理学療法士の主な就職先とは?自分に合った職場を選ぶコツとは
2022/12/08
2025/11/11
理学療法士は、病院でリハビリテーションに携わるイメージが強い職種です。しかし、近年はリハビリテーションセンターやスポーツ施設、一般企業など活躍の場が広がっています。そのため「どんな就職先がいいのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、理学療法士の主な就職先、自分に合った職場を選ぶコツなどを解説します。
この記事では、理学療法士の主な就職先、自分に合った職場を選ぶコツなどを解説します。
理学療法士の就職先はどんなところが多いの?データをもとに解説
日本理学療法士協会によると、2022年3月末時点で、会員数は133,133名でうち74,059名が病院勤務です。全体の55%以上が病院勤務という結果になりました。さらに、診療所(クリニック)に勤務する理学療法士は10,766名おり、医療機関で働く人の割合の多さがうかがえます。
医療機関以外で勤務者数が多い就職先は、介護老人保健施設などの医療福祉中間施設、養護老人ホームなどの老人福祉施設です。
その他、行政や訪問看護ステーション(老人訪問看護ステーション)、養成校の教員をはじめとする教育・研究施設など、幅広い就職先で理学療法士が活躍しています。
医療機関以外で勤務者数が多い就職先は、介護老人保健施設などの医療福祉中間施設、養護老人ホームなどの老人福祉施設です。
その他、行政や訪問看護ステーション(老人訪問看護ステーション)、養成校の教員をはじめとする教育・研究施設など、幅広い就職先で理学療法士が活躍しています。
理学療法士の主な就職先10選!それぞれの特徴を紹介
理学療法士の主な就職先とその特徴を紹介します。
(1)病院
病院は理学療法士の就職先として最も多い職場ですが、リハビリ対象者の違いによって大きく3種類にわけられます。
・急性期病院
急性期病院では、病気発症から間もない患者や手術直後の患者がリハビリ対象者となります。積極的に機能回復のためのリハビリテーションをするというよりは、リスク管理をしつつ早期離床ができるようサポートする業務です。急性期病院は、患者の入れ替わりが早く、短期間で最適なリハビリテーションの提供が求められます。
・回復期病院
急性期から回復し状態が安定してきた患者を担当します。退院に向け、長期間にわたり集中的にリハビリテーションを行うため、患者の回復を実感できる業務です。リハビリテーションだけではなく、家屋調査や福祉用具選び、介護サービスの調整といった、退院後の生活に向けた準備をサポートします。急性期病院と比べ、一緒に働く理学療法士の人数も多く、幅広いリハビリテーションの手法や知見を身につけられます。
・療養型病院
リハビリ対象者は、長期的な治療・療養または介護が必要な人です。主に高齢者のリハビリテーションを行います。機能を積極的に回復するのではなく、今の状態を保ち穏やかな生活を送れるようサポートする仕事です。一人ひとりの患者と長期的にかかわり、ターミナルケアに携わる場合もあります。
病院全体の共通点として、内科や脳神経科、心臓外科など幅広い科目の患者を担当する機会が多く、柔軟な対応が求められる点があげられます。
(3)クリニック
総合病院だけではなく、病床数が1〜19または病床を持たないクリニックでも理学療法士が活躍しています。日本理学療法士協会の統計では、2022年3月末時点のクリニックに勤務する理学療法士の数は10,766名と、病院についで2番目に多いという結果が報告されています。
クリニックは特定の診療科に特化している場合が多く、診療科によってリハビリテーションの内容やリハビリテーション対象者が異なります。ほとんどの理学療法士が整形外科に勤務しており、1日に担当する患者数が多いため、短時間でリハビリテーションを進める必要があります。その他、循環器内科・脳神経外科・小児科などでも、理学療法士の専門性を活かしたリハビリテーションが求められています。
(4)介護老人保健施設
介護認定を受けている高齢者に対し、在宅復帰を目指したリハビリテーションを行います。ケアマネージャーやソーシャルワーカーといった福祉職と連携し、入所者をサポートします。
施設と併設して、リハビリテーションセンターの事務所が設けられている場合、その利用者の対応を担当する場合もあるでしょう。
(5)リハビリテーションセンター
患者の在宅復帰や社会復帰を目指し、身体機能の回復を図る「医学的リハビリテーション」や通常の生活に戻る準備をする「社会的リハビリテーション」、仕事に復帰するための「職業的リハビリテーション」など、さまざまなリハビリテーションを包括的に提供します。
