医師の労働時間ってどのくらい?転職で負担を軽くする方法

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医師の労働時間ってどのくらい?転職で負担を軽くする方法

臨床医は、労働時間が長くハードワークだと言われていますが、実態はどのようなものなのでしょうか。ワークライフバランスを重視する働き方が広まる今、労働時間は転職先を決める重要な要素と言えます。

この記事では、医師の労働時間の実態や転職により負担を軽くする方法などを解説します。

転職を考えるヒントに!医師の労働時間の実情をデータで解説

転職を考えるヒントに!医師の労働時間の実情をデータで解説
近年、働き方改革が推進されており、長時間労働や休日出勤が常態化していた医師の労働環境も少しずつ改善されています。ここでは、医師の労働時間の実態をご紹介します。


(1)医師の1週間あたりの労働時間
厚生労働省が発表した『令和元年 医師の勤務実態調査』によると、病院で常勤勤務をしている医師のうち、1週間の労働時間が週60時間以上の医師は、男性41%、女性28%。週80時間以上の医師は、男性9%、女性6%となっています(※診療時間と指示に基づく診療外時間と宿直・日直中の待機時間を合計した数値。『令和元年 医師の勤務実態調査』のデータについては全て同じ定義です。


同じような調査を行った『平成28年度厚生労働科学特別研究 医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査研究』と比較すると、週60時間以上勤務する医師の割合は、男女ともに大きな変化はありませんでした。しかし、週80時間以上勤務する医師の割合は、平成28年の調査では、男性が11%、女性が7%なので、わずかながら減少傾向が見られます。


(2)年代別・医師の労働時間

続いて『令和元年 医師の勤務実態調査』をもとに医師の労働時間を年代別に見ていきます。下記の表のカッコ内は平成28年度に行われた調査の結果からの増減時間を表しています。

<病院に常勤する医師の1週間あたりの労働時間>
20代  男性医師:61時間34分(-3時間25分) 女性医師:58時間20分(‐52分)
30代  男性医師:61時間54分(-1時間57分) 女性医師:51時間42分(‐31分)
40代  男性医師:59時間34分(-1時間32分) 女性医師:49時間15分(‐5分)
50代  男性医師:56時間16分(+48分) 女性医師:51時間32分(+1時間27分)
60代  男性医師:47時間20分(+2時間3分) 女性医師:44時間44分(+2時間5分)
全年代平均  男性医師:57時間35分(-24分) 女性医師:52時間16分(+44分)


平均勤務時間の動きを見ると、男性は年代が上がるにつれて短くなっており、20代と60代では14時間ほどの差があります。それに対し女性は、20代~40代では徐々に短くなり、50代でいったん増加し、60代で再び短くなります。

『令和元年 医師の勤務実態調査』では、子どもと同居している場合は同居していない場合と比べて、結婚している女性医師は勤務時間が短くなり、結婚していない男性医師は長時間働く傾向があります。このことから、女性の平均勤務時間が、30代で減少するのは、出産・子育ての影響があると考えられるでしょう。

平成28年度に行われた調査と比較すると、全世代の1週間あたりの平均勤務時間は、男性は減少し、女性は増加しています。また、男女ともに20代~40代の平均勤務時間は少なくなっており、50代と60代で増加しています。

男性医師は20代~50代の全ての年代で、1週間あたりの勤務時間は、50~60時間が最も多いという結果が出ました。60代以上の場合は、40~50時間の医師が多いです。女性は、どの年代も40~50時間が最も多く、20代は60~70時間の割合も高くなっています。

あてはまる年代や性別の1週間あたりの勤務時間の平均値よりも、長時間働いているのであれば、転職によって労働時間を減らせる可能性は充分あります。

転職するなら知っておきたい!診療科による医師の労働時間の差

転職するなら知っておきたい!診療科による医師の労働時間の差
ご存じの通り、医師の労働時間は診療科によって大きく異なります。『令和元年 医師の勤務実態調査』では下記のような結果になりました。

