医療機器業界の課題と今後の発展や転職市場について解説します
2022/10/03
2024/12/03
転職をするうえで、必ずチェックしておきたいのが志望業界の市場規模や将来の展望です。働いている業界の市場規模や将来性によって、同等のスキルを持った人材でも、給料などの待遇や雇用の安定性が大きく左右されます。
この記事では、医療機器業界の市場規模や将来の展望について徹底解説します。医療機器業界への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事では、医療機器業界の市場規模や将来の展望について徹底解説します。医療機器業界への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
日本における医療機器の市場規模は3兆円以上!成長し続ける理由とは
日本における医療機器の動向について解説します。
(1)そもそも医療機器とは何を指すの?
医療機器というと、MRIなどの大きな装置や機械を思い浮かべる方も多いかもしれません。実は医療機器は、MRIやCTといった診断機器から、カテーテルなどの治療機器、ガーゼ・包帯といった消耗品まで、医療現場で使用されるさまざまなものを指します。
医療機器の定義は、医薬品医療機器等法で「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等」とされています。
医療機器の分類方法はさまざまですが、大きく3つに分けると「診断機器」「治療機器」「その他医療機器」の3種類です。それぞれ代表的な医療機器をご紹介します。
・診断機器:CT・MRI・内視鏡などなど
・治療機器:カテーテル・ペースメーカーなど
・その他医療機器:コンタクトレンズ・家庭用体温計など
(2)日本における医療機器の市場規模
経済産業省の調査によると、日本における医療機器の市場規模は、2017年時点で約3兆円にのぼります。2004年以降、前年度比でマイナスの年もありましたが、基本的に右肩上がりの成長を続けてきました。平均600億円ペースで毎年成長を続けており、市場規模は年々拡大しています。
医療機器市場における、金額ベースでの診断機器・治療機器・その他医療機器の割合は、治療機器が最も多く59%(17,217億円)、その他医療機器が21%(6,177億円)、診断機器が20%(5,633億円)です。平均成長率は、治療機器が4.3%、その他医療機器が2.30%、診断機器が0.17%です。
上記より、治療機器の成長率が高く、市場規模も大きいことがわかります。しかし、治療機器は輸入比率が高めであることから、まだまだ成長の余地はあるといえるでしょう。
(3)日本の医療機器市場が成長している理由とは
日本の医療機器市場が成長している主な理由は、少子高齢化です。年齢を重ねると、病気やケガ、不調などが出やすくなり、医療機関を利用する人が増加し、それに伴い医療機器を使用する機会も増えます。
また、少子化の結果、赤ちゃんや子どもの健康をこれまで以上に守るために、より優れた医療機器が開発されています。
このように、少子高齢社会は、医療機器のニーズが高い社会といえます。
(1)そもそも医療機器とは何を指すの?
医療機器というと、MRIなどの大きな装置や機械を思い浮かべる方も多いかもしれません。実は医療機器は、MRIやCTといった診断機器から、カテーテルなどの治療機器、ガーゼ・包帯といった消耗品まで、医療現場で使用されるさまざまなものを指します。
医療機器の定義は、医薬品医療機器等法で「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等」とされています。
医療機器の分類方法はさまざまですが、大きく3つに分けると「診断機器」「治療機器」「その他医療機器」の3種類です。それぞれ代表的な医療機器をご紹介します。
・診断機器:CT・MRI・内視鏡などなど
・治療機器:カテーテル・ペースメーカーなど
・その他医療機器:コンタクトレンズ・家庭用体温計など
(2)日本における医療機器の市場規模
経済産業省の調査によると、日本における医療機器の市場規模は、2017年時点で約3兆円にのぼります。2004年以降、前年度比でマイナスの年もありましたが、基本的に右肩上がりの成長を続けてきました。平均600億円ペースで毎年成長を続けており、市場規模は年々拡大しています。
医療機器市場における、金額ベースでの診断機器・治療機器・その他医療機器の割合は、治療機器が最も多く59%(17,217億円)、その他医療機器が21%(6,177億円)、診断機器が20%(5,633億円)です。平均成長率は、治療機器が4.3%、その他医療機器が2.30%、診断機器が0.17%です。
上記より、治療機器の成長率が高く、市場規模も大きいことがわかります。しかし、治療機器は輸入比率が高めであることから、まだまだ成長の余地はあるといえるでしょう。
(3)日本の医療機器市場が成長している理由とは
日本の医療機器市場が成長している主な理由は、少子高齢化です。年齢を重ねると、病気やケガ、不調などが出やすくなり、医療機関を利用する人が増加し、それに伴い医療機器を使用する機会も増えます。
また、少子化の結果、赤ちゃんや子どもの健康をこれまで以上に守るために、より優れた医療機器が開発されています。
このように、少子高齢社会は、医療機器のニーズが高い社会といえます。
世界における医療機器市場の動向って?日本の競争力はどのくらいなの?