在宅復帰や社会復帰を目指し、医療機関や地域などとしっかり連携する必要がある職場です。
(6)通所介護(デイサービス)・通所リハビリテーション
介護認定を受けている高齢者に対し、現在の生活レベルを維持するためのリハビリテーションを提供する場合が多い職場です。
知的発達障害児を対象とした「放課後等デイサービス」では、子どもの身体能力の評価、脳の機能回復・発達能力の成長を促すリハビリテーションなどを担当します。
(7)訪問リハビリテーション
主に介護認定を受けている高齢者のうち通院が困難な人に対し、自宅を訪問してリハビリテーションを実施します。基本的に単独で訪問するため、高いリスク管理能力やトラブル対処能力が必要です。
(8)養成校の講師
理学療法士のニーズ拡大に伴い、育成を担う講師の人数も増加傾向にあります。主な業務は、養成校での授業・進路指導・生徒や保護者の相談対応・実習地訪問・国家試験対策です。
臨床現場で活躍する理学療法士とは異なり、指導能力や校外との折衝能力なども求められます。
(9)スポーツ関係
アスリートやスポーツ選手を対象に、スポーツによる外傷に対し、運動療法や物理療法をはじめとするスポーツリハビリテーションを行います。
スポーツチームに帯同し、選手のけがの処置やけが予防のためのコンディショニング、故障後の復帰に向けた身体づくりのサポートなどに携わります。
求人が少なく狭き門ではありますが、プロ野球チームやJリーグ、ナショナルチームと契約し、スポーツ業界の第一線で活躍する理学療法士もいます。一流選手から頼られるため、非常にやりがいが大きい仕事です。
(10)保健所・行政
保健所や行政で公務員として働く理学療法士もいます。保健所での主な仕事は、基本的なリハビリテーションの提供やリハビリ教室の開催です。他の職場ではあまりできない、地域の健康を守る仕事に携われます。
行政機関で働く場合は、介護福祉課・健康企画課・福祉政策課に所属し、地域住民へのリハビリテーションの提供などの支援や事業の立案、予算策定などを行います。
(1)病院
病院は理学療法士の就職先として最も多い職場ですが、リハビリ対象者の違いによって大きく3種類にわけられます。
・急性期病院
急性期病院では、病気発症から間もない患者や手術直後の患者がリハビリ対象者となります。積極的に機能回復のためのリハビリテーションをするというよりは、リスク管理をしつつ早期離床ができるようサポートする業務です。急性期病院は、患者の入れ替わりが早く、短期間で最適なリハビリテーションの提供が求められます。
・回復期病院
急性期から回復し状態が安定してきた患者を担当します。退院に向け、長期間にわたり集中的にリハビリテーションを行うため、患者の回復を実感できる業務です。リハビリテーションだけではなく、家屋調査や福祉用具選び、介護サービスの調整といった、退院後の生活に向けた準備をサポートします。急性期病院と比べ、一緒に働く理学療法士の人数も多く、幅広いリハビリテーションの手法や知見を身につけられます。
・療養型病院
リハビリ対象者は、長期的な治療・療養または介護が必要な人です。主に高齢者のリハビリテーションを行います。機能を積極的に回復するのではなく、今の状態を保ち穏やかな生活を送れるようサポートする仕事です。一人ひとりの患者と長期的にかかわり、ターミナルケアに携わる場合もあります。
病院全体の共通点として、内科や脳神経科、心臓外科など幅広い科目の患者を担当する機会が多く、柔軟な対応が求められる点があげられます。
(3)クリニック
総合病院だけではなく、病床数が1〜19または病床を持たないクリニックでも理学療法士が活躍しています。日本理学療法士協会の統計では、2022年3月末時点のクリニックに勤務する理学療法士の数は10,766名と、病院についで2番目に多いという結果が報告されています。
クリニックは特定の診療科に特化している場合が多く、診療科によってリハビリテーションの内容やリハビリテーション対象者が異なります。ほとんどの理学療法士が整形外科に勤務しており、1日に担当する患者数が多いため、短時間でリハビリテーションを進める必要があります。その他、循環器内科・脳神経外科・小児科などでも、理学療法士の専門性を活かしたリハビリテーションが求められています。
(4)介護老人保健施設
介護認定を受けている高齢者に対し、在宅復帰を目指したリハビリテーションを行います。ケアマネージャーやソーシャルワーカーといった福祉職と連携し、入所者をサポートします。
施設と併設して、リハビリテーションセンターの事務所が設けられている場合、その利用者の対応を担当する場合もあるでしょう。
(5)リハビリテーションセンター
