臨床工学技士ってどんな職業?仕事内容を詳しく解説
2024/09/13
2025/11/11
医療機器の専門家である臨床工学技士は、ニーズが高まりつつある職業です。病院やクリニックなどの医療機関はもちろん、医療機器メーカー・研究施設・教育機関などで働く人も少なくありません。
この記事では、臨床工学技士を目指す方や転職を検討している現役の臨床工学技士に向け、仕事内容を詳しく解説します。
この記事では、臨床工学技士を目指す方や転職を検討している現役の臨床工学技士に向け、仕事内容を詳しく解説します。
臨床工学技士ってどんな仕事?臨床検査技師との違いは?
臨床工学技士は、医療現場に欠かせない医療系専門職です。主な役割と、混同されがちな臨床検査技師との違いについて解説します。
臨床工学技士は、医療知識と工学知識を兼ね備える医療機器のスペシャリストです。病院やクリニックなどの医療機関に勤務し、透析装置・人工呼吸器・人工心肺装置といった生命維持管理装置の操作、院内の医療機器の保守点検などに携わります。
臨床工学技士は、1987年に国家資格がつくられた比較的新しい仕事です。臨床工学技士になるには、高校卒業後に大学・短大・専門学校の臨床工学技士養成課程に進学し、国家資格試験に合格するルートが一般的です。
医療の進歩によって、医療機器も高度化・複雑化しています。医療機器の専門家である臨床工学技士の役割はますます重要になっており、チーム医療に欠かせない存在です。
臨床工学技士と臨床検査技師は、どちらも医療現場で活躍し、名前も似ているため、混同されやすい職業です。しかし、役割や業務内容は大きく異なります。
臨床工学技士が主に機器のスペシャリストであるのに対し、臨床検査技師は検査のスペシャリストです。
臨床検査技師の主な仕事内容は、診断・治療に必要なさまざまな検査を行い、その結果を医師に報告することです。主な検査には、血液検査をはじめとする検体検査・心電図検査やエコー検査といった生理機能検査があります。検査結果を通して医師の診断・治療に貢献する、医療現場で欠かせない職種です。
(1)臨床工学技士とは?
臨床工学技士は、医療知識と工学知識を兼ね備える医療機器のスペシャリストです。病院やクリニックなどの医療機関に勤務し、透析装置・人工呼吸器・人工心肺装置といった生命維持管理装置の操作、院内の医療機器の保守点検などに携わります。
臨床工学技士は、1987年に国家資格がつくられた比較的新しい仕事です。臨床工学技士になるには、高校卒業後に大学・短大・専門学校の臨床工学技士養成課程に進学し、国家資格試験に合格するルートが一般的です。
医療の進歩によって、医療機器も高度化・複雑化しています。医療機器の専門家である臨床工学技士の役割はますます重要になっており、チーム医療に欠かせない存在です。
(2)臨床工学技士と臨床検査技師の違いとは
臨床工学技士と臨床検査技師は、どちらも医療現場で活躍し、名前も似ているため、混同されやすい職業です。しかし、役割や業務内容は大きく異なります。
臨床工学技士が主に機器のスペシャリストであるのに対し、臨床検査技師は検査のスペシャリストです。
臨床検査技師の主な仕事内容は、診断・治療に必要なさまざまな検査を行い、その結果を医師に報告することです。主な検査には、血液検査をはじめとする検体検査・心電図検査やエコー検査といった生理機能検査があります。検査結果を通して医師の診断・治療に貢献する、医療現場で欠かせない職種です。
臨床工学技士の仕事内容って?医療機関での主な業務を紹介
医療機関での臨床工学技士の業務は、多岐にわたります。配属先によって担当業務は異なりますが、主な業務内容は下記の通りです。
人工心肺装置・人工呼吸器・血液浄化装置などの生命維持管理装置の操作を行います。
・人工心肺装置:心臓手術時に心臓と肺の機能を代わりに行います
・人工呼吸器:呼吸機能が低下した患者が酸素を取り込むのをサポートします
・血液浄化装置:腎臓機能が低下した患者の血液をきれいにする人工透析を行います
これらの生命維持管理装置は、患者の生命・健康に直結するため、高度な専門知識と技術が必要です。臨床工学技士は、モニターを監視しながら、医師や看護師と連携し、安全かつ適切に機器を操作します。
透析クリニックに勤務し、腎機能の障害を持つ患者への人工透析を専門に行う臨床工学技士も少なくありません。
医療機器の適切な管理は、患者の安全と医療の質に直結します。そのため、医療現場で使用する医療機器は、常に安全な状態でなければいけません。
定期点検によって機器の性能や安全性を確認し、必要に応じて調整や修理を行います。万が一トラブルが発生した場合には、機器の不具合や故障にスピーディーに対応します。
