医療機器メーカーの薬事担当ってどんな仕事?必要なスキルとは
2022/10/07
2022/10/07
医療機器や医薬品を販売するには、必ず薬事申請が必要です。薬事担当は、薬事申請などを行う専門職で、医療機器メーカーのビジネスに欠かせないポジションといえます。
この記事では、医療機器メーカーにおける薬事担当の仕事内容や必要スキルをご紹介します。
この記事では、医療機器メーカーにおける薬事担当の仕事内容や必要スキルをご紹介します。
医療機器メーカーの薬事担当の仕事内容とは?専門性の高さが特徴
医療機器メーカーの薬事担当の仕事内容、メイン業務である薬事申請の流れ、待遇などを紹介します。
(1)薬事担当の仕事内容とは
医療機器メーカーの薬事担当の仕事を一言で表すと、製造・販売・承認申請のための取りまとめ役です。
医療機器や医薬品は、人の生命や健康に深く関わるため、自由に販売することはできません。日本国内向けであれば厚生労働省、海外向けであればFDA(アメリカ食品医薬品局)、EMA(欧州医薬品庁)といった医療機器や医薬品を審査する役割を持つ機関へ申請し、承認を得る必要があります。
必要な書類やデータをまとめ、科学的かつ整合性のある書類作成ができているかチェックします。また、これまでの申請事例にもとづく、承認をスムーズに取得するための助言も薬事担当の役割です。社内外と調整しながら承認取得までトータルに携わります。
(2)薬事申請の流れ
薬事申請のおおまかな流れをご紹介します。
【1】申請書を提出する
薬事担当者が、申請にあたり必要な情報を科学的に記載した書類を、厚生労働省に提出します。
申請に必要な情報は、医療機器の必要性や開発経緯、どのような治験や非臨床試験を行ったかとその結果、品質管理方法、生体における安全性・有効性などです。
【2】審査専門員と面談する
都道府県や第三者認証機関が専門家を集めてつくった審査チームと、申請した薬事担当者が面談。提出した書類や資料、試験が信頼できるものなのかを調査して評価を行います。
【3】医療機器の製品製造所の調査
製造所の調査とは、医療機器を製造する工場などが、製造の供給能力を持っているか、適切な品質管理を行っているかを確認するためのものです。
外部の専門家との協議をもとに、問題点などをまとめます。
【4】承認取得
すべてのプロセスで問題がないと判断された場合、厚生労働大臣との薬事・食品衛生審議会の諮問・答申を経て、承認を取得できます。
もし、問題点があれば、クリアするためのアドバイスをもらい、解消を目指します。申請から承認までは、スムーズに進んだとしても約半年程度。書類に不備があるといった問題が生じると、再審査が必要となり、さらに日数がかかります。
全てのプロセスを安全性と科学的根拠を重視し、書類の不備等の問題が起きないようにすることが重要です。その結果、時間やコストを削減でき、販売までの時間がかかることによるビジネスチャンスのロスも防げます。
社内外と連携を取りながら、いかにスムーズに薬事申請を終えるかが、薬事担当者の腕のみせどころです。
(1)薬事担当の仕事内容とは
医療機器メーカーの薬事担当の仕事を一言で表すと、製造・販売・承認申請のための取りまとめ役です。
医療機器や医薬品は、人の生命や健康に深く関わるため、自由に販売することはできません。日本国内向けであれば厚生労働省、海外向けであればFDA(アメリカ食品医薬品局)、EMA(欧州医薬品庁)といった医療機器や医薬品を審査する役割を持つ機関へ申請し、承認を得る必要があります。
必要な書類やデータをまとめ、科学的かつ整合性のある書類作成ができているかチェックします。また、これまでの申請事例にもとづく、承認をスムーズに取得するための助言も薬事担当の役割です。社内外と調整しながら承認取得までトータルに携わります。
(2)薬事申請の流れ
薬事申請のおおまかな流れをご紹介します。
【1】申請書を提出する
薬事担当者が、申請にあたり必要な情報を科学的に記載した書類を、厚生労働省に提出します。
申請に必要な情報は、医療機器の必要性や開発経緯、どのような治験や非臨床試験を行ったかとその結果、品質管理方法、生体における安全性・有効性などです。
【2】審査専門員と面談する
都道府県や第三者認証機関が専門家を集めてつくった審査チームと、申請した薬事担当者が面談。提出した書類や資料、試験が信頼できるものなのかを調査して評価を行います。
【3】医療機器の製品製造所の調査
製造所の調査とは、医療機器を製造する工場などが、製造の供給能力を持っているか、適切な品質管理を行っているかを確認するためのものです。
外部の専門家との協議をもとに、問題点などをまとめます。
【4】承認取得
すべてのプロセスで問題がないと判断された場合、厚生労働大臣との薬事・食品衛生審議会の諮問・答申を経て、承認を取得できます。
もし、問題点があれば、クリアするためのアドバイスをもらい、解消を目指します。申請から承認までは、スムーズに進んだとしても約半年程度。書類に不備があるといった問題が生じると、再審査が必要となり、さらに日数がかかります。
全てのプロセスを安全性と科学的根拠を重視し、書類の不備等の問題が起きないようにすることが重要です。その結果、時間やコストを削減でき、販売までの時間がかかることによるビジネスチャンスのロスも防げます。
社内外と連携を取りながら、いかにスムーズに薬事申請を終えるかが、薬事担当者の腕のみせどころです。
医療機器メーカーの薬事担当に求められるスキルとは?
