「もっと給料を上げたい」「働きやすい職場で仕事をしたい」など、転職を考えている看護師も多いのではないでしょうか。

転職は看護師のキャリアにおいて大きな分岐点です。転職を成功させるコツを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

看護師が転職を成功させるには、おさえておくべきポイントがあります。ここでは、特に重要な点を6つご紹介します。

（1）転職理由を明確にする
転職活動をする際には、なぜ今の職場を辞めたいのか、どういった職場が自分に合っているのかをしっかり分析しましょう。

「なんとなく今の職場が嫌だから」など転職理由が曖昧だと、職場選びの基準がブレやすく、いざ入職後にミスマッチに気づく場合も少なくありません。

転職理由を明確にするには、今の職場で何が不満なのか、どんな職場であればその不満を解消できるかを書き出し、転職先に求める条件をピックアップして優先順位をつけるのをおすすめします。

（2）自分のスキルや適性を知る
病院の規模や方針などによって、看護師に求められるスキルや適性はさまざまです。例えば、大病院の救急病棟であればスピードと正確さが重要ですが、長期療養病棟や介護施設などではじっくり患者と信頼関係を築ける力が求められます。

また、自分のスキルよりも遥かに難易度が高い看護が必要な職場に転職してしまうと、ついていけない可能性もあります。

自分の適性やスキルをしっかり見極めるのが、転職成功のポイントです。

（3）複数の転職サイトで求人をチェックする
自分に合った転職先を探す際は、なるべく多くの求人を比較・検討することが大切です。転職サイトによって、掲載されている求人が異なるので、複数の転職サイトをチェックするのをおすすめします。

また、同じ求人でも転職サイトによってはより詳しい内容が記載されている場合もあるので、応募先の情報収集にもなります。

なかでも医療業界専門の転職サイトや大手転職サイトは、看護師の求人が多く掲載されているので、転職活動を始めたらすぐに登録するとよいでしょう。

（4）求人情報を徹底的にチェックする
求人情報を見る際は、勤務条件を細かくチェックするようにしましょう。見落としがちな項目について、下記にまとめました。

・給与の内訳
月収の額面だけを見ると高収入に思えても、実は残業手当が含まれており基本給は低いといった場合があります。基本給・手当・残業代など、給与の内訳を確認することで、ミスマッチを防げます。

・週休2日制と完全週休2日制は違う
週休2日と記載されていると毎週必ず2日休めると思いがちですが、実は月に1回以上休日が2日あることを指します。毎週必ず2日休める場合は、完全週休2日制といいます。

また、祝日や年末年始、お盆、GWにどのくらい休めるのかも重要な要素なので、年間休日をしっかり確認するようにしましょう。

・賞与は実績までチェックする
「賞与年2回」と記載されていても、金額はわかりませんし、必ず支給されるのかも不明です。実際に年何回支給されているのか、どのくらいの支給額なのか、支給される条件があるのかもしっかり確認しましょう。

・定着率や勤続年数をチェックする
人間関係や雰囲気は外部からは分かりにくいですが、定着率や勤続年数からある程度推測できます。看護師の定着率が高く、勤続年数が長い職場は、環境が良く働きやすい傾向にあります。給料や条件が良くても定着率が低く、短期離職をする看護師が多い職場は、人間関係などなんらかの問題がある可能性が高いでしょう。

(5)内定承諾前に雇用条件を確認する
いざ入職したら、求人情報や面接で聞いていた条件と実態が違ったというトラブルは少なくありません。内定が出たら、承諾前に必ず雇用条件を確認しましょう。

採用通知書や雇用契約書には、雇用条件が明記されているはずです。給与額や内訳、休日数、勤務時間など細部まで確認し、納得したうえで内定を承諾します。

もし、求人情報や面接時に聞いていた内容と齟齬があれば、クリアにしてから入職を決めましょう。

(6)職場見学で相性を見極める
職場の雰囲気を実際に確認せずに転職してしまうと、ミスマッチを起こす可能性があります。できる限り職場見学をして、自分の目で病院の雰囲気を確かめましょう。

看護師や他の職員の対応や患者とのコミュニケーションの取り方、病院の清掃が行き届いているかなど、現地に行くことで自分との相性を見極められます。

転職を成功させるには、失敗につながる行動を避けることも大切です。よくあるNG行動は以下の通りです。

（1）転職先が決まる前に仕事を辞めてしまう
転職先が決まる前に仕事を辞めてしまうと、次の職場が決まるまで収入が途絶え、経済的な不安から転職に焦りを感じやすくなります。

転職を焦って、条件の良くないところに妥協して転職したり、環境や条件を充分に確かめずに内定が出たところに飛びついたりすると、職場選びに失敗する可能性が高くなります。

特に学校を卒業して1年目の場合、失業保険の支給対象にならないことがほとんどです。今の職場で心身の健康が脅かされる場合以外は、働きながら転職活動をするとよいでしょう。

(2)職場の人に転職について相談してしまう
信頼できる相手であっても、職場の人に転職について相談するのは避けましょう。職場に転職の噂が広がり居心地が悪くなる、上司に伝わって引き止めにあうなどのリスクがあります。

転職の意向は転職先が決定してからなるべく早めに、直属の上司に報告するとスムーズに退職できるでしょう。

看護師のニーズは高く、事務職などと比べると転職しやすい傾向にあります。しかし、給料が高い、職場環境が良いなど人気の医療機関の場合、他の応募者との競争に勝ち抜かなければいけません。ここでは、選考を通過するためのコツをご紹介します。

（1）応募書類をしっかり書く
いくらスキルや人柄が素晴らしくても、応募書類がイマイチだと面接に進めない可能性があります。誤字・脱字をしないなどの基本的なマナーをおさえたうえで、「会ってみたい」と思わせるのがポイントです。

志望動機は、なぜその職場で働きたいのかを具体的な経験を交えて書くなど、説得力の高い内容を意識しましょう。また、自己PRは、自分のスキルや意欲が応募先でどのように活かせるのかを意識すると好印象を与えられます。

（2）面接対策をする
転職活動で内定をもらうには、面接での自己アピールが大切です。「なぜこの病院を選んだのか」「前職を退職したのはなぜか」といった、定番の質問への回答を事前に考えておくとスムーズです。

志望動機については、応募先の理念や特色を意識して話すと好印象を与えられます。また、前職を退職した理由については、職場を批判せずに「新しい仕事に挑戦したい」などポジティブな面を強調しましょう。

看護師が転職を成功させるには、転職スキルを明確にする、自分のスキルや適性を知るなどのコツがあります。また、転職先が決まる前に仕事を辞めたり、同じ職場の人に相談したりすると失敗の原因となるので要注意です。

内定をもらうためには、応募書類対策や面接対策をしっかりする必要があります。もし、対策が難しい場合は、医療業界に特化した転職サイトでノウハウを学ぶか、医療業界専門のエージェントを利用して書類の添削や面接の練習をしてもらうとよいでしょう。