患者の在宅復帰や社会復帰を目指し、身体機能の回復を図る「医学的リハビリテーション」や通常の生活に戻る準備をする「社会的リハビリテーション」、仕事に復帰するための「職業的リハビリテーション」など、さまざまなリハビリテーションを包括的に提供します。
在宅復帰や社会復帰を目指し、医療機関や地域などとしっかり連携する必要がある職場です。
(6)通所介護(デイサービス)・通所リハビリテーション
介護認定を受けている高齢者に対し、現在の生活レベルを維持するためのリハビリテーションを提供する場合が多い職場です。
知的発達障害児を対象とした「放課後等デイサービス」では、子どもの身体能力の評価、脳の機能回復・発達能力の成長を促すリハビリテーションなどを担当します。
(7)訪問リハビリテーション
主に介護認定を受けている高齢者のうち通院が困難な人に対し、自宅を訪問してリハビリテーションを実施します。基本的に単独で訪問するため、高いリスク管理能力やトラブル対処能力が必要です。
(8)養成校の講師
理学療法士のニーズ拡大に伴い、育成を担う講師の人数も増加傾向にあります。主な業務は、養成校での授業・進路指導・生徒や保護者の相談対応・実習地訪問・国家試験対策です。
臨床現場で活躍する理学療法士とは異なり、指導能力や校外との折衝能力なども求められます。
(9)スポーツ関係
アスリートやスポーツ選手を対象に、スポーツによる外傷に対し、運動療法や物理療法をはじめとするスポーツリハビリテーションを行います。
スポーツチームに帯同し、選手のけがの処置やけが予防のためのコンディショニング、故障後の復帰に向けた身体づくりのサポートなどに携わります。
求人が少なく狭き門ではありますが、プロ野球チームやJリーグ、ナショナルチームと契約し、スポーツ業界の第一線で活躍する理学療法士もいます。一流選手から頼られるため、非常にやりがいが大きい仕事です。
(10)保健所・行政
保健所や行政で公務員として働く理学療法士もいます。保健所での主な仕事は、基本的なリハビリテーションの提供やリハビリ教室の開催です。他の職場ではあまりできない、地域の健康を守る仕事に携われます。
行政機関で働く場合は、介護福祉課・健康企画課・福祉政策課に所属し、地域住民へのリハビリテーションの提供などの支援や事業の立案、予算策定などを行います。
理学療法士が自分に合った就職先を探すために確認すべきポイントとは
理学療法士が自分に合った就職先を探すために、以下のようなポイントを意識しましょう。
(1)担当したいリハビリ対象者をイメージする
就職先によって担当するリハビリ対象者は大きく異なります。自分がどんなリハビリテーションをしたいのかをしっかり見極めることで、マッチする就職先を見つけやすくなります。就職先ではどのようなリハビリ対象が多いのか、あらかじめ確かめておきましょう。
(2)就職先の方針を知る
就職先の施設や上司の方針によって、実施するリハビリテーションの内容が異なるため、確認せずに入職するとミスマッチを起こす可能性があります。例えば、積極的に最先端の手法に取り組みたいのに施設の方針でできないといった場合は、やりたいことができずモチベーション低下につながりやすいでしょう。
(3)給与や待遇をしっかり確認する
給与・年間休日・手当・退職金の有無は、長く働き続けるうえで非常に重要です。仕事にやりがいを感じていたとしても、収入が低すぎるとモチベーションを保てず離職してしまう可能性があります。
(1)担当したいリハビリ対象者をイメージする
就職先によって担当するリハビリ対象者は大きく異なります。自分がどんなリハビリテーションをしたいのかをしっかり見極めることで、マッチする就職先を見つけやすくなります。就職先ではどのようなリハビリ対象が多いのか、あらかじめ確かめておきましょう。
(2)就職先の方針を知る
就職先の施設や上司の方針によって、実施するリハビリテーションの内容が異なるため、確認せずに入職するとミスマッチを起こす可能性があります。例えば、積極的に最先端の手法に取り組みたいのに施設の方針でできないといった場合は、やりたいことができずモチベーション低下につながりやすいでしょう。
(3)給与や待遇をしっかり確認する
給与・年間休日・手当・退職金の有無は、長く働き続けるうえで非常に重要です。仕事にやりがいを感じていたとしても、収入が低すぎるとモチベーションを保てず離職してしまう可能性があります。
理学療法士の就職先の選び方に影響するライフスタイルと価値観の整理
理学療法士が就職先を選ぶ際には、「どんなリハビリテーションをしたいか」だけでなく、自分自身の生活スタイルや大切にしている価値観も重要な判断軸となります。ここでは、職場選びにおける視点を広げるためのポイントをご紹介します。