医療機器メーカーの薬事担当に求められるスキルは主に以下の通りです。
(1)医療機器における薬事業務の実務経験
薬事申請をスムーズに進めるためには、製品や法律の知識に加え、豊富な実務経験が必要です。そのため、薬事経験を必須としている企業が多いのが現状です。5年以上の実務経験があれば、スペシャリストとして優遇される傾向にあります。
(2)臨床開発の経験
薬事担当の多くは、研究開発現場から社内異動で薬事担当になるケースが非常に多いと言われています。転職の場合も、研究開発経験があればポテンシャルがあると判断され、応募可能な場合があります。
(3)英語スキル
外資系医療機器メーカーに勤務する場合はもちろん、日本の医療機器メーカーに勤務する場合も、英語スキルは非常に重要です。現在、医療機器業界はグローバル化が進んでおり、海外で開発・販売承認を得る必要性が増しています。
薬事担当は、通常のビジネス英会話やライティングだけではなく、現地の医療機器に関する法律や申請方法を理解し、ときには承認を行う機関と交渉しなければいけません。法律用語や医療系の用語への理解が求められるので、英語の勉強は必須です。
(4)交渉力
薬事申請は、的確で根拠のしっかりした書類を作成するスキルと同じくらい、交渉力が必要です。承認が得られなかった場合は、理由を確かめ承認を得られるよう改善しなければいけません。承認されない理由や、改善ポイントを該当機関からしっかりヒアリングする、社内の関係部署に協力を仰ぐなど、交渉力の問われる場面は多いです。
(1)医療機器における薬事業務の実務経験
薬事申請をスムーズに進めるためには、製品や法律の知識に加え、豊富な実務経験が必要です。そのため、薬事経験を必須としている企業が多いのが現状です。5年以上の実務経験があれば、スペシャリストとして優遇される傾向にあります。
(2)臨床開発の経験
薬事担当の多くは、研究開発現場から社内異動で薬事担当になるケースが非常に多いと言われています。転職の場合も、研究開発経験があればポテンシャルがあると判断され、応募可能な場合があります。
(3)英語スキル
外資系医療機器メーカーに勤務する場合はもちろん、日本の医療機器メーカーに勤務する場合も、英語スキルは非常に重要です。現在、医療機器業界はグローバル化が進んでおり、海外で開発・販売承認を得る必要性が増しています。
薬事担当は、通常のビジネス英会話やライティングだけではなく、現地の医療機器に関する法律や申請方法を理解し、ときには承認を行う機関と交渉しなければいけません。法律用語や医療系の用語への理解が求められるので、英語の勉強は必須です。
(4)交渉力
薬事申請は、的確で根拠のしっかりした書類を作成するスキルと同じくらい、交渉力が必要です。承認が得られなかった場合は、理由を確かめ承認を得られるよう改善しなければいけません。承認されない理由や、改善ポイントを該当機関からしっかりヒアリングする、社内の関係部署に協力を仰ぐなど、交渉力の問われる場面は多いです。
医療機器メーカーの薬事担当の給料&やりがいを紹介
医療機器メーカーの薬事担当は、高度なスキルを求められる専門職です。専門性が高い分、給料が高く、やりがいも大きい傾向にあります。
(1)年収1000万円以上も充分に目指せる
薬事担当は、製品や法律の知識や実務経験、英語力、交渉力など、多くのスキルが求められます。そのため、年収も600~1000万円ほどと高額になります。
特に外資系企業の薬事担当は、成果を出せば年収1000万円を超える場合もあります。実務経験が豊富な場合は、転職で給料アップを目指すのもよいでしょう。
(2)薬事担当者の仕事のやりがい
・多くの人に役立つ製品を世に送り出せる
医療機器を取り扱うため、自分の携わった製品が多くの人を救っているという実感が持てます。これまで治療が難しかった病気も新しい医療機器により、治るケースも少なくありません。人々の健康を守るサポートができ、誇らしいと感じられます。
・難しい仕事をクリアする達成感
薬事担当は、薬事申請をトータルで取りまとめます。ときには、何度も再審査になり、非常に苦労するケースもあるでしょう。その分、時間と労力をかけ、無事に申請が通ったときは、大きな達成感が得られます。
(1)年収1000万円以上も充分に目指せる
薬事担当は、製品や法律の知識や実務経験、英語力、交渉力など、多くのスキルが求められます。そのため、年収も600~1000万円ほどと高額になります。
