医ノ匠

  1. 医ノ匠 HOME
  2. インタビュー
  3. 日本腎臓学会/川崎医科大学 理事長/副学長/腎臓・高血圧内科学教授 柏原 直樹
静かなるものは遠くまで歩む
静かなるものは遠くまで歩む

静かなるものは遠くまで歩む

日本腎臓学会/川崎医科大学 理事長/副学長/腎臓・高血圧内科学教授柏原 直樹

日本腎臓学会/川崎医科大学
理事長/副学長/腎臓・高血圧内科学教授
柏原 直樹

岡山大学医学部を卒業後、アメリカに留学。腎臓分野の臨床・研究の最前線を走り続けてきた柏原教授。「静かなるものは遠くまで歩む」という座右の銘通り、着実にキャリアを積み上げてきた。柏原教授の歩みは、若者たちが進む道を定めるうえで、非常に参考になるはずだ。


◎イギリスのオックスフォード中心部にある歴史的な通り『TURL STREET』にて

キャリアにおける成功体験として、3年間のアメリカへの留学経験をあげていただいた。若いときに海外で生活することで、視野が大きく広がったという。昔と比べて海外で学ぶ若者が減っているが、日本とは違った環境に身を置く意義は非常に大きいと柏原教授は語る。

 

キャリアにおける成功体験は、20代後半と比較的若い頃に、思い切って3年間アメリカに留学したことです。準備万端ではなく、語学力も充分ではなかったのですが、以前から海外で勉強したいという思いがあり、たまたま巡ってきたチャンスに飛び込みました。私たちの世代は海外で学ぶことに意味があると考えていた人が多く、一種の憧れもありましたね。

今振り返れば、いろいろな意味で不充分ななかで渡米したので、最初の1年くらいはずいぶん苦労しました。しかし、その大変さも含めて、よかったなと思っています。何か岐路に立ったときに、より不透明でどうなるかわからない、より難しそうな選択肢を選んだほうが、後から振り返るとプラスになっています。

若い頃の3年間を文化や風習、考え方が全く違う国で過ごし、多くの人種の方々と交流できて、視野が非常に広がったと思います。職業人としての医師以前に、やはり人としての大きな糧になると思います。

今の若い人は、内向き志向の方が多く海外に行く人が減っています。しかし、新しい薬や医療機器の多くは海外で開発されています。日本は科学技術立国であるはずなのに、新しい技術が生まれていません。このままだと海外との差は開くばかりなので、私は周囲の若い人には留学を強くすすめています。

コンテンツは会員限定です。
続きをご覧になるには以下よりログインするか、会員登録をしてください。