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人間万事塞翁が⾺。自分なりに選んできたから、自分を肯定していい
人間万事塞翁が⾺。自分なりに選んできたから、自分を肯定していい

人間万事塞翁が⾺。
自分なりに選んできたから、自分を肯定していい

東京都歯科衛生士会 会長藤山 美里

東京都歯科衛生士会
会長
藤山 美里

服飾美術の短期大学を卒業後、日本歯科大学附属歯科衛生士専門学校(現:日本歯科大学東京短期大学)に入学。資格取得後は企業に入社し、歯科保健指導に従事。現在は、医療系専門学校の入学相談室で高校生や学生、社会人など、入学を検討している方へ学校・学科説明を行うかたわら、東京都歯科衛生士会の会長として、歯科衛生士の環境改善などを推進している、藤山会長。
歯科衛生士としては異色のキャリアを歩む藤山会長に大きな影響を与えたのは、カンボジアでの歯科保健指導ボランティアだった。「人間万事塞翁が⾺」を座右の銘とする藤山会長の若者たちへのメッセージは、自分の道を切り開こうとする若者たちへの暖かさに満ちている。


アパレルの世界から歯科衛生士へ。思い切ったキャリアチェンジをした藤山会長は、その後も企業での歯科保健指導や母校などでの非常勤講師、医療系専門学校での入学相談など、歯科衛生士の一般的なキャリアとは異なる道を歩んできた。「人間万事塞翁が馬」という座右の銘の通り、自分の選んだ道を信じて前進を続けてきた藤山会長に、ご自身のキャリアを振り返っていただいた。

 

服飾美術の短期大学に在学中、アパレルの仕事をしていたのですが、卒業後もこの世界でずっと働いていくには力が不足していると感じ、卒業と共に歯科衛生士専門学校に進学しました。すごく大胆な方向転換に思われるかもしれませんが、父が歯科医師だったこともあり、歯科業界が医療のなかでは身近でした。もともと手先を使う細かい作業が好きなので、歯科技工士も少し考えましたが、歯科衛生士の仕事内容の方に興味を持ちました。大きな選択の時は、あまり迷わず相談もしないタイプなので、そんなにためらいもなく進学を決めました。父には受験をしたことも伝えておらず、合格してから報告しましたが、同じ歯科医療の道を志すことを喜んでくれたのを思い出します。

歯科衛生士専門学校を2年で卒業して国家資格を取得後は、企業に入社して歯科保健指導に従事する部署へ。そこで、子どもから成人、高齢者まで幅広い層の方々へ歯科保健指導を行っていました。歯科衛生士の約9割は診療所に勤めますが、診療所での勤務よりもそういう仕事をしたいと思っていたところに、たまたま学校に企業の募集が来たのでチャンスだと思いチャレンジし、運よく入社することができました。数年後、カンボジアでの歯科保健指導ボランティアに出会い、その活動に深く関わりたいことが理由で企業を退職することになりますが、カンボジアでの活動がきっかけで、母校を含むいくつかの歯科衛生士専門学校で「国際歯科保健医療」に関する講義を非常勤講師としてするようになりました。今の時代は、歯科衛生士の資格を取るには専門学校でも必ず3年かかりますし、4年制大学もあります。教える立場に立つならできれば修士、少なくとも学士を取った方が良いとアドバイスをいただいたことがきっかけで、大学への編入を決意しました。日本における仕事でもカンボジアでのボランティアでも子どもと関わる機会が多かったので、心理学の中でも子ども心理学を学ぶことを選び、認定心理士の資格を取得しました。

仕事を含め、色々な場面で、大学での心理学の勉強が役立っていると思います。

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