「夜勤を避けたい」「家庭との両立を重視したい」といった希望がある場合、クリニックや訪問リハビリ、通所リハビリテーションなど、勤務時間が比較的安定した職場が向いているでしょう。一方、「スキルアップしたい」「専門性を高めたい」といった思いが強い方には、急性期病院や教育・研究機関、さらには企業勤務などが選択肢になります。
近年は、働き方改革の影響もあり、時短勤務やフレックスタイム制を取り入れる職場も登場しています。副業を認める職場も一部で見られ、これまで以上に柔軟な働き方を選べる時代になっています。
人によって「やりがい」を感じる瞬間は異なります。たとえば、「チームで協力しながら働くことが好き」という方は、多職種連携が活発な病院や老健施設などが向いているかもしれません。一方、「一人ひとりとじっくり向き合いたい」という方は、訪問リハビリや少人数制の施設がフィットする可能性があります。
日本理学療法士協会の調査(2021年度調査報告書)によると、理学療法士が職場選びで重視している条件は、「勤務地」「給与」「勤務時間」「人間関係」などが上位を占めています。こうした生活や価値観に密接に関わる項目が就職先の満足度に大きく影響することがわかります。
「どこで働くか」ではなく、「どう働きたいか」から逆算して考えることが、後悔のない職場選びのカギと言えるでしょう。
自分のライフスタイルに合う働き方を選ぶ
「夜勤を避けたい」「家庭との両立を重視したい」といった希望がある場合、クリニックや訪問リハビリ、通所リハビリテーションなど、勤務時間が比較的安定した職場が向いているでしょう。一方、「スキルアップしたい」「専門性を高めたい」といった思いが強い方には、急性期病院や教育・研究機関、さらには企業勤務などが選択肢になります。
近年は、働き方改革の影響もあり、時短勤務やフレックスタイム制を取り入れる職場も登場しています。副業を認める職場も一部で見られ、これまで以上に柔軟な働き方を選べる時代になっています。
「自分らしく働ける職場」を見つけるために
人によって「やりがい」を感じる瞬間は異なります。たとえば、「チームで協力しながら働くことが好き」という方は、多職種連携が活発な病院や老健施設などが向いているかもしれません。一方、「一人ひとりとじっくり向き合いたい」という方は、訪問リハビリや少人数制の施設がフィットする可能性があります。
データから見る傾向とまとめ
日本理学療法士協会の調査(2021年度調査報告書)によると、理学療法士が職場選びで重視している条件は、「勤務地」「給与」「勤務時間」「人間関係」などが上位を占めています。こうした生活や価値観に密接に関わる項目が就職先の満足度に大きく影響することがわかります。
「どこで働くか」ではなく、「どう働きたいか」から逆算して考えることが、後悔のない職場選びのカギと言えるでしょう。
理学療法士の「企業就職」や「一般企業」への転職はあり?注目の新しいキャリアパス
これまで理学療法士の就職先といえば、病院や福祉施設が中心でしたが、最近では一般企業への就職や異業種への転職といった、新しいキャリアの形も注目されています。
医療機器メーカーでは、理学療法士の専門知識を活かし、製品の開発や使用説明、学会・研修でのプレゼンテーションを行うポジションが存在します。製品開発チームに加わって臨床的な視点を提供したり、営業部門と連携して医療従事者への技術サポートを担うなど、医療現場とは異なるフィールドで活躍できます。
また、健康増進や予防医療を扱う企業、介護予防に特化したスタートアップ、フィットネス業界なども理学療法士の採用に積極的です。社内保健指導や、身体評価技術を活かしたプログラム設計など、職域の可能性は広がりを見せています。
「現場を離れるのはもったいない」と考える方もいますが、実際には臨床経験を活かして、より広い範囲で人々の健康や生活に関わることができます。プレゼン力、マネジメント力、ビジネス理解など、新しいスキルを身につけることで、より柔軟で将来性のあるキャリアが築けるでしょう。
企業勤務では、福利厚生や給与面が手厚いことも多く、長期的なライフプランにおいても安定性の高い選択肢となり得ます。
厚生労働省の「理学療法士・作業療法士養成施設調査」では、企業就職は全体のごく一部にとどまっていますが、近年は少しずつ増加傾向にあります。今後、リハビリテーション技術が医療現場を超えて広がるなかで、企業や地域社会での活躍の場はさらに広がっていくことが期待されます。
医療機器メーカーやヘルスケア企業での活躍
医療機器メーカーでは、理学療法士の専門知識を活かし、製品の開発や使用説明、学会・研修でのプレゼンテーションを行うポジションが存在します。製品開発チームに加わって臨床的な視点を提供したり、営業部門と連携して医療従事者への技術サポートを担うなど、医療現場とは異なるフィールドで活躍できます。
