をご確認ください。
| 順位 | 企業名 | 売上高(億円) | 対象期 | 前年対比 | 参照 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 富士フイルムホールディングス | 9,751 | 2024年3月期 | 増加 | 富士フイルムHD 決算短信 |
| 2位 | オリンパス | 9,239 | 2024年3月期 | 増加 | オリンパス 決算短信 |
| 3位 | テルモ | 9,218 | 2024年3月期 | 増加 | テルモ 決算短信 |
| 4位 | HOYA | 7,626 | 2024年3月期 | 増加 | HOYA 決算短信 |
| 5位 | ニプロ | 5,867 | 2024年3月期 | 増加 | ニプロ 決算短信 |
| 6位 | シスメックス | 4,615 | 2024年3月期 | 増加 | シスメックス 決算短信 |
| 7位 | 日本光電工業 | 2,219 | 2024年3月期 | 増加 | 日本光電工業 決算短信 |
| 8位 | オムロン | 1,497 | 2024年3月期 | 増加 | オムロン 決算短信 |
| 9位 | コニカミノルタ | 1,389 | 2024年3月期 | 増加 | コニカミノルタ 決算短信 |
| 10位 | フクダ電子 | 1,403 | 2024年3月期 | 増加 | フクダ電子 決算短信 |
※会社全体ではなく、医療機器部門の売上高を記載しています。富士フイルムHDヘルスケア事業、オリンパスは内視鏡事業と治療機器事業、オムロンはヘルスケアビジネス事業、コニカミノルタはヘルスケア事業の売上高です。
国内の医療機器メーカーの売上高ランキング・上位10社の特徴
国内の医療機器メーカーの売上高ランキング・上位10社は、いずれも転職先として人気の企業です。それぞれの企業について解説します。
富士フイルムホールディングスは、1934年に写真フィルム製造の国産化を目的に設立されました。写真フィルム技術を基盤として発展してきた同社は、2000年代以降、フィルム需要の減少を見越していち早く事業転換を図り、現在ではヘルスケア事業が成長の柱のひとつとなっています。
医療機器領域では、X線画像診断システム、マンモグラフィ、超音波診断装置、内視鏡機器などの画像診断分野に強みがあります。特に高精細画像処理やITとの連携技術は、フィルム事業で培った画像処理ノウハウを応用したものであり、世界的にも高い評価を得ています。
また、医療ITソリューション、体外診断薬、再生医療や細胞培養技術などのライフサイエンス分野へも積極的に進出しています。加えて、バイオ医薬品の製造受託(CDMO)にも注力しており、製薬業界を支える存在としての地位も確立しつつあります。
今後は、AIを活用した診断支援や、デジタルヘルス領域でのソリューション展開をさらに強化する方針を示しており、画像診断の高度化とともに再生医療やバイオ分野での成長も期待されています。転職希望者にとっては、研究開発職から営業・マーケティング、さらにはグローバル事業まで幅広いフィールドが用意されており、キャリアの可能性が大きく広がる企業といえるでしょう。
オリンパスは1919年に顕微鏡メーカーとして創業し、その後カメラ事業などでも知られるようになりましたが、現在は医療機器メーカーとして世界を代表する存在です。特に1950年に開発された世界初の実用的な胃カメラをきっかけに、消化器内視鏡分野で世界トップシェアを獲得しました。
現在では、消化器内視鏡の世界シェアは約70%を誇り、胃や大腸など消化器領域の検査・治療に欠かせない機器を提供しています。さらに泌尿器科や呼吸器科など多領域に展開し、がんをはじめとするさまざまな疾患の早期発見と低侵襲治療を支える存在となっています。
主力事業は「内視鏡事業」と「治療機器事業」の2本柱であり、診断から治療までをカバーするトータルソリューションを展開している点が特徴です。また、グローバル売上比率が8割以上と海外依存度が高く、特に北米や欧州市場での存在感が際立っています。
将来性としては、AIを活用した画像診断支援やロボティクスによる低侵襲治療の高度化が進められており、今後も消化器内視鏡を中心に幅広い領域で成長が期待されます。世界的な消化器がん患者数の増加も背景に、医療現場におけるニーズはますます拡大していくでしょう。
転職希望者にとっては、世界的に通用する技術を持つ企業であることから、グローバルでのキャリアを志向する方や専門領域での知識を活かしたい方に適した環境といえます。
テルモは1921年、体温計の国産化を目指して北里柴三郎博士らの発起により創業された医療機器メーカーです。以来100年以上にわたり、「医療を通じて社会に貢献する」という理念のもと、幅広い医療機器を開発・提供してきました
。
現在の事業体制は「心臓血管カンパニー」「ホスピタルカンパニー」「血液・細胞テクノロジーカンパニー」の3分野に分かれています。なかでも心臓血管領域は売上の半分以上を占め、カテーテルやステントといった低侵襲治療機器を中心に、世界市場で高いシェアを確立しています。こうしたデバイスは心疾患治療における入院期間の短縮や患者負担の軽減に寄与し、世界的に需要が拡大しています。
また、輸液ポンプやシリンジなどの病院向け機器、透析関連製品、血液バッグや細胞処理装置といった病院・検査領域でも存在感を発揮しています。医療現場をトータルで支える製品群を有する点がテルモの強みです。
将来に向けては、糖尿病管理や細胞治療など成長分野に注力しており、アジア・欧州・北米を中心にグローバル展開を加速させています。研究開発投資も積極的で、デジタル技術やAIを取り入れた新製品開発を進めている点も注目すべきポイントです。
転職希望者にとっては、国内にとどまらず世界中で製品が活用されていることから、グローバル志向のキャリア形成や先端医療に関わる機会が豊富にある企業といえるでしょう。
HOYAは1941年に光学ガラスメーカーとして創業し、その後メガネレンズやコンタクトレンズで世界的に知られる企業へと成長しました。光学技術を活かし、現在ではライフケア事業を軸に医療機器分野でも大きな存在感を示しています。
医療分野での主力は、眼科用医療機器とレンズ製品です。特に白内障手術で使用される眼内レンズは世界的に高いシェアを誇り、加齢に伴う白内障患者の増加を背景に需要が拡大しています。また、医療用内視鏡も手がけており、耳鼻咽喉科や消化器科など幅広い診療領域で活用されています。
さらに、コンタクトレンズブランド「アイシティ」を通じた小売事業も展開しており、一般消費者向けから医療機関向けまで幅広い顧客基盤を持つ点も特徴です。
海外展開にも積極的で、現在は売上の7割以上を海外市場が占めています。グローバルな販売網を背景に、今後も高齢化社会の進行と眼科治療需要の増加により、さらなる成長が見込まれます。
