医療機器の種類と特徴って?規制や今の動向も紹介
2025/05/08
2025/05/08
現代の医療現場では、さまざまな医療機器が活用されており、医療の質と効率の向上に貢献しています。医療業界で働くうえで、医療機器の基礎知識は必須です。しかし、「医療機器の種類がよくわからない」「どんな規制があるの?」など、医療機器についての疑問がある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、医療機器メーカーなど医療業界への転職を検討している方に向け、医療機器の種類やクラス分類・法規制・今の動向について詳しく解説します。医療機器の全体像を理解することで、医療業界で活躍しやすくなります。
この記事では、医療機器メーカーなど医療業界への転職を検討している方に向け、医療機器の種類やクラス分類・法規制・今の動向について詳しく解説します。医療機器の全体像を理解することで、医療業界で活躍しやすくなります。
医療機器の種類って?用途別の分類と特徴を紹介
医療機器にはさまざまなものがあり、その用途によって大きく「治療機器」「診断機器」「その他の医療機器」の3つに分類されます。それぞれ解説します。
治療機器は、患者の病気やケガを治療するために用いられる医療機器です。手術や慢性疾患の管理などさまざまな医療ニーズに合わせてつくられており、患者の健康改善や症状の進行防止に欠かせません。代表的な治療機器を3つ紹介します。
・心臓ペースメーカー
電気刺激を送り、心臓が正常なリズムで動くようコントロールする医療機器です。主に洞不全症候群や房室ブロックなどの心疾患によって、脈が遅くなるタイプの不整脈がある患者に使われます。
・人工透析装置
腎不全などで腎機能が低下した患者に用い、体内の老廃物や余分な水分を取り除く装置です。
・人工呼吸器
重症患者など呼吸できないまたは不十分な患者の肺に酸素を送り込み、呼吸を助ける医療機器です。
また、注射器・メス・カテーテルなども治療機器に分類されます。心臓ペースメーカーなど治療機器のなかには患者の生命・健康に直接関わるものも多く、誤った方法で使用すると重大なリスクにつながります。
病気やケガの診断などのために、患者の身体の状態を正確に把握する医療器具です。身近なものとして、X線撮影装置があります。その他の代表的な診断機器を3つ紹介します。
・MRI
MRIは、強い磁気の力を利用し、臓器や血管など身体の中を断面図として撮影する装置です。脳腫瘍・脳梗塞・ヘルニア・肝臓や膵臓の腫瘍など、さまざまな病気の発見に役立ちます。
・超音波診断装置(エコー)
人間の耳では聞こえない周波数の高い音波を体内に送り、その反射波(エコー)をもとに臓器や血管など体内の画像をリアルタイムで映し出す診断機器です。心筋梗塞・心肥大・肝臓がん・腎結石・乳がんなど幅広い病気を発見できます。
・内視鏡
カメラやレンズを先端につけた管を身体の中に入れ、体内を観察する医療機器です。胃カメラや大腸カメラが良く知られており、がんをはじめとする消化器系疾患の確定診断に欠かせません。また、内視鏡をポリープやがんの切除などの手術に使用する場合もあります。
治療機器と診断機器以外の医療機器を指します。治療や診断には直接かかわらないものの、医療現場を安全かつ効率的に運営するうえで重要な役割を果たします。
具体的には、手術器具などを滅菌して感染を防ぐ滅菌器・患者モニタリングシステム・電子カルテ・病院の消耗品を管理するソフトウェアなどがあります。
また、コンタクトレンズや体温計など日常の健康管理に使う医療機器も、その他の医療機器に含まれます。
(1)治療機器
治療機器は、患者の病気やケガを治療するために用いられる医療機器です。手術や慢性疾患の管理などさまざまな医療ニーズに合わせてつくられており、患者の健康改善や症状の進行防止に欠かせません。代表的な治療機器を3つ紹介します。
・心臓ペースメーカー
電気刺激を送り、心臓が正常なリズムで動くようコントロールする医療機器です。主に洞不全症候群や房室ブロックなどの心疾患によって、脈が遅くなるタイプの不整脈がある患者に使われます。
・人工透析装置
腎不全などで腎機能が低下した患者に用い、体内の老廃物や余分な水分を取り除く装置です。
・人工呼吸器
重症患者など呼吸できないまたは不十分な患者の肺に酸素を送り込み、呼吸を助ける医療機器です。
また、注射器・メス・カテーテルなども治療機器に分類されます。心臓ペースメーカーなど治療機器のなかには患者の生命・健康に直接関わるものも多く、誤った方法で使用すると重大なリスクにつながります。
(2)診断機器