また、健康増進や予防医療を扱う企業、介護予防に特化したスタートアップ、フィットネス業界なども理学療法士の採用に積極的です。社内保健指導や、身体評価技術を活かしたプログラム設計など、職域の可能性は広がりを見せています。
臨床以外でも理学療法士のスキルは活かせる
「現場を離れるのはもったいない」と考える方もいますが、実際には臨床経験を活かして、より広い範囲で人々の健康や生活に関わることができます。プレゼン力、マネジメント力、ビジネス理解など、新しいスキルを身につけることで、より柔軟で将来性のあるキャリアが築けるでしょう。
企業勤務では、福利厚生や給与面が手厚いことも多く、長期的なライフプランにおいても安定性の高い選択肢となり得ます。
一般企業で働く理学療法士は少数派だが、確実に増加傾向
厚生労働省の「理学療法士・作業療法士養成施設調査」では、企業就職は全体のごく一部にとどまっていますが、近年は少しずつ増加傾向にあります。今後、リハビリテーション技術が医療現場を超えて広がるなかで、企業や地域社会での活躍の場はさらに広がっていくことが期待されます。
まとめ
理学療法士が就職先を選ぶ際には、「どんなリハビリテーションをしたいか」だけでなく、自分自身の生活スタイルや大切にしている価値観も重要な判断軸となります。ここでは、職場選びにおける視点を広げるためのポイントをご紹介します。
自分のライフスタイルに合う働き方を選ぶ
「夜勤を避けたい」「家庭との両立を重視したい」といった希望がある場合、クリニックや訪問リハビリ、通所リハビリテーションなど、勤務時間が比較的安定した職場が向いているでしょう。一方、「スキルアップしたい」「専門性を高めたい」といった思いが強い方には、急性期病院や教育・研究機関、さらには企業勤務などが選択肢になります。
近年は、働き方改革の影響もあり、時短勤務やフレックスタイム制を取り入れる職場も登場しています。副業を認める職場も一部で見られ、これまで以上に柔軟な働き方を選べる時代になっています。
「自分らしく働ける職場」を見つけるために
人によって「やりがい」を感じる瞬間は異なります。たとえば、「チームで協力しながら働くことが好き」という方は、多職種連携が活発な病院や老健施設などが向いているかもしれません。一方、「一人ひとりとじっくり向き合いたい」という方は、訪問リハビリや少人数制の施設がフィットする可能性があります。
データから見る傾向とまとめ
日本理学療法士協会の調査(2021年度調査報告書)によると、理学療法士が職場選びで重視している条件は、「勤務地」「給与」「勤務時間」「人間関係」などが上位を占めています。こうした生活や価値観に密接に関わる項目が就職先の満足度に大きく影響することがわかります。
「どこで働くか」ではなく、「どう働きたいか」から逆算して考えることが、後悔のない職場選びのカギと言えるでしょう。
これまで理学療法士の就職先といえば、病院や福祉施設が中心でしたが、最近では一般企業への就職や異業種への転職といった、新しいキャリアの形も注目されています。
医療機器メーカーやヘルスケア企業での活躍
医療機器メーカーでは、理学療法士の専門知識を活かし、製品の開発や使用説明、学会・研修でのプレゼンテーションを行うポジションが存在します。製品開発チームに加わって臨床的な視点を提供したり、営業部門と連携して医療従事者への技術サポートを担うなど、医療現場とは異なるフィールドで活躍できます。
また、健康増進や予防医療を扱う企業、介護予防に特化したスタートアップ、フィットネス業界なども理学療法士の採用に積極的です。社内保健指導や、身体評価技術を活かしたプログラム設計など、職域の可能性は広がりを見せています。
臨床以外でも理学療法士のスキルは活かせる
「現場を離れるのはもったいない」と考える方もいますが、実際には臨床経験を活かして、より広い範囲で人々の健康や生活に関わることができます。プレゼン力、マネジメント力、ビジネス理解など、新しいスキルを身につけることで、より柔軟で将来性のあるキャリアが築けるでしょう。
企業勤務では、福利厚生や給与面が手厚いことも多く、長期的なライフプランにおいても安定性の高い選択肢となり得ます。
一般企業で働く理学療法士は少数派だが、確実に増加傾向
厚生労働省の「理学療法士・作業療法士養成施設調査」では、企業就職は全体のごく一部にとどまっていますが、近年は少しずつ増加傾向にあります。今後、リハビリテーション技術が医療現場を超えて広がるなかで、企業や地域社会での活躍の場はさらに広がっていくことが期待されます。

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