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リスクを取って、社会を動かす
リスクを取って、社会を動かす

リスクを取って、社会を動かす

順天堂大学・大学院 教授相澤 純也 ※2024年5月14日現在

順天堂大学・大学院
教授
相澤 純也 ※2024年5月14日現在

東京都立医療技術短期大学理学療法学科を卒業後、スポーツ外傷・障害をはじめ、幅広い分野の臨床・実践に携わってきた。「リスクを取って、社会を動かす」の座右の銘の通り、頼まれたことはなるべく引き受けることで、キャリアを積み上げてきたという。現在は、順天堂大学・大学院で研究・教育に携わるかたわら、日本オリンピック委員会医科学強化スタッフの活動にも注力。スポーツ外傷・障害の理学療法を中心に活躍する相澤教授に、キャリアの歩みや座右の銘、若者たちへのメッセージについて伺った。


相澤教授が理学療法士を志したのは中学高校と陸上部で走り幅跳びをしており、高校2年生の時にケガでお世話になった理学療法士の働く姿が印象的だったことがきっかけだという。
「特別な成功体験はありません。幅広い領域に携わってきたことが今につながっています」と語る相澤教授に、これまでのキャリアや仕事をするうえでの工夫について伺った。

 

もともとは父が経営している建設会社を継ぐつもりでした。理学療法士を目指そうと思ったきっかけは、中学・高校と陸上競技部で走り幅跳びをしていて頻繁に関節や筋肉を痛めてしまい、病院で理学療法士のお世話になっていた時に理学療法士の仕事に興味を持ち、高校2年生の時に理学療法士を目指そうと決めました。
じっとしているのが苦手なこともあり、患者さんと色々動きながら仕事をしているのを見て「楽しそうだな」と思い、理学療法士を目指すようになったのです。今考えるととても単純な理由でしたね。

当時は理学療法士を目指せる学校が少なく、東京への憧れもあり、東京都立医療技術短期大学に進学するため北海道から上京しました。

キャリアのなかで特別な成功体験はありません。ただ、子どもからお年寄りまで幅広い患者さんを対象に、脳・心臓・関節・神経などあらゆる疾患・ケガの理学療法に携わり、研究・教育などもバランスよく経験してきました。その積み重ねがキャリアに活きているのだと思います。

現在は、スポーツ外傷やスポーツ障害に関する依頼が増えています。例えば、日本オリンピック委員会医科学強化スタッフや日本スケート連盟などの仕事です。動きや症状の相談やケア、エクササイズなどさまざまなサポートをしています。チームで連携して取り組んだ結果、選手が良い結果を出しているのを見ると感慨深いものがありますね。

特に多く診療・研究している分野は膝です。飛ぶ・着地する・方向を変えるなど、ちょっとした動きがきっかけで、膝のじん帯は意外に簡単に切れてしまうのです。

切れてしまった場合は、患者さん本人の腱を使って手術し、1年ぐらいかけて競技に復帰するので、そのプロセスをサポートしています。手術とリハビリをしても、怪我をする前のレベルに到達できるのは70~80%といわれており、10~20%の患者さんは再び受傷してしまいます。そこでパフォーマンス向上や再発予防のために「どこを検査すべきか」「どの部位の筋力を維持すべきか」「どういう心理状態が大切か」といった研究をしています。

大学を卒業してからToDoリストを継続して毎日書き続けているのも、キャリアに役立っています。前日の夜にやるべきことをリストアップして、1日の終わりに「あまりできなかった」「まあまあできた」「明日こそはやろう」と振り返り、また翌日のリストを書きます。さらに裏のページに5年後・10年後に自分が「どうなっていたいか」「どうあるべきか」も書いています。書き出すことで目標の整理と即実行につながるため、日々の積み重ねのベースとなっています。

今の3年後の一番大きな目標は、膝のじん帯を損傷した患者さんに特化したセンターのようなものをつくることです。学内ベンチャーなのか、どこかから補助をいただいてつくるのか、具体的なことはわかりませんが、ぜひ実現したいですね。

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