さらに、新しく導入された機器をスムーズに使用できるよう、設置やスタッフへの指導を行うのも重要な仕事です。
手術中は、人工心肺装置・生体情報モニター・麻酔器・内視鏡・顕微鏡・電気メスなど、さまざまな医療機器を使用します。
手術がスムーズに進行するよう、医療機器や一緒に使う材料などを適切に準備し、操作します。患者の生体情報を監視して異常があれば医師に報告するモニタリング業務も、手術室で働く臨床工学技士の重要な仕事です。
万が一、機器のトラブルや患者の急変が発生した場合は、医師や看護師と協力して対応します。
集中治療室(ICU)では、24時間体制で治療を実施しています。ICUの患者は、重症患者や脳や心臓の手術後の患者など、容態が安定しない人がほとんどです。
生命維持管理装置によるサポートが欠かせず、機器のトラブルは生命の危機に直結します。そのため、臨床工学技士が交替で24時間常駐し、機器の操作や保守点検を行います。
(1) 生命維持管理装置の操作
人工心肺装置・人工呼吸器・血液浄化装置などの生命維持管理装置の操作を行います。
・人工心肺装置:心臓手術時に心臓と肺の機能を代わりに行います
・人工呼吸器:呼吸機能が低下した患者が酸素を取り込むのをサポートします
・血液浄化装置:腎臓機能が低下した患者の血液をきれいにする人工透析を行います
これらの生命維持管理装置は、患者の生命・健康に直結するため、高度な専門知識と技術が必要です。臨床工学技士は、モニターを監視しながら、医師や看護師と連携し、安全かつ適切に機器を操作します。
透析クリニックに勤務し、腎機能の障害を持つ患者への人工透析を専門に行う臨床工学技士も少なくありません。
(2)医療機器の保守点検
医療機器の適切な管理は、患者の安全と医療の質に直結します。そのため、医療現場で使用する医療機器は、常に安全な状態でなければいけません。
定期点検によって機器の性能や安全性を確認し、必要に応じて調整や修理を行います。万が一トラブルが発生した場合には、機器の不具合や故障にスピーディーに対応します。
さらに、新しく導入された機器をスムーズに使用できるよう、設置やスタッフへの指導を行うのも重要な仕事です。
(3)手術室業務
手術中は、人工心肺装置・生体情報モニター・麻酔器・内視鏡・顕微鏡・電気メスなど、さまざまな医療機器を使用します。
手術がスムーズに進行するよう、医療機器や一緒に使う材料などを適切に準備し、操作します。患者の生体情報を監視して異常があれば医師に報告するモニタリング業務も、手術室で働く臨床工学技士の重要な仕事です。
万が一、機器のトラブルや患者の急変が発生した場合は、医師や看護師と協力して対応します。
(4)集中治療室業務
集中治療室(ICU)では、24時間体制で治療を実施しています。ICUの患者は、重症患者や脳や心臓の手術後の患者など、容態が安定しない人がほとんどです。
生命維持管理装置によるサポートが欠かせず、機器のトラブルは生命の危機に直結します。そのため、臨床工学技士が交替で24時間常駐し、機器の操作や保守点検を行います。
病院で働く臨床工学技士の1日の仕事の流れって?2パターン紹介
病院で働く臨床工学技士の1日の仕事の流れは、勤務先や担当業務によって異なります。ここでは、総合病院で複数の診療科を担当する臨床工学技士と人工透析室を担当する臨床工学技士の1日の流れを紹介します。
【8:30 朝礼・情報共有】
朝礼では、当直者から前日夜の出来事についての申し送りを受け、その日の業務内容を確認します。各診療科からの依頼状況や機器トラブルの有無など、重要な情報を共有します。
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【9:00 病棟巡回・情報収集】
各病棟を訪問し、病棟の師長から医療機器の使用状況や患者からの要望、トラブルの有無などを確認します。チーム医療の一員として、現場の声を丁寧に聞き取ります。
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【9:30 人工呼吸器の回路交換業務】
病棟を回りながら、人工呼吸器の回路交換作業を行います。感染予防の観点から定期的な交換が必要で、1日あたり8~9台を担当します。
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【10:30 心臓カテーテル業務】
手術室に移動し、心臓カテーテル検査・治療をサポートします。患者の搬送補助、医師の指示に従って必要な機器の準備・操作を担当します。緊急時の対応準備も欠かせません。