今後は、AI技術を活用した眼科診断支援システムや、より低侵襲で患者負担を軽減する手術用機器の開発など、技術革新にも注力しています。
転職希望者にとっては、眼科領域を中心とした専門性の高い医療分野で経験を積めると同時に、グローバル市場でのキャリア形成も期待できる企業といえるでしょう。
ニプロは1947年に創業し、もともとは電球の再生事業からスタートしました。その後、医療用ガラス製品の製造に進出し、アンプルやバイアル瓶などを手掛けることで医療分野に参入しました。現在では医療機器事業・医薬事業・ファーマパッケージング事業・再生医療事業の4分野を展開する総合医療企業です。
医療機器領域では特に人工腎臓(ダイアライザー)で世界的に高いシェアを持ち、透析装置や透析用回路、透析用薬剤までを一貫して提供できる点が大きな強みです。国内では人工透析関連製品でトップシェアを誇り、海外でも存在感を発揮しています。また、注射針・輸液セットなどのディスポーザブル医療機器も幅広く展開し、医療現場を支える基盤を築いています。
さらに医薬品の開発・製造も行っており、医療機器と医薬品を組み合わせたトータルソリューションを提供できる点が他社にはない特徴です。近年では再生医療や細胞治療といった次世代医療分野にも注力しており、研究開発投資を積極的に行っています。
将来に向けては、グローバル市場での透析需要の拡大を背景に、海外生産拠点の強化や新興国市場への展開を加速させています。加えて、少子高齢化や生活習慣病の増加に伴う慢性腎臓病患者の増加により、人工腎臓を中心とした事業は今後も成長が期待されます。
転職希望者にとっては、臨床現場に密着した製品開発に携わるチャンスがあると同時に、海外拠点でのキャリアや最先端医療分野での活躍機会も広がっている企業です。
シスメックスは1968年に創業した医療機器メーカーで、血液や尿などの検体検査機器を専門に開発・製造してきました。臨床検査分野に特化した技術力を強みに、現在では血球計数・血液凝固・尿検査などの領域で世界トップクラスのシェアを誇ります。
特に血球計数検査では世界シェア1位を獲得しており、血液疾患や感染症などの診断に欠かせない検査機器を提供しています。また、がんの遺伝子検査や免疫検査といった先端領域にも進出しており、臨床現場の多様なニーズに対応しています。
グローバル展開にも積極的で、現在は190カ国以上で事業を展開。海外売上比率は80%を超えており、世界的に存在感のある企業です。特に新興国市場における医療需要の増加を背景に、さらなる成長が期待されています。
近年はデジタル技術やAIを活用した検査効率化に注力しており、ラボオートメーション(検査工程の自動化)やデータ解析ソリューションの提供を進めています。これにより医療従事者の負担軽減や診断精度の向上を支えているのが特徴です。
将来に向けては、個別化医療(プレシジョンメディシン)の進展に合わせて、遺伝子・分子レベルでの検査技術強化を進めており、がんや希少疾患の診断分野でも重要な役割を果たしていくと見込まれます。
転職希望者にとっては、専門性を活かした研究開発や国際的なキャリアを築ける環境が整っており、グローバルに活躍したい人材に適した企業といえるでしょう。
日本光電工業は1951年に設立され、「エレクトロニクスで病魔に挑戦する」という理念のもと、医用電子機器の開発を進めてきた国内有力メーカーです。創業当初から脳波計や心電計など生体情報を計測・監視する機器を手掛け、現在も同分野で強い競争力を誇ります。
特に脳波計では国内シェア約90%と圧倒的な地位を築いており、世界的にも代表的なメーカーとして認知されています。また、心電計や生体情報モニタも高い評価を受けており、手術室や集中治療室をはじめ幅広い医療現場で活用されています。さらに、日本国内で唯一AED(自動体外式除細動器)を製造している企業でもあり、救急医療分野における存在感も大きいのが特徴です。
近年では在宅医療や遠隔モニタリングにも注力しており、患者の生活環境に合わせた医療機器の開発を進めています。クラウドを利用したデータ連携や遠隔診療の仕組みづくりにも積極的で、医療のデジタル化を支える役割を担っています。
また、海外展開にも力を入れており、現在は120カ国以上で製品を展開。特にアジア・欧州・北米市場での販売を強化しており、グローバルメーカーとしてのプレゼンスを高めています。
今後は、高齢化社会の進行や生活習慣病患者の増加を背景に、生体情報モニタリングの需要が一層拡大することが見込まれます。研究開発投資や海外での事業拡大も続けられており、持続的な成長が期待できる企業といえるでしょう。
転職希望者にとっては、医用電子機器分野のスペシャリストとしての経験を積みながら、新しい医療の在り方を創造できるチャンスがある企業です。
オムロンは1933年に創業した企業で、もともとは自動制御機器や社会システムの開発で知られてきました。鉄道の自動改札機や工場の制御システムなどを手掛ける一方で、ヘルスケアビジネスも長年の柱のひとつです。
家庭用医療機器では特に血圧計で世界トップシェアを誇り、世界130以上の国と地域で販売されています。体温計やネブライザ(吸入器)などの一般家庭向け製品も広く普及しており、「家庭の健康管理機器といえばオムロン」というブランドイメージを確立しています。
近年では、心疾患や脳血管疾患の発症ゼロを目指す「Going for ZERO」プロジェクトを推進。ウェアラブル血圧計や遠隔医療サービスと連携したデータ活用に取り組み、予防医療やデジタルヘルス分野で存在感を高めています。
また、AIやIoTを活用した次世代ヘルスケア機器の開発にも力を入れており、医療機関だけでなく家庭や地域での健康管理を支えるソリューションを展開しています。今後は高齢化や生活習慣病の増加により、在宅医療の需要が拡大すると見込まれており、オムロンの役割はさらに大きくなるでしょう。
転職希望者にとっては、グローバル市場で圧倒的なシェアを持つ製品に携われると同時に、デジタルヘルスや予防医療といった成長分野に関わるチャンスが多い企業です。家庭向け製品開発から国際事業まで、幅広いキャリアの可能性が広がっています。
コニカミノルタは1873年に創業し、写真フィルムやカメラで名を馳せた企業です。1933年には国産初のX線フィルムを開発するなど、早くから医療分野にも進出してきました。現在はヘルスケア事業を柱のひとつとしており、画像診断機器や医療ITソリューションを中心に展開しています。
主力製品はX線撮影システムや超音波診断装置などで、長年培った光学技術と画像処理技術を活かした高精度な診断機器を提供しています。また、医療ICTプラットフォーム「infomity(インフォミティ)」を通じてクラウドサービスを提供し、病院やクリニックのDX化を支援している点も特徴です。