<診療科別・病院常勤医の1週間あたりの労働時間>
内科     56時間13分
外科     61時間54分
小児科    54時間15分
産婦人科   58時間47分
精神科    47時間50分
皮膚科    53時間51分
眼科     50時間28分
耳鼻咽喉科   55時間02分
泌尿器科   56時間59分
整形外科   58時間50分
脳神経外科  61時間52分
形成外科   54時間29分
救急科    60時間57分
麻酔科    54時間06分
放射線科   52時間54分
リハビリテーション科 50時間24分
病理診断科   52時間49分
臨床検査科   46時間10分
総合診療科   57時間15分
臨床研修医   57時間26分
全診療科平均  56時間22分


診療科による労働時間の差は大きく、1週間あたりの労働時間が一番短い精神科と一番長い救急科では、13時間以上もの開きがあります。

勤務時間の長い診療科は、外科・神経外科・救急科をはじめとする緊急手術が発生しやすい診療科が多い傾向があります。

逆に精神科や眼科などは緊急対応が発生しにくく、宿直やオンコール対応が少ない診療科は、勤務時間が短めです。

医師が転職で労働時間を減らす方法とは?おさえるべきポイント

医師が転職で労働時間を減らす方法とは?おさえるべきポイント
ご紹介した通り、医師はハードワークになりがちな職業です。ワークライフバランスや子育てとの両立を考え、労働時間を減らしたいと考えている方も多いでしょう。転職で労働時間を減らす方法をご紹介します。


(1)クリニックに転職する

クリニックは入院病床がないところも多く、外来診療のみの場合も少なくありません。当直やオンコール対応、休日出勤がないクリニックであれば、残業時間も少ないため、ゆとりを持って働けます。携われる症例が少ないなどデメリットもありますが、勤務時間を減らす有効な選択肢です。


(2)労働時間の短い診療科に転職する

長時間労働を求められる診療科の場合、労働時間が短い転職先が見つからないかもしれません。眼科をはじめとする労働時間が短い診療科に転科することで、労働時間を減らせる可能性があります。ただし、転科は医師のキャリアにおいて大きな決断です。労働時間だけではなく、適性や将来性などをよく考えて選択しましょう。


(3)フリーランス医になる

医療機関に所属せずに、フリーランス医師として活躍する道もあります。定期非常勤やスポットバイト、臨床以外のパートアルバイトなどを組み合わせて、自由に働くスタイルです。常勤医師よりも、高収入の場合も少なくありません。ただし、雇止めの可能性もあり安定性に欠ける、勤務医に比べて社会的信用が低いなどのデメリットもあります。

その他にも、人間ドックの健診医や産業医、介護施設の医師など、労働時間を短縮しやすい転職先は多数あります。

(4)転職エージェントに相談する
求人情報に記載されている勤務時間と実態が異なるのは、よくあるパターンです。労働時間を減らすための転職の場合、医療機関の内情に精通した転職エージェントに相談することで、労働時間を減らせる転職先を探すことができます。

さらに、勤務条件を明確化して交渉してくれるので、転職後に条件が違うことが判明するリスクが少なく、場合によってはよりよい条件で転職できるメリットもあります。

また、労働時間以外の希望や将来的なキャリアなど総合的な視点から、アドバイスをもらえるのも魅力です。特に、転科やフリーランス医になるなど働き方を大きく変える場合は、リスクがつきものです。医師の転職のプロフェッショナルに相談することで、納得のいく転職につながるでしょう。

まとめ

まとめ
医師は長時間労働が常態化しているケースが多く、1週間の労働時間が60時間以上の医師も多数います。年齢・性別・診療科で差はありますが、ハードワークといえるでしょう。

医師が労働時間を短縮するのには、転職が有効です。入院患者のいないクリニックに転職する、労働時間が短い診療科に転科する、フリーランス医になるなどの方法があります。

転職は医師のキャリアにおいて非常に重要です。そのため、自己分析や情報収集をしっかり行って、慎重に進める必要があります。

転職を考えている場合は、求人情報のチェックからスタートするのがおすすめです。勤務時間や給料の相場、必要なスキルなどがわかるからです。医療業界に特化した転職サイトであれば、「短時間勤務」「診療科の経験不問」など貴重な求人も見つかりやすいでしょう。