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【12:00 昼休憩】
交代で休憩を取りますが、複数診療科を担当するため、状況によっては休憩中でも対応が必要となることがあります。
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【13:00 ICU巡回・機器点検】
ICを中心に再び病棟巡回を行います。特にICUでは、人工呼吸器や生命維持装置の動作確認と患者さんの状態チェックを徹底して行います。必要な場合は医師と連携します。
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【14:30 医療機器メンテナンス】
医療機器を点検します。病棟から返却された人工呼吸器や輸血ポンプなどの清掃や簡易的な修理を行い、次の使用に備えて準備を整えます。
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【16:00 カンファレンス・報告会】
多職種が集まる会議に参加し、各病棟で発生した医療機器に関する問題点や改善策について話し合います。臨床工学技士の視点から安全対策を提案することも重要な役割です。
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【17:15 業務終了・引き継ぎ】
日勤の業務を終了します。夜勤がある日は、担当する医療機器の状況や注意点を記載した引き継ぎ報告書を作成します。
【7:00 出勤・業務開始】
透析液・透析装置・水処理システムといった透析に使用する機器などの準備をし、透析室全体の安全チェックを行います。
▼
【7:30 透析準備と朝のミーティング】
チーム全体で申し送り事項・当日のスケジュール・患者さんの状態変化などの情報を共有します。
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【9:00 午前の透析開始】
看護師と協力して患者への穿刺(針を刺すこと)を行い、透析装置の条件設定と操作をします。血圧や体重の測定も重要な役割です。
▼
【10:00 透析中のモニタリング】
透析中は定期的に装置の動作確認と患者のバイタルチェックを行います。患者さんとコミュニケーションを取り、不安や体調変化に気を配るのも重要な仕事です。
▼
【11:00 昼休憩】
交代で休憩を取りながらも、常に透析室内の安全監視体制を維持します。
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【12:00 午前中の透析終了と午後の透析の準備】
午前の透析の終了作業と患者情報の入力を行います。並行して午後の透析に向けた準備も進めるため、1日のうちで最も忙しい時間帯です。
▼
【14:30 午後の透析開始】
午後の透析を開始します。穿刺から装置設定、透析中のモニタリングまで、安全かつ正確に透析治療をします。
▼
【18:00 午後セッション終了と後片付け】
午後の透析が終了したら、患者情報を更新します。使用した機器の後片付けと消毒を徹底します。
▼
【19:00 業務終了・引継ぎ】
翌日の準備を整え、申し送り事項を記録して1日の業務を終了します。翌日の準備や透析装置の保守点検などは、遅番が担当します。
(1)複数診療科を担当する場合
【8:30 朝礼・情報共有】
朝礼では、当直者から前日夜の出来事についての申し送りを受け、その日の業務内容を確認します。各診療科からの依頼状況や機器トラブルの有無など、重要な情報を共有します。
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【9:00 病棟巡回・情報収集】
各病棟を訪問し、病棟の師長から医療機器の使用状況や患者からの要望、トラブルの有無などを確認します。チーム医療の一員として、現場の声を丁寧に聞き取ります。
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【9:30 人工呼吸器の回路交換業務】
病棟を回りながら、人工呼吸器の回路交換作業を行います。感染予防の観点から定期的な交換が必要で、1日あたり8~9台を担当します。
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【10:30 心臓カテーテル業務】