グローバル展開にも積極的で、米国・欧州・アジアを中心に150以上の国や地域で事業を展開しています。世界的な医療デジタル化の流れを背景に、医療機関の効率化や在宅医療支援といった分野での需要も高まりつつあります。
将来的には、AIを活用した画像解析や遠隔診断システムなどを強化することで、診断の質を高めると同時に医療従事者の負担軽減に寄与することが期待されます。
転職希望者にとっては、画像診断や医療DXといった成長領域に携われるチャンスが多く、医療とITの両面からキャリアを築きたい人に適した環境といえるでしょう。
フクダ電子は1939年に創業し、国産初の心電計を開発したことで知られる医療機器メーカーです。以来80年以上にわたり、循環器系を中心とした生体情報モニタリング機器の分野で存在感を発揮してきました。
主力製品は心電計で、国内市場で高いシェアを誇ります。また、AED(自動体外式除細動器)、在宅酸素療法機器、睡眠時無呼吸症候群の治療機器など、院内から在宅まで幅広い領域をカバーしています。特に在宅医療の分野では、予防からリハビリまで一貫したサポート体制を提供している点が特徴です。
同社の強みは、全国200か所以上に展開するダイレクトサービス網にあります。営業からメンテナンスまでを直接行うことで、医療現場のニーズに即応できる体制を整えており、医師や医療機関から高い信頼を得ています。
さらに、クラウドを活用したICTソリューションの導入にも積極的で、在宅医療機器とデータ管理を連携させることで、患者や医療従事者の利便性を高めています。
今後は高齢化の進展に伴い、循環器疾患や慢性疾患の患者が増えることから、フクダ電子の持つ心電計や在宅医療機器のニーズは一層高まると見込まれます。
転職希望者にとっては、地域密着型の医療サポートに携われると同時に、在宅医療や予防医療といった成長領域に関われるチャンスが多い企業です。
(1)富士フイルムホールディングス
富士フイルムホールディングスは、1934年に写真フィルム製造の国産化を目的に設立されました。写真フィルム技術を基盤として発展してきた同社は、2000年代以降、フィルム需要の減少を見越していち早く事業転換を図り、現在ではヘルスケア事業が成長の柱のひとつとなっています。
医療機器領域では、X線画像診断システム、マンモグラフィ、超音波診断装置、内視鏡機器などの画像診断分野に強みがあります。特に高精細画像処理やITとの連携技術は、フィルム事業で培った画像処理ノウハウを応用したものであり、世界的にも高い評価を得ています。
また、医療ITソリューション、体外診断薬、再生医療や細胞培養技術などのライフサイエンス分野へも積極的に進出しています。加えて、バイオ医薬品の製造受託(CDMO)にも注力しており、製薬業界を支える存在としての地位も確立しつつあります。
今後は、AIを活用した診断支援や、デジタルヘルス領域でのソリューション展開をさらに強化する方針を示しており、画像診断の高度化とともに再生医療やバイオ分野での成長も期待されています。転職希望者にとっては、研究開発職から営業・マーケティング、さらにはグローバル事業まで幅広いフィールドが用意されており、キャリアの可能性が大きく広がる企業といえるでしょう。
(2)オリンパス
オリンパスは1919年に顕微鏡メーカーとして創業し、その後カメラ事業などでも知られるようになりましたが、現在は医療機器メーカーとして世界を代表する存在です。特に1950年に開発された世界初の実用的な胃カメラをきっかけに、消化器内視鏡分野で世界トップシェアを獲得しました。
現在では、消化器内視鏡の世界シェアは約70%を誇り、胃や大腸など消化器領域の検査・治療に欠かせない機器を提供しています。さらに泌尿器科や呼吸器科など多領域に展開し、がんをはじめとするさまざまな疾患の早期発見と低侵襲治療を支える存在となっています。
主力事業は「内視鏡事業」と「治療機器事業」の2本柱であり、診断から治療までをカバーするトータルソリューションを展開している点が特徴です。また、グローバル売上比率が8割以上と海外依存度が高く、特に北米や欧州市場での存在感が際立っています。
将来性としては、AIを活用した画像診断支援やロボティクスによる低侵襲治療の高度化が進められており、今後も消化器内視鏡を中心に幅広い領域で成長が期待されます。世界的な消化器がん患者数の増加も背景に、医療現場におけるニーズはますます拡大していくでしょう。
転職希望者にとっては、世界的に通用する技術を持つ企業であることから、グローバルでのキャリアを志向する方や専門領域での知識を活かしたい方に適した環境といえます。
(3)テルモ
テルモは1921年、体温計の国産化を目指して北里柴三郎博士らの発起により創業された医療機器メーカーです。以来100年以上にわたり、「医療を通じて社会に貢献する」という理念のもと、幅広い医療機器を開発・提供してきました
。
現在の事業体制は「心臓血管カンパニー」「ホスピタルカンパニー」「血液・細胞テクノロジーカンパニー」の3分野に分かれています。なかでも心臓血管領域は売上の半分以上を占め、カテーテルやステントといった低侵襲治療機器を中心に、世界市場で高いシェアを確立しています。こうしたデバイスは心疾患治療における入院期間の短縮や患者負担の軽減に寄与し、世界的に需要が拡大しています。
また、輸液ポンプやシリンジなどの病院向け機器、透析関連製品、血液バッグや細胞処理装置といった病院・検査領域でも存在感を発揮しています。医療現場をトータルで支える製品群を有する点がテルモの強みです。
将来に向けては、糖尿病管理や細胞治療など成長分野に注力しており、アジア・欧州・北米を中心にグローバル展開を加速させています。研究開発投資も積極的で、デジタル技術やAIを取り入れた新製品開発を進めている点も注目すべきポイントです。
転職希望者にとっては、国内にとどまらず世界中で製品が活用されていることから、グローバル志向のキャリア形成や先端医療に関わる機会が豊富にある企業といえるでしょう。
(4)HOYA
HOYAは1941年に光学ガラスメーカーとして創業し、その後メガネレンズやコンタクトレンズで世界的に知られる企業へと成長しました。光学技術を活かし、現在ではライフケア事業を軸に医療機器分野でも大きな存在感を示しています。
医療分野での主力は、眼科用医療機器とレンズ製品です。特に白内障手術で使用される眼内レンズは世界的に高いシェアを誇り、加齢に伴う白内障患者の増加を背景に需要が拡大しています。また、医療用内視鏡も手がけており、耳鼻咽喉科や消化器科など幅広い診療領域で活用されています。
さらに、コンタクトレンズブランド「アイシティ」を通じた小売事業も展開しており、一般消費者向けから医療機関向けまで幅広い顧客基盤を持つ点も特徴です。
