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心頭滅却すれば火もまた涼し
心頭滅却すれば火もまた涼し

心頭滅却すれば火もまた涼し

社会福祉法人 如水会 豊田新成病院 病院長早川 哲史

社会福祉法人 如水会 豊田新成病院
病院長
早川 哲史

祖父の病気がきっかけで、医師を志した早川病院長。外科医として着実にキャリアを磨き、若くして友人の医師たちと開業を予定していたときに、腹腔鏡手術と出会った。「この手術がこれまでの外科手術をひっくり返す」と確信し、開業を中止して、腹腔鏡手術に外科医人生をかける決断をした。コストも時間もかかる腹腔鏡手術は、最初は周囲の理解をなかなか得られなかったが、ひたむきな努力の結果、今では広く普及した。腹腔鏡手術のパイオニアである早川病院長の道のりからは、「患者さんのために」という熱い想いが伺える。


早川病院長が医師を志したのは、高校生の時。祖父が病気で入院し、お見舞いに行くうちに、担当の先生が仕事をする様子を見て、「みんなに感謝される仕事っていいな」と思ったのがきっかけだったそうだ。その後、医学部に進学して外科医として10年ほど経験を積んだときに、腹腔鏡手術と出会う。この出会いこそが、早川病院長のキャリアに大きな成功をもたらした。

 

僕はもともと物理が好きで、大学で宇宙工学を学んで、アメリカのアポロ計画みたいなロケットを開発したいと思っていました。しかし、高校生の頃に祖父が病気になってしまい、病院に行くようになりました。担当の先生が仕事をする様子を見て、「医者っていいな」「みんなに感謝される仕事っていいな」と思い、医師を志しました。

手術などの外科治療をやりたいと思って、外科医の道へ。10年目くらいで、ほとんどのがんの手術、大腸や胃、肝臓、脾臓の開腹手術ができるまでに技術を身につけられたため、「もうこれ以上やってもなあ」と思い、開業を決意しました。専門分野の違う4人の同級生で集まって、小さな病院をグループ開業することにしたんです。

そんな時に、腹腔鏡手術が日本にやってきました。僕は「大きくお腹を切ってやる開腹手術の方がクオリティが高い」と反対派だったのですが、どのようなものか確かめるためにお願いして執刀させてもらったんです。手術の翌朝に回診に行くと、80代の患者さんがベッドの上で座っていて、非常に驚きました。従来の開腹手術では、痛くてじっと寝ているような症例の人が、翌日には歩いていると。ただ、手術時間がすごく長くて、開腹手術なら3時間で終わる手術が、当時だと7時間ぐらいかかりました。

時間が倍以上かかっても、翌日には患者さんが元気になっているのを見て、「この手術を続けたい」「この手術はこれまでの外科手術をひっくり返すような技術だ」そんな思いに駆られました。医者の負担やストレスは大きいけれど、患者さんは圧倒的に楽なんだから、こういった手術をやるべきだと考えたのです。一緒に開業をする予定だった友人たちには申し訳ないけれど、開業を取りやめて、腹腔鏡手術を研究することにしました。

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