手術室に移動し、心臓カテーテル検査・治療をサポートします。患者の搬送補助、医師の指示に従って必要な機器の準備・操作を担当します。緊急時の対応準備も欠かせません。
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【12:00 昼休憩】
交代で休憩を取りますが、複数診療科を担当するため、状況によっては休憩中でも対応が必要となることがあります。
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【13:00 ICU巡回・機器点検】
ICを中心に再び病棟巡回を行います。特にICUでは、人工呼吸器や生命維持装置の動作確認と患者さんの状態チェックを徹底して行います。必要な場合は医師と連携します。
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【14:30 医療機器メンテナンス】
医療機器を点検します。病棟から返却された人工呼吸器や輸血ポンプなどの清掃や簡易的な修理を行い、次の使用に備えて準備を整えます。
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【16:00 カンファレンス・報告会】
多職種が集まる会議に参加し、各病棟で発生した医療機器に関する問題点や改善策について話し合います。臨床工学技士の視点から安全対策を提案することも重要な役割です。
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【17:15 業務終了・引き継ぎ】
日勤の業務を終了します。夜勤がある日は、担当する医療機器の状況や注意点を記載した引き継ぎ報告書を作成します。
(2)人工透析室を担当する場合
【7:00 出勤・業務開始】
透析液・透析装置・水処理システムといった透析に使用する機器などの準備をし、透析室全体の安全チェックを行います。
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【7:30 透析準備と朝のミーティング】
チーム全体で申し送り事項・当日のスケジュール・患者さんの状態変化などの情報を共有します。
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【9:00 午前の透析開始】
看護師と協力して患者への穿刺(針を刺すこと)を行い、透析装置の条件設定と操作をします。血圧や体重の測定も重要な役割です。
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【10:00 透析中のモニタリング】
透析中は定期的に装置の動作確認と患者のバイタルチェックを行います。患者さんとコミュニケーションを取り、不安や体調変化に気を配るのも重要な仕事です。
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【11:00 昼休憩】
交代で休憩を取りながらも、常に透析室内の安全監視体制を維持します。
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【12:00 午前中の透析終了と午後の透析の準備】
午前の透析の終了作業と患者情報の入力を行います。並行して午後の透析に向けた準備も進めるため、1日のうちで最も忙しい時間帯です。
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【14:30 午後の透析開始】
午後の透析を開始します。穿刺から装置設定、透析中のモニタリングまで、安全かつ正確に透析治療をします。
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【18:00 午後セッション終了と後片付け】
午後の透析が終了したら、患者情報を更新します。使用した機器の後片付けと消毒を徹底します。
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【19:00 業務終了・引継ぎ】
翌日の準備を整え、申し送り事項を記録して1日の業務を終了します。翌日の準備や透析装置の保守点検などは、遅番が担当します。
病院以外でも活躍!臨床工学技士の主な勤務先と仕事内容
公益社団法人 日本臨床工学技士会が発表した「2023年業務実態報告」によると、臨床工学技士の87.9%が病院またはクリニックで働いています。