海外展開にも積極的で、現在は売上の7割以上を海外市場が占めています。グローバルな販売網を背景に、今後も高齢化社会の進行と眼科治療需要の増加により、さらなる成長が見込まれます。
今後は、AI技術を活用した眼科診断支援システムや、より低侵襲で患者負担を軽減する手術用機器の開発など、技術革新にも注力しています。
転職希望者にとっては、眼科領域を中心とした専門性の高い医療分野で経験を積めると同時に、グローバル市場でのキャリア形成も期待できる企業といえるでしょう。
(5)ニプロ
ニプロは1947年に創業し、もともとは電球の再生事業からスタートしました。その後、医療用ガラス製品の製造に進出し、アンプルやバイアル瓶などを手掛けることで医療分野に参入しました。現在では医療機器事業・医薬事業・ファーマパッケージング事業・再生医療事業の4分野を展開する総合医療企業です。
医療機器領域では特に人工腎臓(ダイアライザー)で世界的に高いシェアを持ち、透析装置や透析用回路、透析用薬剤までを一貫して提供できる点が大きな強みです。国内では人工透析関連製品でトップシェアを誇り、海外でも存在感を発揮しています。また、注射針・輸液セットなどのディスポーザブル医療機器も幅広く展開し、医療現場を支える基盤を築いています。
さらに医薬品の開発・製造も行っており、医療機器と医薬品を組み合わせたトータルソリューションを提供できる点が他社にはない特徴です。近年では再生医療や細胞治療といった次世代医療分野にも注力しており、研究開発投資を積極的に行っています。
将来に向けては、グローバル市場での透析需要の拡大を背景に、海外生産拠点の強化や新興国市場への展開を加速させています。加えて、少子高齢化や生活習慣病の増加に伴う慢性腎臓病患者の増加により、人工腎臓を中心とした事業は今後も成長が期待されます。
転職希望者にとっては、臨床現場に密着した製品開発に携わるチャンスがあると同時に、海外拠点でのキャリアや最先端医療分野での活躍機会も広がっている企業です。
(6)シスメックス
シスメックスは1968年に創業した医療機器メーカーで、血液や尿などの検体検査機器を専門に開発・製造してきました。臨床検査分野に特化した技術力を強みに、現在では血球計数・血液凝固・尿検査などの領域で世界トップクラスのシェアを誇ります。
特に血球計数検査では世界シェア1位を獲得しており、血液疾患や感染症などの診断に欠かせない検査機器を提供しています。また、がんの遺伝子検査や免疫検査といった先端領域にも進出しており、臨床現場の多様なニーズに対応しています。
グローバル展開にも積極的で、現在は190カ国以上で事業を展開。海外売上比率は80%を超えており、世界的に存在感のある企業です。特に新興国市場における医療需要の増加を背景に、さらなる成長が期待されています。
近年はデジタル技術やAIを活用した検査効率化に注力しており、ラボオートメーション(検査工程の自動化)やデータ解析ソリューションの提供を進めています。これにより医療従事者の負担軽減や診断精度の向上を支えているのが特徴です。
将来に向けては、個別化医療(プレシジョンメディシン)の進展に合わせて、遺伝子・分子レベルでの検査技術強化を進めており、がんや希少疾患の診断分野でも重要な役割を果たしていくと見込まれます。
転職希望者にとっては、専門性を活かした研究開発や国際的なキャリアを築ける環境が整っており、グローバルに活躍したい人材に適した企業といえるでしょう。
(7) 日本光電工業
日本光電工業は1951年に設立され、「エレクトロニクスで病魔に挑戦する」という理念のもと、医用電子機器の開発を進めてきた国内有力メーカーです。創業当初から脳波計や心電計など生体情報を計測・監視する機器を手掛け、現在も同分野で強い競争力を誇ります。
特に脳波計では国内シェア約90%と圧倒的な地位を築いており、世界的にも代表的なメーカーとして認知されています。また、心電計や生体情報モニタも高い評価を受けており、手術室や集中治療室をはじめ幅広い医療現場で活用されています。さらに、日本国内で唯一AED(自動体外式除細動器)を製造している企業でもあり、救急医療分野における存在感も大きいのが特徴です。
近年では在宅医療や遠隔モニタリングにも注力しており、患者の生活環境に合わせた医療機器の開発を進めています。クラウドを利用したデータ連携や遠隔診療の仕組みづくりにも積極的で、医療のデジタル化を支える役割を担っています。
また、海外展開にも力を入れており、現在は120カ国以上で製品を展開。特にアジア・欧州・北米市場での販売を強化しており、グローバルメーカーとしてのプレゼンスを高めています。
今後は、高齢化社会の進行や生活習慣病患者の増加を背景に、生体情報モニタリングの需要が一層拡大することが見込まれます。研究開発投資や海外での事業拡大も続けられており、持続的な成長が期待できる企業といえるでしょう。
転職希望者にとっては、医用電子機器分野のスペシャリストとしての経験を積みながら、新しい医療の在り方を創造できるチャンスがある企業です。
(8)オムロン
オムロンは1933年に創業した企業で、もともとは自動制御機器や社会システムの開発で知られてきました。鉄道の自動改札機や工場の制御システムなどを手掛ける一方で、ヘルスケアビジネスも長年の柱のひとつです。
家庭用医療機器では特に血圧計で世界トップシェアを誇り、世界130以上の国と地域で販売されています。体温計やネブライザ(吸入器)などの一般家庭向け製品も広く普及しており、「家庭の健康管理機器といえばオムロン」というブランドイメージを確立しています。
近年では、心疾患や脳血管疾患の発症ゼロを目指す「Going for ZERO」プロジェクトを推進。ウェアラブル血圧計や遠隔医療サービスと連携したデータ活用に取り組み、予防医療やデジタルヘルス分野で存在感を高めています。
また、AIやIoTを活用した次世代ヘルスケア機器の開発にも力を入れており、医療機関だけでなく家庭や地域での健康管理を支えるソリューションを展開しています。今後は高齢化や生活習慣病の増加により、在宅医療の需要が拡大すると見込まれており、オムロンの役割はさらに大きくなるでしょう。
転職希望者にとっては、グローバル市場で圧倒的なシェアを持つ製品に携われると同時に、デジタルヘルスや予防医療といった成長分野に関わるチャンスが多い企業です。家庭向け製品開発から国際事業まで、幅広いキャリアの可能性が広がっています。
(9) コニカミノルタ
コニカミノルタは1873年に創業し、写真フィルムやカメラで名を馳せた企業です。1933年には国産初のX線フィルムを開発するなど、早くから医療分野にも進出してきました。現在はヘルスケア事業を柱のひとつとしており、画像診断機器や医療ITソリューションを中心に展開しています。