続いて世界の医療機器市場と、日本の競争力について解説します。
(1)世界における医療機器市場の動向とは
世界における医療機器市場の規模は、2020年時点で約4500億米ドル、日本円にして約50兆円以上です。2015年時点では、約40兆円だったので世界的に見ても、大きく成長しているのがわかります。
2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、外来患者が受診を控え、緊急性のない治療を延期した影響で、一時的に売上が落ち込みました。
しかし、先進国の少子高齢化や、新興国での医療機器ニーズの拡大により、今後も成長傾向は続く可能性が高いでしょう。
世界展開している医療機器メーカーの売上高ランキングは、上位をほぼ欧米企業が独占しています。2020年の世界シェア上位3社は、1位が「米国メドトロニック」、2位が「ジョンソン&ジョンソン」、3位が「サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック」です。
米国メドトロニックだけで、2020年の収益は約300億米ドルなので、日本市場と比べると、外資系企業の規模の大きさは相当なものです。
(2)日本の競争力はどのくらい?
先ほどご紹介した通り、世界の医療機器メーカーの売上高ランキングの上位は、ほぼ欧米企業で占められています。
また、日本国内においても医療機器は成長市場であるものの、輸出入額を見ると、2018年時点で、約9,529億円の輸入超過です。
さらに2014年時点での主な医療機器における日系企業の世界シェアは、下記の通りです。
<診断機器>
・軟性内視鏡:98.0%
・超音波画像診断装置:24.0%
・MRI:31.9%
<治療機器>
・放射線治療装置:2.6%
・血管ステント:1.2%
・人工関節:0%
診断機器に関してはある程度の国際競争力があり、特に軟性内視鏡においては98.0%と圧倒的なシェアを誇っています。しかし、治療機器に関しては圧倒的に外資系のシェアが高く、国際競争力は弱いといえます。
世界市場でシェア上位のグローバル大手企業は、治療機器やデジタル技術を活用した医療機器へ注力していると言われています。日本企業は、それらの分野で遅れをとっており、今後の課題となるでしょう。
(1)世界における医療機器市場の動向とは
世界における医療機器市場の規模は、2020年時点で約4500億米ドル、日本円にして約50兆円以上です。2015年時点では、約40兆円だったので世界的に見ても、大きく成長しているのがわかります。
2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、外来患者が受診を控え、緊急性のない治療を延期した影響で、一時的に売上が落ち込みました。
しかし、先進国の少子高齢化や、新興国での医療機器ニーズの拡大により、今後も成長傾向は続く可能性が高いでしょう。
世界展開している医療機器メーカーの売上高ランキングは、上位をほぼ欧米企業が独占しています。2020年の世界シェア上位3社は、1位が「米国メドトロニック」、2位が「ジョンソン&ジョンソン」、3位が「サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック」です。
米国メドトロニックだけで、2020年の収益は約300億米ドルなので、日本市場と比べると、外資系企業の規模の大きさは相当なものです。
(2)日本の競争力はどのくらい?
