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医療業界で働くなら知っておきたい!在宅医療のデジタル化とは

自宅などの生活の場にいながら医療を受けられる「在宅医療」は、高齢化などに伴いニーズが拡大しています。より質の高い在宅医療を提供するカギとなるのが、デジタル技術です。実際に、オンライン診療や在宅医療向け電子カルテといったデジタル技術を導入する医療機関が増えています。

医療機関はもちろん、医療機器メーカーや製薬会社といった医療業界の職場で働くうえで、在宅医療のデジタル化の知識は非常に重要です。医療業界への転職を希望する人は、ぜひチェックしておきたいトピックスといえるでしょう。

この記事では、在宅医療のデジタル化について基本から解説します。

在宅医療ってそもそも何?基本的な知識を解説

在宅医療ってそもそも何?基本的な知識を解説
在宅医療の概要や現状を解説します。

(1)在宅医療とは
在宅 医療とは、病気・ケガ・加齢などが原因で身体が弱り、医療機関への通院が難しい患者が、自宅や高齢者向け施設をはじめとする生活の場にいながら定期的に医療を受けることを指します。

医師や看護師以外にも、歯科医師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・ケアマネージャー・ホームヘルパーなどの医療・介護職がチームとなり、診療計画を作成。定期的に生活の場を訪問し、診察・治療・健康管理・介護を行います。

在宅医療と同じく医師や看護師が患者を訪問して行う診療として「往診」がありますが、実は大きな違いがあります。在宅医療が診療計画に沿って定期的に訪問して医療を提供するのに対し、往診は患者や家族の要請によって訪問して医療を提供します。

在宅医療の対象となるのは下記のようなケースです。
・住み慣れた自宅での生活を希望している
・足腰が不自由になり1人で病院に行くのが難しい
・在宅で寝たきりになってしまった
・心臓や肺の病気により少し動くだけで息切れし通院が困難
・痛みや体力低下により通院が難しいがん患者の看取り
・医療ケアが必要な子ども

在宅医療には、住み慣れた場所で暮らせるため生活の質が向上する、食事など行動の制限が少なくストレスを軽減できる、付き添いなど通院に伴う家族の負担が少ないといったメリットがあります。

その反面、オーダーメイドで診療内容を決めるため迷いが生じる、受け入れてくれる医療機関が見つかりにくい場合がある、医師・看護師が不在の時間が長い、家族の看護・介護の負担が大きいなどデメリットも少なくありません。

(2)在宅医療の現状
在宅 医療は、世界的にニーズが増しており、市場規模は約50兆円以上ともいわれています。

日本でも在宅医療を受ける患者は増加傾向にあり、厚生労働省が発表した「令和2年(2020)患者調査の概況によると、1999年は69,500人でしたが、ピークである2017年には180,100人にまで増加しました。

2020年は173,600人と2017年に比べると減少したものの、高齢者の増加によって将来的にさらに増加していく可能性は高いでしょう。

超高齢化社会が背景?在宅医療のデジタル化が進んでいる理由とは

超高齢化社会が背景?在宅医療のデジタル化が進んでいる理由とは
在 宅医療のデジタル化が進んでいる主な背景を解説します。

(1)高齢化により在宅医療のニーズが高まっている
日本は2025年には、全人口の25%が高齢者という超高齢化社会を迎えます。高齢者の占める割合が大きいと医療を必要とする人の割合も大きくなるため、在宅医療のニーズも高まるでしょう。

また、高齢者の「介護・医療が必要になっても自宅にいたい」という思いも、在宅医療のニーズの高さにつながっています。

内閣府が発表した「平成29年版高齢社会白書」によると、全国の55歳以上の男女を対象とした調査では、「介護が必要となった場合に介護を受けたい場所」という質問に対し、60歳以上では「自宅」を希望する人が最も多く、男性は42.2%、女性は30.2%という結果でした。

さらに、「治る見込みがない病気になった場合、最期はどこで迎えたいか」という質問に対して、最も多い54.6%が「自宅」と回答しています。

しかし、医療従事者のリソースや医療費は無限ではありません。在宅医療をデジタル化し効率を上げることで、負担をおさえつつ充分な医療を提供できると期待されています。

(2)デジタル化が急速に進んでいるから
近年の、AI・VR・ウェアラブルデバイスといったデジタル技術の進歩は目覚ましいものがあります。多くの業界でデジタル化が急速に進んでいますが、医療業界も例外ではありません。

遠方の患者と医師をつなぐオンライン診療やAIを活用した画像診断など、いろいろな場面でデジタル化が行われています。それに伴い、在宅医療にもデジタル技術が積極的に導入されるでしょう。

(3)国の後押しがあるから
住み慣れた自宅で最期を迎えたいという高齢者の意向や現役世代の減少を背景に、国は医療を提供する場を、これまでの病院から在宅へと切り替えようとしています。

在宅医療推進のための制度の整備にも注力しており、なかでも重要なのが「地域包括ケアシステム」です。地域包括ケアシステムとは、地域の実情に即した医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に供給される体制のことです。

地域包括ケアシステムでは、各医療機関や行政機関などがしっかり情報連携する必要があります。情報連携するうえで大切なのが、情報通信技術を活用したコミュニケーションである「ICT」の推進などのデジタル化です。

地域包括ケアシステムの実現に向けた国の後押しにより、在宅医療のデジタル化が加速する可能性もあるでしょう。

在宅医療を支えるデジタル技術はどんなもの?代表的なものを紹介

在宅医療を支えるデジタル技術はどんなもの?代表的なものを紹介
在 宅医療を支えるデジタル技術のうち、代表的なものを紹介します。

(1)電子カルテ
「電子カルテ」とは、これまで紙のカルテに記載していた医療情報を電子データとして記録・管理できるシステムです。

クラウド型電子カルテはスマートフォンやタブレットなどの端末でどこからでも使用でき、リアルタイムで情報を確認・共有できます。患者の生活の場を訪問し、医療を提供する在宅医療と相性がよく、大幅な効率改善につながります。

(2)ポータルブルレントゲンなどの小型の検査機器
従来は装置を使った検査は医療機関で受けるものというのが常識でしたが、小型のレントゲン装置やエコー装置を使い患者の自宅などで検査を行い、ノートパソコンで画像を確認できるようになりました。

在宅医療では病院と比べて検査の手段が限られていますが、持ち運びのできる検査装置を使えば、的確かつスピーディーな診療ができます。

(3)訪問スケジュールを最適化するサービス
在宅医療の効率化には、訪問スケジュールの管理が非常に重要です。訪問スケジュールを最適化することで、無駄なく業務を進められ医療機関の経営改善につながります。

株式会社ゼストが提供するクラウドサービス『ZEST』は、スケジュールや訪問ルートの自動化に加えて、訪問希望時間や職員の性別、医療スタッフのスキルといった事情を考慮して全体を最適化する機能を備えています。

まとめ

まとめ
在宅医療は、自宅などの生活の場に定期的に医師や看護師などの医療従事者が訪問し、医療を提供することを指します。

在宅医療にAIなどのデジタル技術をかけ合わせることで、業務効率アップなどの効果が期待できるでしょう。電子カルテやポータブルレントゲン、訪問スケジュール最適化サービスなどすでに実用化されているものが多数あります。

在宅医療のデジタル化は、超高齢化社会やデジタル技術の進歩、国の後押しを背景に、急速に進歩する可能性の高い領域です。

医療業界のトレンドを知っておけば、より将来性のある企業を見極めやすくなります。医療業界に特化した転職サイトの記事などで、医療業界の最先端のトピックスを把握するとよいでしょう。