主力製品はX線撮影システムや超音波診断装置などで、長年培った光学技術と画像処理技術を活かした高精度な診断機器を提供しています。また、医療ICTプラットフォーム「infomity(インフォミティ)」を通じてクラウドサービスを提供し、病院やクリニックのDX化を支援している点も特徴です。
グローバル展開にも積極的で、米国・欧州・アジアを中心に150以上の国や地域で事業を展開しています。世界的な医療デジタル化の流れを背景に、医療機関の効率化や在宅医療支援といった分野での需要も高まりつつあります。
将来的には、AIを活用した画像解析や遠隔診断システムなどを強化することで、診断の質を高めると同時に医療従事者の負担軽減に寄与することが期待されます。
転職希望者にとっては、画像診断や医療DXといった成長領域に携われるチャンスが多く、医療とITの両面からキャリアを築きたい人に適した環境といえるでしょう。
(10) フクダ電子
フクダ電子は1939年に創業し、国産初の心電計を開発したことで知られる医療機器メーカーです。以来80年以上にわたり、循環器系を中心とした生体情報モニタリング機器の分野で存在感を発揮してきました。
主力製品は心電計で、国内市場で高いシェアを誇ります。また、AED(自動体外式除細動器)、在宅酸素療法機器、睡眠時無呼吸症候群の治療機器など、院内から在宅まで幅広い領域をカバーしています。特に在宅医療の分野では、予防からリハビリまで一貫したサポート体制を提供している点が特徴です。
同社の強みは、全国200か所以上に展開するダイレクトサービス網にあります。営業からメンテナンスまでを直接行うことで、医療現場のニーズに即応できる体制を整えており、医師や医療機関から高い信頼を得ています。
さらに、クラウドを活用したICTソリューションの導入にも積極的で、在宅医療機器とデータ管理を連携させることで、患者や医療従事者の利便性を高めています。
今後は高齢化の進展に伴い、循環器疾患や慢性疾患の患者が増えることから、フクダ電子の持つ心電計や在宅医療機器のニーズは一層高まると見込まれます。
転職希望者にとっては、地域密着型の医療サポートに携われると同時に、在宅医療や予防医療といった成長領域に関われるチャンスが多い企業です。
医療機器メーカー上位10社の平均年収を解説
医療機器メーカーで働くうえで、売上規模だけでなく平均年収も気になるポイントのひとつです。大手メーカーは経営基盤が安定しており、給与水準も高い傾向にあります。特にランキング上位の企業はグローバル展開や先端技術開発を積極的に行っているため、人材への待遇も厚くなっています。
最新の公開情報や求人データによると、医療機器メーカー上位10社の平均年収は以下のようになっています。
参照:業界動向サーチ|医療機器メーカー 年収データ
大手求人サイトの統計では、医療機器メーカー全体の平均年収は約562万円とされています(doda 業種別平均年収ランキング)。そのため、ランキング上位10社はいずれも業界平均を大きく上回る水準にあり、高待遇が期待できる環境といえるでしょう。
最新の公開情報や求人データによると、医療機器メーカー上位10社の平均年収は以下のようになっています。
| 売上順位 | 企業名 | 平均年収(万円) |
|---|---|---|
| 1位 | 富士フイルムホールディングス | 1,032 |
| 2位 | オリンパス | 965 |
| 3位 | テルモ | 765 |
| 4位 | HOYA | 741 |
| 5位 | ニプロ | 573 |
| 6位 | シスメックス | 843 |
| 7位 | 日本光電工業 | 899 |
| 8位 | オムロン | 898 |
| 9位 | コニカミノルタ | 744 |
| 10位 | フクダ電子 | 847 |
参照:業界動向サーチ|医療機器メーカー 年収データ
大手求人サイトの統計では、医療機器メーカー全体の平均年収は約562万円とされています(doda 業種別平均年収ランキング)。そのため、ランキング上位10社はいずれも業界平均を大きく上回る水準にあり、高待遇が期待できる環境といえるでしょう。
日本の医療機器業界の最先端!注目のベンチャー企業6選
医療機器業界は大手メーカーが牽引していますが、近年はベンチャー企業の存在感も高まっています。特にAIやロボティクス、センサー技術を駆使した新しい医療機器の開発に取り組む企業が増えており、世界から注目されています。
ここでは、大手にはない独自の強みを持つベンチャー企業を6社紹介します。
筑波大学発のベンチャーで、2004年に設立。「人・ロボット・情報」を融合させたサイバニクス技術を基盤としています。代表製品は装着型サイボーグHAL®で、利用者の神経信号を読み取り、リハビリや歩行支援を可能にする革新的デバイスです。脊髄損傷や脳卒中後リハビリで成果を上げており、今後は介護や作業支援分野への展開も期待されています。
2020年に順天堂大学発ベンチャーとして設立。スマートフォンやタブレットを活用したプログラム医療機器を開発しています。花粉症研究用アプリ「アレルサーチ」や、ドライアイ治療支援アプリ「ドライアイリズム」などを展開。今後はAIとデータ解析を組み合わせた新しい診断・治療支援サービスを目指しています。
2017年創業のスタートアップで、「内視鏡AIによるがんの見逃しゼロ」を掲げています。内視鏡画像をリアルタイムで解析する診断支援AIを開発し、医師の負担軽減と診断精度向上に貢献。すでに海外展開も視野に入れており、グローバルに拡大が期待される企業です。
2015年設立のベンチャーで、世界初の排尿予測ウェアラブルデバイス「DFree」を開発しました。超音波センサーを用いて膀胱の状態を計測し、排尿タイミングをスマホで通知する仕組みを実現。介護施設や病院で導入が進んでおり、高齢化社会における排泄ケアの新たな選択肢を提供しています。
筑波大学発のベンチャーで、嚥下障害の評価・支援デバイス「GOKURI」を開発。センサーで嚥下動作を検知し、誤嚥リスクの低減やリハビリ支援に活用されています。高齢化に伴い嚥下障害患者は増加しており、在宅医療や介護の現場でもニーズが拡大中です。
東京大学発のAIベンチャーで、医用画像解析を得意とします。提供する「EIRL(エイル)」シリーズは、脳MRIや胸部X線などを解析し、がんや脳疾患の早期発見をサポート。MRIやCTなど既存の医療機器と連携して利用できる点が特徴で、大手メーカーとの共同開発も進められています。
今回紹介した6社は、それぞれ独自の技術を武器に医療現場の課題解決に挑んでいます。
大手企業での安定キャリアだけでなく、こうしたベンチャーに飛び込み、新しい医療機器の開発を通じて社会課題の解決に挑む道も選択肢のひとつといえるでしょう。
ここでは、大手にはない独自の強みを持つベンチャー企業を6社紹介します。
(1)CYBERDYNE株式会社