しかし、臨床工学技士の専門性が活かせるのは医療機関だけではありません。他の勤務先と仕事内容を紹介します。
医療機器メーカーで働く臨床工学技士の主な職種は、アプリケーションスペシャリストです。アプリケーションスペシャリストとは、営業職と一緒に医療機関に赴き、医療従事者に対し医療機器のデモンストレーションや操作説明をすることで契約につなげる職種です。
臨床工学技士は医療機器や医療現場の仕事への理解が深いため、デモンストレーションや説明に説得力があり、ニーズが高い傾向にあります。
また、営業職や研究開発職として活躍するケースもあります。
医療機器メーカーで勤務する場合、医療機関で働くよりも年収が高い傾向にあります。特にアプリケーションスペシャリストや営業職については、成果報酬制を導入している会社が多く、実力次第で大幅な年収アップも可能です。
また、年間休日数も多く、基本的に夜勤やオンコールがないため、ワークライフバランスがとりやすいのもメリットです。
ただし、高いコミュニケーション能力が求められる・国内外の出張の可能性があるといったデメリットもあるので、自分に合っているかよく検討しましょう。
臨床工学技士の経験とスキルを活かして、教育や研究の道に進む道もあります。最先端の研究に携われるため、知的好奇心が旺盛な人にとっては魅力的な職場です。
専門学校や大学といった臨床工学技士養成コースがある教育機関で働く場合、専門科目に関する授業を行います。次世代の臨床工学技士の育成に携わる、やりがいの大きい仕事です。
ただし、教育機関や研究施設に就職するには、ある程度医療現場などでの実務経験を積まなければいけません。
医療機器メーカーや教育機関、研究施設の臨床工学技士の求人は、医療機関と比べると少ないのが現状です。転職を希望する場合は、医療業界専門の転職サイトや転職エージェントを活用して、こまめにリサーチしましょう。
しかし、臨床工学技士の専門性が活かせるのは医療機関だけではありません。他の勤務先と仕事内容を紹介します。
(1)医療機器メーカー
医療機器メーカーで働く臨床工学技士の主な職種は、アプリケーションスペシャリストです。アプリケーションスペシャリストとは、営業職と一緒に医療機関に赴き、医療従事者に対し医療機器のデモンストレーションや操作説明をすることで契約につなげる職種です。
臨床工学技士は医療機器や医療現場の仕事への理解が深いため、デモンストレーションや説明に説得力があり、ニーズが高い傾向にあります。
また、営業職や研究開発職として活躍するケースもあります。
医療機器メーカーで勤務する場合、医療機関で働くよりも年収が高い傾向にあります。特にアプリケーションスペシャリストや営業職については、成果報酬制を導入している会社が多く、実力次第で大幅な年収アップも可能です。
また、年間休日数も多く、基本的に夜勤やオンコールがないため、ワークライフバランスがとりやすいのもメリットです。
ただし、高いコミュニケーション能力が求められる・国内外の出張の可能性があるといったデメリットもあるので、自分に合っているかよく検討しましょう。
(2)教育機関・研究施設
臨床工学技士の経験とスキルを活かして、教育や研究の道に進む道もあります。最先端の研究に携われるため、知的好奇心が旺盛な人にとっては魅力的な職場です。
専門学校や大学といった臨床工学技士養成コースがある教育機関で働く場合、専門科目に関する授業を行います。次世代の臨床工学技士の育成に携わる、やりがいの大きい仕事です。
ただし、教育機関や研究施設に就職するには、ある程度医療現場などでの実務経験を積まなければいけません。
医療機器メーカーや教育機関、研究施設の臨床工学技士の求人は、医療機関と比べると少ないのが現状です。転職を希望する場合は、医療業界専門の転職サイトや転職エージェントを活用して、こまめにリサーチしましょう。
臨床工学技士の働く環境って?年収や勤務時間などを解説
臨床工学技士の年収や休日、勤務時間など働く環境についてまとめました。
厚生労働省が運営する職業情報サイト「job tag」によると、臨床工学技士の平均年収は459.3万円です。年齢別の平均収入は年齢とともに高くなり、50~54歳でピークを迎えます。ピーク時の平均年収は、554.96万円です。
臨床工学技士の年収は、年齢だけではなく、勤務先・経験年数・役職などによっても異なります。
医療機関で働く臨床工学技士の月収は、25万~35万円くらいが目安です。ボーナスを合わせると、350万~450万円ほどの人が多いようです。大きな病院の管理職として働く場合は、年収1,000万円以上のケースもあります。
