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AIによる画像診断ってどんなもの?注目すべき事例も合わせて解説

医療現場では、AIが広く使われるようになりつつあります。なかでも急速に進歩しているのが、AIによる画像診断です。

X線・CT・MRをはじめとする様々な画像データを、AIによって判別することで、医師の診察をサポートします。

AIによる画像診断は、医療業界で働くうえで是非押さえておいておきたい話題です。しかし、とっつきづらいと感じている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、はじめてAIによる画像診断に触れる人向けに、診断の概要やメリット・デメリット、日本国内の事例などを解説します。

AIによる画像診断とはどんな技術?必要とされる背景とは

AIによる画像診断とはどんな技術?必要とされる背景とは
AIによる画像診断について、AIとは何か、またAIが必要となった背景も合わせて解説します。

(1)AIとは
AIとは、日本語で人工知能を指します。人間の言葉の理解・認識・推論・音声認識・資格認識といった、これまでは人間にしかできないと考えられていた知的行動を、コンピュータに行わせる技術です。

大量のデータからAI自らがルールを学習する「機械学習」の登場などにより、近年AIは急速に発展しました。

少子高齢化や医療人材の不足、働き方改革、医療の高度化などを背景に、医療業界でもAIの導入が推進されています。

(2)AIによる画像診断が必要な理由
医療現場では、X線・CT・MRIなど様々な画像データの活用が進み、がん・心疾患・脳神経疾患などの命に関わる病気の早期発見・診断が可能になりました。

日本はCT・MRI機器が広く普及しており、診断や治療方針の作成、手術後のケアまで幅広い場面で活用されています。

画像診断は、放射線科医が各診療科から依頼を受け、頭部・腹部・胸部・手足などの画像データを読み取り、診断レポートを作成し、各診療科に送るという流れで行います。

放射線科医が画像データを読み取る際は、見落としや誤認識などが発生しないよう、膨大なデータを一つひとつ確認します。

また、正確性を高めるために二度確認する、緊急時などにスピーディーに診断レポートを提出する必要があるなど、負荷の大きいケースも少なくありません。

また、画像診断を担う放射線科医の数は不足しています。そこで、放射線科医を補助するために、AIを活用した画像診断が登場しました。

(3)AIによる画像診断とは
AIによる画像診断は、X線・CT・MRなどで撮影した患者の画像を、AIに読み込ませて、病気による異変を見つける技術です。

例えばがんの場合、放射線科医は患者のCT画像を見て、知識と経験をもとに、がんの有無・大きさ・他の臓器への転移・再発などの可能性を判断します。

AIは画像を判別する能力があるため、正常な画像と異常のある画像を大量に読み込ませて学習させることで、その画像にがんがあるかを見わけられるようになります。

医師はその結果をもとに、さらに検査など行いがんかどうかを確定します。

AIによる機械学習と、膨大なデータから共通点や相違点を発見する画像診断は相性が良く、病気によってはベテランの医師と同等かそれ以上の精度で診断できるほどです。

そのため、画像診断は医療のなかでも、特にAIの活用が進んでいる領域だといわれています。

患者の命を救う強力な武器に?AIによる画像診断のメリット

患者の命を救う強力な武器に?AIによる画像診断のメリット
AIによる画像診断のメリットのうち、代表的なものを紹介します。

(1)画像診断の質が高まる
AIが医師よりも先に、画像データをチェックすることで、医師の仕事量が減り、より判断が難しい症例に集中できます。

その結果、医師による診断の質が向上し、早期発見・早期治療につながり、患者の命や健康を守ることができます。

(2)見落としを防止できる
豊富な知識・経験を持つ医師であっても、画像の異変を見落とす可能性はゼロではありません。

医師の診察後、または診察と並行してAIが画像を判別することで、ダブルチェックとして機能し、見落としを防止できます。

また、AIによるダブルチェックがあることで、医師のプレッシャーが軽減されるのもメリットです。

(3)医師の負担を軽減できる
AIによる画像診断を導入することで、先にAIにある程度判別させてから注意すべき画像データを精査する、ダブルチェックをAIに任せるといったように、役割分担ができます。

画像診断を大幅に効率化できるため、医師の負担が軽減される・人手不足を解消できるといった効果が期待できるでしょう。

万能の技術ではない?AIによる画像診断のデメリットとは

万能の技術ではない?AIによる画像診断のデメリットとは
AIによる画像診断は非常にメリットの大きい技術ですが、注意すべきデメリットもあります。

(1)収集したデータの質によって精度が変わる
AIは大量にデータを読み込んで学習することで、画像の正常・異常を判断できるようになります。そのため、データがあまりない希少な疾患は、経験豊富な医師でないと発見は難しいかもしれません。

また、一般的な疾患であっても、信頼性の高いデータを集めないと、AIが正しく学習できず、適切な診断ができない可能性があります。

(2)診断の根拠がわかりにくい
今のところAIは、判断を下すことはできてもその根拠を示すのは難しいといわれています。そのため、病気の発見に役立つものの、診断の信頼性が不充分となる可能性があります。

AIによる画像診断にはどのようなものがあるの?国内の事例を紹介

AIによる画像診断にはどのようなものがあるの?国内の事例を紹介
AIによる画像診断は、すでに実際の医療現場で行われています。日本国内で注目されている事例を3つ紹介します。

(1)EIRL aneurysm
エルピクセル株式会社では、独自のAIアルゴリズムによる医療画像診断支援技術を開発しています。

なかでも、脳のMRI画像から脳動脈瘤の可能性のある箇所を検出するソフトウェア「EIRL aneurysm (エイル アニュリズム)」は、日本国内で初めて、深層学習を活用した脳MRI分野のプログラム医療機器として薬事承認を受け、大きな話題となりました。

(2)OPTiM Doctor Eye
「OPTiM Doctor Eye(オプティム・ドクター・アイ)」は、株式会社オプティムが開発した画像診断支援システムです。

緑内障による異変である可能性の高い「視神経乳頭陥凹」を高精度で診断できます。眼底の画像データを基にさらに精度を向上させられるシステムです。

眼底は人間の身体でただ一つ、血管を直に観察できる場所です。そのため、緑内障などの目の病気だけではなく、動脈硬化や糖尿病の早期発見につながると期待されています。

(3)胃がん鑑別AI
株式会社AIメディカルサービスは、内視鏡専門医・多田智裕氏が代表取締役を務める会社で、内視鏡の画像診断AIを開発しています。

内視鏡で胃や腸を観察する時に、リアルタイムでAIががんの可能性がある部位を発見したり、がんがある確率を算出したりして、医師の診断をサポートします。

「胃がん鑑別AI」は、腫瘍など胃の異変を判別するシステムで、2021年に医療機器製造販売承認申請をしています。承認されれば、世界初のAIを活用した胃領域の内視鏡診断支援システムとなるため、大きな期待が寄せられている製品です。

まとめ

まとめ
医療現場では様々な場面でAIが活用されており、なかでも画像診断は特に利用が推進されている分野です。

AIが正常な画像と異常な画像を判別することで、画像診断を行う放射線科医の業務をサポートし、診断の質の向上・見落としの予防・負担の軽減といったメリットが期待できます。

ただし、収集したデータの質によって精度が変わる・診断の根拠がわかりにくいといったデメリットもあります。

日本国内でも、AIによる画像診断システムが開発されており、今後さらに発展していくでしょう。

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