筑波大学発のベンチャーで、2004年に設立。「人・ロボット・情報」を融合させたサイバニクス技術を基盤としています。代表製品は装着型サイボーグHAL®で、利用者の神経信号を読み取り、リハビリや歩行支援を可能にする革新的デバイスです。脊髄損傷や脳卒中後リハビリで成果を上げており、今後は介護や作業支援分野への展開も期待されています。
(2)InnoJin株式会社
2020年に順天堂大学発ベンチャーとして設立。スマートフォンやタブレットを活用したプログラム医療機器を開発しています。花粉症研究用アプリ「アレルサーチ」や、ドライアイ治療支援アプリ「ドライアイリズム」などを展開。今後はAIとデータ解析を組み合わせた新しい診断・治療支援サービスを目指しています。
(3)株式会社AIメディカルサービス
2017年創業のスタートアップで、「内視鏡AIによるがんの見逃しゼロ」を掲げています。内視鏡画像をリアルタイムで解析する診断支援AIを開発し、医師の負担軽減と診断精度向上に貢献。すでに海外展開も視野に入れており、グローバルに拡大が期待される企業です。
(4)トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社
2015年設立のベンチャーで、世界初の排尿予測ウェアラブルデバイス「DFree」を開発しました。超音波センサーを用いて膀胱の状態を計測し、排尿タイミングをスマホで通知する仕組みを実現。介護施設や病院で導入が進んでおり、高齢化社会における排泄ケアの新たな選択肢を提供しています。
(5)PLIMES株式会社
筑波大学発のベンチャーで、嚥下障害の評価・支援デバイス「GOKURI」を開発。センサーで嚥下動作を検知し、誤嚥リスクの低減やリハビリ支援に活用されています。高齢化に伴い嚥下障害患者は増加しており、在宅医療や介護の現場でもニーズが拡大中です。
(6)エルピクセル株式会社
東京大学発のAIベンチャーで、医用画像解析を得意とします。提供する「EIRL(エイル)」シリーズは、脳MRIや胸部X線などを解析し、がんや脳疾患の早期発見をサポート。MRIやCTなど既存の医療機器と連携して利用できる点が特徴で、大手メーカーとの共同開発も進められています。
今回紹介した6社は、それぞれ独自の技術を武器に医療現場の課題解決に挑んでいます。
- ●CYBERDYNEやPLIMESはロボティクス・リハビリ支援
- ●トリプル・ダブリュー・ジャパンは排泄ケア
- ●エルピクセルやAIメディカルサービスは診断支援AI+機器連携
- ●InnoJinはデジタル治療アプリ
大手企業での安定キャリアだけでなく、こうしたベンチャーに飛び込み、新しい医療機器の開発を通じて社会課題の解決に挑む道も選択肢のひとつといえるでしょう。
医療機器業界はこれからどうなる?注目すべきトピックスを紹介
医療機器業界は高齢化や医療需要の拡大を背景に、国内外で大きな成長が期待されています。一方で、医療費抑制や規制強化といった課題も存在します。
ここでは、今後特に注目すべき5つのトピックスを解説します。
KPMGインターナショナルが発表した「医療機器産業の展望 2030」によると、全世界の医療機器の売上は年間5%超成長を続けており、2030年には世界の医療機器の売上高が約8,000億円に達すると予想されています。
世界の医療費の約8割を先進国が占めています。先進国では今後ますます高齢化が進み、生活習慣病の患者が増加し、医療サービスを必要とする人が増えると考えられます。さらに、医師や看護師をはじめとする医療従事者の人手不足も深刻化しており、医療ニーズを支えるために効率化につながる医療機器の需要が高まると予想されます。
さらに、インドや中国、アジアなど、これまで医療機器があまり普及していなかった国や地域でも、今後需要が伸びると予想され、しばらくは拡大傾向が続くでしょう。
特にグローバル展開に力を入れている医療機器メーカーにとっては追い風です。
参照: KPMGインターナショナル|医療機器産業の展望 2030
渋谷データカウントによると、ヘルスケアAI市場は、2026年までに約445億ドルにまで成長すると予測されています。CTや内視鏡画像による診断にAIのディープラーニング技術を活用する製品の開発や人の心臓発作のリスクを予測できるデバイスなど、AIを活用した医療機器は急速に進歩しています。
AIを活用することで、業務効率や見落としをはじめとするヒューマンエラーの防止など、さまざまなメリットがあります。
将来性を重視して転職先を選ぶのであれば、AIを活用した医療機器に注力しているメーカーを選ぶのも方法のひとつです。
参照: SDKI(渋谷データカウント)
3Dプリンタは、患者一人ひとりに合わせたカスタム医療機器の製造に活用されており、人工関節やインプラント、手術シミュレーション用モデルなどが代表的な事例です。治療精度の向上や手術時間の短縮に貢献するほか、患者への負担軽減にもつながるため、個別化医療を支える重要な技術として注目されています。
渋谷データカウントの「頭蓋顎顔面デバイス市場レポート」によると、3Dプリンティング技術を用いたカスタムインプラントや手術補助具の需要は今後も拡大すると予測されています。特に顎顔面領域では、外傷や先天性疾患に対する再建手術で個別に最適化されたインプラントが求められており、3Dプリンタによる製造は患者ごとに異なる骨格や解剖学的特徴に対応できる点で大きな価値があります。
さらに、3Dプリンタの技術革新により生体適合性の高い新素材が登場しており、整形外科や歯科領域でも適用範囲が拡大。今後はより多様な診療科での導入が進むと見込まれます。
手術支援ロボットは、外科医の操作を高精度に再現し、患者への負担を軽減する低侵襲手術を可能にする革新的な機器です。代表的なものとしては、米インテュイティブサージカル社の「da Vinci(ダヴィンチ)」があり、世界中の外科分野で導入が進められています。
インテュイティブ社の発表によれば、2024年末時点で世界のda Vinciシステム設置台数は9,902台に達し、前年から大幅に増加しました(Intuitive Surgical公式リリース)。日本国内でも導入は急速に拡大しており、2023年には約570台超が稼働していると報告されています(Medie.jp)。これは2020年時点の「200台以上」と比べても大きな伸びであり、泌尿器科・消化器外科を中心に全国の主要病院へ普及が広がっています。
また、日本では2018年に腹腔鏡下前立腺全摘除術でロボット支援手術が保険適用されたことを契機に普及が加速しました。その後、対象術式は拡大しており、心臓外科や婦人科などでも利用が広がりつつあります。保険制度の整備は医療機関の導入を後押しし、患者にとっても選択肢の増加につながっています。