先ほどご紹介した通り、世界の医療機器メーカーの売上高ランキングの上位は、ほぼ欧米企業で占められています。
また、日本国内においても医療機器は成長市場であるものの、輸出入額を見ると、2018年時点で、約9,529億円の輸入超過です。
さらに2014年時点での主な医療機器における日系企業の世界シェアは、下記の通りです。
<診断機器>
・軟性内視鏡:98.0%
・超音波画像診断装置:24.0%
・MRI:31.9%
<治療機器>
・放射線治療装置:2.6%
・血管ステント:1.2%
・人工関節:0%
診断機器に関してはある程度の国際競争力があり、特に軟性内視鏡においては98.0%と圧倒的なシェアを誇っています。しかし、治療機器に関しては圧倒的に外資系のシェアが高く、国際競争力は弱いといえます。
世界市場でシェア上位のグローバル大手企業は、治療機器やデジタル技術を活用した医療機器へ注力していると言われています。日本企業は、それらの分野で遅れをとっており、今後の課題となるでしょう。
将来的に医療機器業界はどうなるの?詳しく解説します
医療機器の国内市場と世界市場、どちらも将来にわたり成長傾向が進むと考えられます。医療機器業界が伸びると予測される主な要因について解説します。
(1)デジタルヘルス化が進む
デジタルヘルス化とは、人工知能やチャットボット、IoT、ウェアラブルデバイス、ビッグデータ解析、仮想現実(VR)など、最先端のデジタル技術を応用し、医療や健康管理の質を高めることを指します。
例えば、腕時計型など身につけられるタイプのウェアラブルデバイスにより、血圧や心拍数をはじめとするデータをクラウド上で送り、データ解析により病気の発見に利用する動きが広がっています。
デジタル技術を使うことで、時間や場所そして、処理能力の制約が少なくなり、より多くの人に質の高い医療を提供できる可能性があります。
デジタル技術を活用した医療機器のニーズは、今後ますます拡大していくでしょう。
(2)グローバル化が進む
日本などの先進国は、少子高齢化が進み、今後人口が減少していくと考えられます。人口が減少すると、医療機器市場も縮小していくと思われがちですが、世界的に見るとそうではありません。
これまで医療機器のニーズが少なかった新興国でのニーズが高まるからです。新興国は今後も人口増の傾向が続く可能性が高いので、国内市場だけではなく、グローバル市場に進出することで、売上を伸ばす医療機器メーカーが増えるでしょう。
(1)デジタルヘルス化が進む
デジタルヘルス化とは、人工知能やチャットボット、IoT、ウェアラブルデバイス、ビッグデータ解析、仮想現実(VR)など、最先端のデジタル技術を応用し、医療や健康管理の質を高めることを指します。
例えば、腕時計型など身につけられるタイプのウェアラブルデバイスにより、血圧や心拍数をはじめとするデータをクラウド上で送り、データ解析により病気の発見に利用する動きが広がっています。
デジタル技術を使うことで、時間や場所そして、処理能力の制約が少なくなり、より多くの人に質の高い医療を提供できる可能性があります。
デジタル技術を活用した医療機器のニーズは、今後ますます拡大していくでしょう。
(2)グローバル化が進む
日本などの先進国は、少子高齢化が進み、今後人口が減少していくと考えられます。人口が減少すると、医療機器市場も縮小していくと思われがちですが、世界的に見るとそうではありません。
これまで医療機器のニーズが少なかった新興国でのニーズが高まるからです。新興国は今後も人口増の傾向が続く可能性が高いので、国内市場だけではなく、グローバル市場に進出することで、売上を伸ばす医療機器メーカーが増えるでしょう。
医療機器業界への転職ってどうなの?市場規模・動向から考察
将来的にも医療機器業界は、成長傾向が続くとみられるので、景気の変動に左右されない業界で働きたい方にとっては、よい選択といえるでしょう。
世界的に見ると外資系企業の競争力が強いため、特に治療機器に携わりたい方は、外資系企業を選択するのもおすすめです。
さらに、今後のデジタルヘルス化やグローバル化を見据え、転職先の企業がその点で優れているかをチェックするのも大切です。
転職活動の際は、これらの動向を考慮して、将来的に有望な企業を選ぶのが大切です。医療業界専門の転職サイトであれば、大手外資系企業から、これから大きな成長が期待されるベンチャー企業まで、さまざまな医療機器メーカーの求人が見つかります。
世界的に見ると外資系企業の競争力が強いため、特に治療機器に携わりたい方は、外資系企業を選択するのもおすすめです。
さらに、今後のデジタルヘルス化やグローバル化を見据え、転職先の企業がその点で優れているかをチェックするのも大切です。
転職活動の際は、これらの動向を考慮して、将来的に有望な企業を選ぶのが大切です。医療業界専門の転職サイトであれば、大手外資系企業から、これから大きな成長が期待されるベンチャー企業まで、さまざまな医療機器メーカーの求人が見つかります。
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