病気やケガの診断などのために、患者の身体の状態を正確に把握する医療器具です。身近なものとして、X線撮影装置があります。その他の代表的な診断機器を3つ紹介します。
・MRI
MRIは、強い磁気の力を利用し、臓器や血管など身体の中を断面図として撮影する装置です。脳腫瘍・脳梗塞・ヘルニア・肝臓や膵臓の腫瘍など、さまざまな病気の発見に役立ちます。
・超音波診断装置(エコー)
人間の耳では聞こえない周波数の高い音波を体内に送り、その反射波(エコー)をもとに臓器や血管など体内の画像をリアルタイムで映し出す診断機器です。心筋梗塞・心肥大・肝臓がん・腎結石・乳がんなど幅広い病気を発見できます。
・内視鏡
カメラやレンズを先端につけた管を身体の中に入れ、体内を観察する医療機器です。胃カメラや大腸カメラが良く知られており、がんをはじめとする消化器系疾患の確定診断に欠かせません。また、内視鏡をポリープやがんの切除などの手術に使用する場合もあります。
(3)その他の医療機器
治療機器と診断機器以外の医療機器を指します。治療や診断には直接かかわらないものの、医療現場を安全かつ効率的に運営するうえで重要な役割を果たします。
具体的には、手術器具などを滅菌して感染を防ぐ滅菌器・患者モニタリングシステム・電子カルテ・病院の消耗品を管理するソフトウェアなどがあります。
また、コンタクトレンズや体温計など日常の健康管理に使う医療機器も、その他の医療機器に含まれます。
医療機器のクラス分類って?製造・販売の規制についても解説
日本では医療機器を医療機器規制国際整合化会合(GHTF)の基準をもとに、リスクの大きさに応じて4種類に分類しています。
不具合が生じても人体へのリスクが極めて低いと考えられます。X線フィルムや聴診器、血液ガス分析装置、血圧計、医療用のハサミなどが含まれます。
製造・販売にあたり審査は不要で、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)への届け出のみで認証されます。
不具合が生じた場合のリスクが比較的低い医療機器です。MRI装置・CT診断装置・超音波診断装置・電子内視鏡・注射針などが該当します。
製造・販売には、第三者登録認証機関による認証が必要となります。ただし、構造や原理が既存の医療機器と大きく異なる場合は、PMDAの審査を経て厚生労働大臣の承認を得る必要があります。
生命や健康へのリスクが比較的高い医療機器です。主な医療機器に、人工透析装置・人工呼吸器・カテーテルがあります。
製造・販売には厚生労働省への申請とPMDAの審査を経て、厚生労働大臣の承認を得なければいけません。ただし、認証基準に適合する特定の機器の場合、第三者機関による認証でも可能とされています。
患者の生命の維持に直接かかわり、侵襲性が高く生命の危険に直結する恐れがあるものです。心臓ペースメーカー・人工心肺装置・人工心臓弁などが該当します。
製造・販売には厚生労働省への申請とPMDAの審査を経て、厚生労働大臣の承認を得る必要があります。
(1)一般医療機器(クラスⅠ)
不具合が生じても人体へのリスクが極めて低いと考えられます。X線フィルムや聴診器、血液ガス分析装置、血圧計、医療用のハサミなどが含まれます。
製造・販売にあたり審査は不要で、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)への届け出のみで認証されます。
(2)管理医療機器(クラスⅡ)
不具合が生じた場合のリスクが比較的低い医療機器です。MRI装置・CT診断装置・超音波診断装置・電子内視鏡・注射針などが該当します。
製造・販売には、第三者登録認証機関による認証が必要となります。ただし、構造や原理が既存の医療機器と大きく異なる場合は、PMDAの審査を経て厚生労働大臣の承認を得る必要があります。
(3)高度管理医療機器(クラスⅢ)
生命や健康へのリスクが比較的高い医療機器です。主な医療機器に、人工透析装置・人工呼吸器・カテーテルがあります。
製造・販売には厚生労働省への申請とPMDAの審査を経て、厚生労働大臣の承認を得なければいけません。ただし、認証基準に適合する特定の機器の場合、第三者機関による認証でも可能とされています。
(4)高度管理医療機器(クラスⅣ)
患者の生命の維持に直接かかわり、侵襲性が高く生命の危険に直結する恐れがあるものです。心臓ペースメーカー・人工心肺装置・人工心臓弁などが該当します。
製造・販売には厚生労働省への申請とPMDAの審査を経て、厚生労働大臣の承認を得る必要があります。
医療業界で働くなら必見!医療機器のトレンドを解説
医療機器業界は、デジタル技術の進化と医療ニーズの多様化により、大きな変化が進んでいます。注目のトレンドを3つ紹介します。