さらに、国内メーカーも独自の手術支援ロボット開発を進めており、川崎重工業やメディカロイド社の「hinotori™」がその代表例です。国産ロボットは価格面での優位性や、日本の医療現場に合わせた使いやすさが評価され、今後は「ダヴィンチ一強」から競争環境へと移行していく可能性があります。
将来的には、AIや画像認識技術との融合によって術中支援の精度がさらに向上し、より多くの診療科でロボット支援手術が標準的に行われるようになると見込まれます。
転職希望者にとっては、こうした市場拡大の流れの中で、臨床工学や工学系エンジニア、営業・マーケティングなど幅広い職種で新しいキャリアの可能性が開かれている分野です。
医療機器業界にとって、医療費削減や制度改革は避けて通れないテーマです。日本の医療費は年々増加しており、厚生労働省の「医療費の動向」によると、2022年度の国民医療費は約47兆円と過去最高を更新しました(厚生労働省 医療費の動向)。少子高齢化が進む中で、この傾向は今後も続くと見込まれ、国は医療費抑制策を一層強化しています。
医療機器メーカーにとって直接的な影響があるのは診療報酬改定や償還価格の引き下げです。特に心臓ステントや人工関節、血管カテーテルといった高額医療機器は保険収載の対象となりますが、価格が数年ごとに引き下げられるケースが多く、企業収益に直結します。例えば人工関節は、過去10年間で保険償還価格が数十%下がっており、メーカーはコスト削減や生産効率化を迫られています。
また、政府は「ジェネリック医療機器」の普及にも力を入れています。これは既存製品と同等の性能を持ちながら価格が安い製品を市場に投入する取り組みであり、競争激化を招いています。こうした環境下では、単純な価格競争に巻き込まれないために、メーカーは付加価値の高い製品や新技術の開発に注力せざるを得ません。
一方で、制度改革は新しいビジネスチャンスを生む側面もあります。政府は医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しており、電子カルテや遠隔診療システムの普及が加速しています。これにより、医療機器メーカーにとってはデータ連携機能を持つ機器や遠隔モニタリング対応製品の開発需要が高まっています。
さらに、地域包括ケアや在宅医療の拡充政策も追い風です。高齢者が増える中で、病院から在宅へ医療のシフトが進められており、ポータブル型診断機器や在宅向け治療機器の市場は拡大が見込まれます。
総じて、医療費抑制はメーカーにとって厳しい環境要因ですが、その一方で技術革新による差別化や在宅・デジタル分野での新市場開拓が求められている状況です。転職希望者にとっては、制度改革に柔軟に対応し、成長領域にシフトしている企業を選ぶことが、安定したキャリア形成につながるといえるでしょう。
ここでは、今後特に注目すべき5つのトピックスを解説します。
(1)2030年には世界の医療機器の売上高が約8,000億ドルに
KPMGインターナショナルが発表した「医療機器産業の展望 2030」によると、全世界の医療機器の売上は年間5%超成長を続けており、2030年には世界の医療機器の売上高が約8,000億円に達すると予想されています。
世界の医療費の約8割を先進国が占めています。先進国では今後ますます高齢化が進み、生活習慣病の患者が増加し、医療サービスを必要とする人が増えると考えられます。さらに、医師や看護師をはじめとする医療従事者の人手不足も深刻化しており、医療ニーズを支えるために効率化につながる医療機器の需要が高まると予想されます。
さらに、インドや中国、アジアなど、これまで医療機器があまり普及していなかった国や地域でも、今後需要が伸びると予想され、しばらくは拡大傾向が続くでしょう。
特にグローバル展開に力を入れている医療機器メーカーにとっては追い風です。
参照: KPMGインターナショナル|医療機器産業の展望 2030
(2)AIの活用が加速
渋谷データカウントによると、ヘルスケアAI市場は、2026年までに約445億ドルにまで成長すると予測されています。CTや内視鏡画像による診断にAIのディープラーニング技術を活用する製品の開発や人の心臓発作のリスクを予測できるデバイスなど、AIを活用した医療機器は急速に進歩しています。
AIを活用することで、業務効率や見落としをはじめとするヒューマンエラーの防止など、さまざまなメリットがあります。
将来性を重視して転職先を選ぶのであれば、AIを活用した医療機器に注力しているメーカーを選ぶのも方法のひとつです。
参照: SDKI(渋谷データカウント)
(3)3Dプリンタの活用拡大
3Dプリンタは、患者一人ひとりに合わせたカスタム医療機器の製造に活用されており、人工関節やインプラント、手術シミュレーション用モデルなどが代表的な事例です。治療精度の向上や手術時間の短縮に貢献するほか、患者への負担軽減にもつながるため、個別化医療を支える重要な技術として注目されています。
渋谷データカウントの「頭蓋顎顔面デバイス市場レポート」によると、3Dプリンティング技術を用いたカスタムインプラントや手術補助具の需要は今後も拡大すると予測されています。特に顎顔面領域では、外傷や先天性疾患に対する再建手術で個別に最適化されたインプラントが求められており、3Dプリンタによる製造は患者ごとに異なる骨格や解剖学的特徴に対応できる点で大きな価値があります。
さらに、3Dプリンタの技術革新により生体適合性の高い新素材が登場しており、整形外科や歯科領域でも適用範囲が拡大。今後はより多様な診療科での導入が進むと見込まれます。
(4)手術支援ロボットの普及
手術支援ロボットは、外科医の操作を高精度に再現し、患者への負担を軽減する低侵襲手術を可能にする革新的な機器です。代表的なものとしては、米インテュイティブサージカル社の「da Vinci(ダヴィンチ)」があり、世界中の外科分野で導入が進められています。
インテュイティブ社の発表によれば、2024年末時点で世界のda Vinciシステム設置台数は9,902台に達し、前年から大幅に増加しました(Intuitive Surgical公式リリース)。日本国内でも導入は急速に拡大しており、2023年には約570台超が稼働していると報告されています(Medie.jp)。これは2020年時点の「200台以上」と比べても大きな伸びであり、泌尿器科・消化器外科を中心に全国の主要病院へ普及が広がっています。
また、日本では2018年に腹腔鏡下前立腺全摘除術でロボット支援手術が保険適用されたことを契機に普及が加速しました。その後、対象術式は拡大しており、心臓外科や婦人科などでも利用が広がりつつあります。保険制度の整備は医療機関の導入を後押しし、患者にとっても選択肢の増加につながっています。
さらに、国内メーカーも独自の手術支援ロボット開発を進めており、川崎重工業やメディカロイド社の「hinotori™」がその代表例です。国産ロボットは価格面での優位性や、日本の医療現場に合わせた使いやすさが評価され、今後は「ダヴィンチ一強」から競争環境へと移行していく可能性があります。