特に外資系企業の薬事担当は、成果を出せば年収1000万円を超える場合もあります。実務経験が豊富な場合は、転職で給料アップを目指すのもよいでしょう。
(2)薬事担当者の仕事のやりがい
・多くの人に役立つ製品を世に送り出せる
医療機器を取り扱うため、自分の携わった製品が多くの人を救っているという実感が持てます。これまで治療が難しかった病気も新しい医療機器により、治るケースも少なくありません。人々の健康を守るサポートができ、誇らしいと感じられます。
・難しい仕事をクリアする達成感
薬事担当は、薬事申請をトータルで取りまとめます。ときには、何度も再審査になり、非常に苦労するケースもあるでしょう。その分、時間と労力をかけ、無事に申請が通ったときは、大きな達成感が得られます。
薬事担当の将来性とは?考えられるキャリアパスを紹介
医療機器業界は、少子高齢化に伴い、世界的に成長傾向にあります。医療機器ビジネスをするうえで、薬事担当の存在は欠かせません。
薬事担当は経験が重視されるため、長期的に安定した雇用が望め、高いスキルがあれば転職先を探しやすい職種です。
今後はますます医療機器業界のグローバル化が進むと考えられるため、英語に堪能な人材は特に必要とされるでしょう。
キャリアパスとしては、大きく「薬事ジェネラリスト」と「薬事スペシャリスト」に分かれます。
(1)薬事ジェネラリスト
比較的小規模の医療機器メーカーの薬事担当は、さまざまな製品の薬事申請や品質保証に携わるため、ジェネラリストとしてキャリアを積む場合が多いです。
社員数が少ない分、ステップアップのチャンスも多く、管理職として活躍する薬事担当も多いと言われています。会社全体を見て仕事する機会が多いため、将来的には経営陣として活躍する薬事担当もいます。
(2)薬事スペシャリスト
大手医療機器メーカーに勤務する場合は、特定の専門分野を担当するケースが多いでしょう。特定分野に精通した薬事担当を求める企業は多く、転職活動で有利です。特に高度管理医療機器は薬事申請の難易度が高く、豊富な経験があれば高く評価されます。
ただし、マネジメントスキルを伸ばす機会があまりないため、経営陣としての活躍は難しいといえます。
【まとめ】
医療機器メーカーの薬事担当は、非常に高いスキルを求められ、求人の多くは薬事業務の経験を必須条件にあげています。ただし、薬事業務経験がなくても、研究開発の実務経験があればOKとしている医療機器メーカーもあります。
薬事担当は専門性が非常に高い職種で、一般的な職業よりも求人数は少なめです。幅広い職種の求人が掲載されている転職サイトよりも、医療業界に特化した転職サイトの方が求人を見つけやすいでしょう。
薬事担当は経験が重視されるため、長期的に安定した雇用が望め、高いスキルがあれば転職先を探しやすい職種です。
今後はますます医療機器業界のグローバル化が進むと考えられるため、英語に堪能な人材は特に必要とされるでしょう。
キャリアパスとしては、大きく「薬事ジェネラリスト」と「薬事スペシャリスト」に分かれます。
(1)薬事ジェネラリスト
比較的小規模の医療機器メーカーの薬事担当は、さまざまな製品の薬事申請や品質保証に携わるため、ジェネラリストとしてキャリアを積む場合が多いです。
社員数が少ない分、ステップアップのチャンスも多く、管理職として活躍する薬事担当も多いと言われています。会社全体を見て仕事する機会が多いため、将来的には経営陣として活躍する薬事担当もいます。
(2)薬事スペシャリスト
大手医療機器メーカーに勤務する場合は、特定の専門分野を担当するケースが多いでしょう。特定分野に精通した薬事担当を求める企業は多く、転職活動で有利です。特に高度管理医療機器は薬事申請の難易度が高く、豊富な経験があれば高く評価されます。
ただし、マネジメントスキルを伸ばす機会があまりないため、経営陣としての活躍は難しいといえます。
【まとめ】
医療機器メーカーの薬事担当は、非常に高いスキルを求められ、求人の多くは薬事業務の経験を必須条件にあげています。ただし、薬事業務経験がなくても、研究開発の実務経験があればOKとしている医療機器メーカーもあります。
薬事担当は専門性が非常に高い職種で、一般的な職業よりも求人数は少なめです。幅広い職種の求人が掲載されている転職サイトよりも、医療業界に特化した転職サイトの方が求人を見つけやすいでしょう。
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