ウェアラブルデバイスとは、スマートウォッチのように身体に装着して使う端末のことです。歩数・心拍数・血圧・睡眠状態などの情報をリアルタイムに取得できます。
健康管理アプリと連動することで、客観的に自分の健康状態を把握でき、健康維持に役立ちます。また医療機関と連携することで、遠隔で医師などによるチェックができ、慢性疾患の管理や早期介入にも活用されています。
画像診断AIをはじめ、AIと機械学習を活用した医療機器が登場しています。画像診断AIとは、AIに機械学習により膨大な画像データを学ばせることで、画像をスピーディーに解析し病気や異常を検知する技術です。X線撮影装置・MRI・CT診断装置・超音波診断装置など、さまざまな検査で撮影した画像を解析できます。
人間の医師の労力を軽減できる・小さな異変も検出でき診断精度が向上する・早期発見と早期診断につながるといったメリットがあります。
また、遠隔診療と組み合わせることで、病院が少ない地域にいながら質の高い診断を受けられるようになり、医療格差の解消にもつながります。
ロボット支援手術とは、腹部や胸部に小さな穴を開け、特殊な医療機器を装着したロボットアームを入れ、医師が遠隔操作して行う手術のことです。
最大のメリットは、従来の手術よりも傷口が小さい分、身体への負担が軽いことです、回復までの期間が短く、感染症のリスクも少ないといわれています。
またロボットアームは人間の関節よりも可動域が大きく、手振れ補正機能があります。さらに、手術をしている部分を拡大して観察できるため、より精度の高い手術が可能です。
近年、ロボット支援手術の導入が盛んに行われており、特に肺がん・食道がん・前立腺がんなどのがん治療の選択肢として注目されています。
(1)ウェアラブルデバイス
ウェアラブルデバイスとは、スマートウォッチのように身体に装着して使う端末のことです。歩数・心拍数・血圧・睡眠状態などの情報をリアルタイムに取得できます。
健康管理アプリと連動することで、客観的に自分の健康状態を把握でき、健康維持に役立ちます。また医療機関と連携することで、遠隔で医師などによるチェックができ、慢性疾患の管理や早期介入にも活用されています。
(2)AIと機械学習の活用
画像診断AIをはじめ、AIと機械学習を活用した医療機器が登場しています。画像診断AIとは、AIに機械学習により膨大な画像データを学ばせることで、画像をスピーディーに解析し病気や異常を検知する技術です。X線撮影装置・MRI・CT診断装置・超音波診断装置など、さまざまな検査で撮影した画像を解析できます。
人間の医師の労力を軽減できる・小さな異変も検出でき診断精度が向上する・早期発見と早期診断につながるといったメリットがあります。
また、遠隔診療と組み合わせることで、病院が少ない地域にいながら質の高い診断を受けられるようになり、医療格差の解消にもつながります。
(3)ロボット支援手術
ロボット支援手術とは、腹部や胸部に小さな穴を開け、特殊な医療機器を装着したロボットアームを入れ、医師が遠隔操作して行う手術のことです。
最大のメリットは、従来の手術よりも傷口が小さい分、身体への負担が軽いことです、回復までの期間が短く、感染症のリスクも少ないといわれています。
またロボットアームは人間の関節よりも可動域が大きく、手振れ補正機能があります。さらに、手術をしている部分を拡大して観察できるため、より精度の高い手術が可能です。
近年、ロボット支援手術の導入が盛んに行われており、特に肺がん・食道がん・前立腺がんなどのがん治療の選択肢として注目されています。
まとめ
医療機器は人々の健康と生命を支える重要なものです。用途別に大きく「治療機器」「診断機器」「その他の医療機器」の3つに分かれます。
また、リスクの大きさによって4つのクラスに分類され、リスクが大きいほど製造・販売についての規制が厳しくなっています。
医療業界で特に注目されているトレンドは、ウェアラブルデバイス・AIと機械学習の活用・ロボット支援手術の3つです。将来性を重視して転職するのであれば、これらの領域に強い企業に応募するのも方法のひとつです。
また、リスクの大きさによって4つのクラスに分類され、リスクが大きいほど製造・販売についての規制が厳しくなっています。
医療業界で特に注目されているトレンドは、ウェアラブルデバイス・AIと機械学習の活用・ロボット支援手術の3つです。将来性を重視して転職するのであれば、これらの領域に強い企業に応募するのも方法のひとつです。

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