将来的には、AIや画像認識技術との融合によって術中支援の精度がさらに向上し、より多くの診療科でロボット支援手術が標準的に行われるようになると見込まれます。
転職希望者にとっては、こうした市場拡大の流れの中で、臨床工学や工学系エンジニア、営業・マーケティングなど幅広い職種で新しいキャリアの可能性が開かれている分野です。
(5)医療費削減と制度改革の影響
医療機器業界にとって、医療費削減や制度改革は避けて通れないテーマです。日本の医療費は年々増加しており、厚生労働省の「医療費の動向」によると、2022年度の国民医療費は約47兆円と過去最高を更新しました(厚生労働省 医療費の動向)。少子高齢化が進む中で、この傾向は今後も続くと見込まれ、国は医療費抑制策を一層強化しています。
医療機器メーカーにとって直接的な影響があるのは診療報酬改定や償還価格の引き下げです。特に心臓ステントや人工関節、血管カテーテルといった高額医療機器は保険収載の対象となりますが、価格が数年ごとに引き下げられるケースが多く、企業収益に直結します。例えば人工関節は、過去10年間で保険償還価格が数十%下がっており、メーカーはコスト削減や生産効率化を迫られています。
また、政府は「ジェネリック医療機器」の普及にも力を入れています。これは既存製品と同等の性能を持ちながら価格が安い製品を市場に投入する取り組みであり、競争激化を招いています。こうした環境下では、単純な価格競争に巻き込まれないために、メーカーは付加価値の高い製品や新技術の開発に注力せざるを得ません。
一方で、制度改革は新しいビジネスチャンスを生む側面もあります。政府は医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しており、電子カルテや遠隔診療システムの普及が加速しています。これにより、医療機器メーカーにとってはデータ連携機能を持つ機器や遠隔モニタリング対応製品の開発需要が高まっています。
さらに、地域包括ケアや在宅医療の拡充政策も追い風です。高齢者が増える中で、病院から在宅へ医療のシフトが進められており、ポータブル型診断機器や在宅向け治療機器の市場は拡大が見込まれます。
総じて、医療費抑制はメーカーにとって厳しい環境要因ですが、その一方で技術革新による差別化や在宅・デジタル分野での新市場開拓が求められている状況です。転職希望者にとっては、制度改革に柔軟に対応し、成長領域にシフトしている企業を選ぶことが、安定したキャリア形成につながるといえるでしょう。
まとめ
本記事では、日本の医療機器メーカー市場の現状と将来性について、最新の売上高ランキングや各社の特徴、注目のベンチャー動向を解説しました。
まず、2024年3月期の決算データに基づき、富士フイルムホールディングス、オリンパス、テルモといった大手企業が国内トップの地位を維持していることを確認しました。それぞれの企業は歴史や強みが異なり、画像診断、内視鏡、心臓血管領域など、世界をリードする技術を持っています。平均年収に関しても業界平均を大きく上回っており、待遇面でも魅力のある環境が整っています。
次に、CYBERDYNEやAIメディカルサービス、トリプル・ダブリュー・ジャパンなど、革新的な技術で注目されるベンチャー企業を取り上げました。ロボティクスやAI、センサー技術など、新しい切り口から医療の未来を形作ろうとする挑戦は、大手にはない成長機会を提供しています。
また、業界動向としては、KPMGが発表した「医療機器産業の展望 2030」に示されるように世界市場の拡大が見込まれる一方で、AIや3Dプリンタ、手術支援ロボットといった技術革新が普及段階に入りつつあります。同時に、医療費削減や診療報酬改定といった制度面の影響も大きく、メーカーは研究開発や付加価値の高い製品開発を通じて競争力を維持する必要があります。
このように、日本の医療機器業界は「成長機会と課題が共存するフィールド」といえます。転職を検討している方にとっては、企業規模や売上ランキングだけでなく、自身のキャリアに合った領域や将来性のある分野を見極めることが重要です。
安定性を求めるなら大手メーカー、成長と挑戦を重視するならベンチャー企業といった形で、自分に合った選択肢を見つけましょう。医療機器業界は今後も拡大が予測される分野であり、スキルや経験を活かして活躍できるチャンスが数多く存在しています。
最後に、もし本記事を読んで「自分に合った医療機器メーカーでのキャリアを考えてみたい」と感じられた方は、医療転職.comにぜひご登録ください。専門コンサルタントが、あなたの希望に沿った最適なキャリア選択をサポートいたします。
まず、2024年3月期の決算データに基づき、富士フイルムホールディングス、オリンパス、テルモといった大手企業が国内トップの地位を維持していることを確認しました。それぞれの企業は歴史や強みが異なり、画像診断、内視鏡、心臓血管領域など、世界をリードする技術を持っています。平均年収に関しても業界平均を大きく上回っており、待遇面でも魅力のある環境が整っています。
次に、CYBERDYNEやAIメディカルサービス、トリプル・ダブリュー・ジャパンなど、革新的な技術で注目されるベンチャー企業を取り上げました。ロボティクスやAI、センサー技術など、新しい切り口から医療の未来を形作ろうとする挑戦は、大手にはない成長機会を提供しています。
また、業界動向としては、KPMGが発表した「医療機器産業の展望 2030」に示されるように世界市場の拡大が見込まれる一方で、AIや3Dプリンタ、手術支援ロボットといった技術革新が普及段階に入りつつあります。同時に、医療費削減や診療報酬改定といった制度面の影響も大きく、メーカーは研究開発や付加価値の高い製品開発を通じて競争力を維持する必要があります。
このように、日本の医療機器業界は「成長機会と課題が共存するフィールド」といえます。転職を検討している方にとっては、企業規模や売上ランキングだけでなく、自身のキャリアに合った領域や将来性のある分野を見極めることが重要です。
安定性を求めるなら大手メーカー、成長と挑戦を重視するならベンチャー企業といった形で、自分に合った選択肢を見つけましょう。医療機器業界は今後も拡大が予測される分野であり、スキルや経験を活かして活躍できるチャンスが数多く存在しています。
最後に、もし本記事を読んで「自分に合った医療機器メーカーでのキャリアを考えてみたい」と感じられた方は、医療転職.comにぜひご登録ください。専門コンサルタントが、あなたの希望に沿った最適なキャリア選択をサポートいたします。

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