医療機器メーカーで働く場合は、職種にもよりますが、医療機関よりも年収が高い傾向にあります。特に営業職や営業と同行して技術的な面からサポートするクリニカルスペシャリストの場合、成果に応じて昇給やインセンティブが期待できます。成果主義の傾向が強い外資系メーカーに勤務し、成果を出している人であれば、年収1,000万円以上も十分可能です。
病院や透析クリニックで働く臨床工学技士の休日は、週休2日+祝日というパターンが一般的です。医療機関は土日診療を行う場合が多く、日曜日と平日1日、祝日が休みになります。
医療機器メーカーの場合は一般企業と同じように、土日祝の完全週休2日制がほとんどです。ただし、営業職やクリニカルスペシャリストとして働く場合、クライアントの都合やトラブル対応などで休日出勤が発生することもあります。
医療機関に勤務する場合、職場や配属先によって夜勤やオンコール対応が必要です。総合病院など大規模な病院は、夜勤やオンコールが必要なケースが多いでしょう。透析クリニックのなかには23時頃まで夜間透析を行っているところもありますが、日をまたぐ夜勤は基本的にありません。
医療機器メーカーは一般企業と同じく日勤のみですが、機器のトラブル対応などで、夜間に呼び出される可能性があります。
「job tag」の情報では、臨床工学技士の1カ月の平均労働時間は161時間です。平均労働時間が極端に長い職種というわけではありませんが、勤務先の状況によって残業の有無・時間は異なります。
総合病院は検査業務の遅れや事務作業による残業が発生しやすく、透析クリニックは診療時間が決まっているため残業時間は少なめです。
医療機器メーカーで働く場合、商談相手である医療従事者のスケジュールに合わせるため、残業が発生しやすい傾向にあります。
(1)年収
厚生労働省が運営する職業情報サイト「job tag」によると、臨床工学技士の平均年収は459.3万円です。年齢別の平均収入は年齢とともに高くなり、50~54歳でピークを迎えます。ピーク時の平均年収は、554.96万円です。
臨床工学技士の年収は、年齢だけではなく、勤務先・経験年数・役職などによっても異なります。
医療機関で働く臨床工学技士の月収は、25万~35万円くらいが目安です。ボーナスを合わせると、350万~450万円ほどの人が多いようです。大きな病院の管理職として働く場合は、年収1,000万円以上のケースもあります。
医療機器メーカーで働く場合は、職種にもよりますが、医療機関よりも年収が高い傾向にあります。特に営業職や営業と同行して技術的な面からサポートするクリニカルスペシャリストの場合、成果に応じて昇給やインセンティブが期待できます。成果主義の傾向が強い外資系メーカーに勤務し、成果を出している人であれば、年収1,000万円以上も十分可能です。
(2)休日と勤務時間
病院や透析クリニックで働く臨床工学技士の休日は、週休2日+祝日というパターンが一般的です。医療機関は土日診療を行う場合が多く、日曜日と平日1日、祝日が休みになります。
医療機器メーカーの場合は一般企業と同じように、土日祝の完全週休2日制がほとんどです。ただし、営業職やクリニカルスペシャリストとして働く場合、クライアントの都合やトラブル対応などで休日出勤が発生することもあります。
医療機関に勤務する場合、職場や配属先によって夜勤やオンコール対応が必要です。総合病院など大規模な病院は、夜勤やオンコールが必要なケースが多いでしょう。透析クリニックのなかには23時頃まで夜間透析を行っているところもありますが、日をまたぐ夜勤は基本的にありません。
医療機器メーカーは一般企業と同じく日勤のみですが、機器のトラブル対応などで、夜間に呼び出される可能性があります。
「job tag」の情報では、臨床工学技士の1カ月の平均労働時間は161時間です。平均労働時間が極端に長い職種というわけではありませんが、勤務先の状況によって残業の有無・時間は異なります。
総合病院は検査業務の遅れや事務作業による残業が発生しやすく、透析クリニックは診療時間が決まっているため残業時間は少なめです。
医療機器メーカーで働く場合、商談相手である医療従事者のスケジュールに合わせるため、残業が発生しやすい傾向にあります。
キャリアプランの参考に!臨床工学技士の将来性について
臨床工学技士は、将来性がある職業だといわれています。主な理由は以下の通りです。
臨床工学技士は、1987年に国家資格が制度化された新しい職業です。そのため、まだまだ人材が不足しています。
なかでも人材不足が深刻なのが、透析業務です。一般社団法人日本透析医学会によると、2023年末の施設調査結果による透析患者数は343,508人です。
厚生労働省の「令和4年版厚生労働白書」によると、臨床工学技士の就業者数は3万409人です。透析患者5人につき1人の臨床工学技士が必要だといわれており、透析業務だけでも7万人近い臨床工学技士が必要であるという計算になります。
医療やテクノロジーは日々進歩しており、それに伴い新しい医療機器も次々と登場しています。代表的なものとして、手術支援ロボットや医療画像診断AIがあげられます。
新しい医療機器のなかには、複雑なものも多く、臨床工学技士によるメンテナンスやトラブル対応が欠かせません。
また医療機器開発の場でも、臨床工学技士の持つ知識・技術が注目されています。
2021年の臨床工学技士法の改正に伴い、指定の研修を修了することで、従来は医師が行ってきた処置の一部を実施できるようになりました。
具体的な処置の例として、人工透析に使用する血液浄化装置の針を刺す・取り除く、カテーテル治療時に電気刺激を与える操作をするなどがあります。
医師の負担軽減のため、臨床工学技士の業務範囲は拡大傾向にあり、今後ますますチーム医療においての重要性が高まるでしょう。
(1)人材が不足しているから
臨床工学技士は、1987年に国家資格が制度化された新しい職業です。そのため、まだまだ人材が不足しています。
なかでも人材不足が深刻なのが、透析業務です。一般社団法人日本透析医学会によると、2023年末の施設調査結果による透析患者数は343,508人です。
厚生労働省の「令和4年版厚生労働白書」によると、臨床工学技士の就業者数は3万409人です。透析患者5人につき1人の臨床工学技士が必要だといわれており、透析業務だけでも7万人近い臨床工学技士が必要であるという計算になります。
(2)医療機器が進歩しているから
医療やテクノロジーは日々進歩しており、それに伴い新しい医療機器も次々と登場しています。代表的なものとして、手術支援ロボットや医療画像診断AIがあげられます。
新しい医療機器のなかには、複雑なものも多く、臨床工学技士によるメンテナンスやトラブル対応が欠かせません。
また医療機器開発の場でも、臨床工学技士の持つ知識・技術が注目されています。
(3)業務範囲が拡大しているから
2021年の臨床工学技士法の改正に伴い、指定の研修を修了することで、従来は医師が行ってきた処置の一部を実施できるようになりました。
具体的な処置の例として、人工透析に使用する血液浄化装置の針を刺す・取り除く、カテーテル治療時に電気刺激を与える操作をするなどがあります。
医師の負担軽減のため、臨床工学技士の業務範囲は拡大傾向にあり、今後ますますチーム医療においての重要性が高まるでしょう。
まとめ
臨床工学技士は、医療知識と工学知識を併せ持つ医療機器の専門家です。主に病院やクリニックなどの医療機関で、医療機器の操作や保守点検に携わります。
医療の進歩に伴い、医療機器が高度化・複雑化しているのを背景に、年々ニーズが高まっている職業です。
医療機関で働く臨床工学技士の主な業務は、生命維持管理装置の操作・医療機器の保守点検・手術室業務・集中治療室業務の4つです。
臨床工学技士の87.9%が医療機関で働いていますが、医療機器メーカーでアプリケーションスペシャリストや営業職として勤務する、教育機関や研究施設で教育・研究に携わる、といったキャリアもあります。
医療機器メーカー・教育機関・研究施設の求人は、医療機関と比べて数が少ないので、医療業界に特化した転職サイトや転職エージェントを活用するとスムーズです。
また、勤務先によって年収・休日・勤務時間など環境が異なります。転職の際は、条件をよく確認するようにしましょう。
医療の進歩に伴い、医療機器が高度化・複雑化しているのを背景に、年々ニーズが高まっている職業です。
医療機関で働く臨床工学技士の主な業務は、生命維持管理装置の操作・医療機器の保守点検・手術室業務・集中治療室業務の4つです。
臨床工学技士の87.9%が医療機関で働いていますが、医療機器メーカーでアプリケーションスペシャリストや営業職として勤務する、教育機関や研究施設で教育・研究に携わる、といったキャリアもあります。
医療機器メーカー・教育機関・研究施設の求人は、医療機関と比べて数が少ないので、医療業界に特化した転職サイトや転職エージェントを活用するとスムーズです。
また、勤務先によって年収・休日・勤務時間など環境が異なります。転職の際は、条件をよく確認するようにしましょう。

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