医ノ匠

  1. 医ノ匠 HOME
  2. インタビュー
  3. 医療法人 誠明昂会 理事長 大橋 威信 ※2024年11月12日現在
必要な価値を見出し、自分が何をすべきか考え、行動できる人が求められている
必要な価値を見出し、自分が何をすべきか考え、行動できる人が求められている

必要な価値を見出し、自分が何をすべきか考え、行動できる人が求められている

医療法人 誠明昂会 理事長大橋 威信 ※2024年11月12日現在

医療法人 誠明昂会
理事長
大橋 威信 ※2024年11月12日現在

小学生の頃から医師を目指していた大橋理事長。医学部に進学後は、循環器科を目指していたが、研修医時代に皮膚科に出会い、進路を変更した。現在は医療法人 誠明昂会の理事長として、ファミリア皮膚科長町 ファミリアクリニック卸町を経営。患者の症状・悩みに合わせ、保険診療と自由診療どちらも提供し、地域医療を支えている。


キャリアにおける成功体験として、経営する皮膚科クリニックが自費診療領域へ本格的に参入したエピソードをうかがった。レーザー機器などを導入し、地域医療に貢献しているのだという。保険診療だけでは解決できない悩みを持つ患者は少なくない。「患者の悩みを解決して喜んでもらいたい」という大橋理事長の思いが伝わってくる。

 

小学生の頃にはすでに医師を目指していました。父が整骨院を営んでいたこともあり、幼い頃から医療に触れる機会が多くありました。人の健康に関わる仕事に就きたいという思いが芽生え、卒業文集にも「将来の夢は医師」と書いていたほどです。

高校生になっても、その想いは変わりませんでした。世の中にはさまざまな職業がありますが、なかでも人の健康に深く関わる医師という仕事は非常に価値があると感じていたんです。新しいことへの挑戦も好きだったので、医学部を目指す決意をしました。

4人も兄弟がいるなか私立大学医学部の学費を用意してくれた両親、金銭面で迷惑がかかるかもしれないのに応援してくれた兄弟たちには、本当に感謝しています。

医学部に進学後、最初は命に関わる疾患を取り扱う機会が多い循環器内科を志望していました。しかし、研修医2年目の頃に先輩から「循環器内科に進むなら、皮膚科の研修行った方がいいよ。病棟は褥瘡とか薬疹の患者さんが多いから」とすすめられ、皮膚科の研修に行くことに。皮膚科の面白さ奥深さに惹かれ、進路を変更しました。

皮膚科の患者さんは、自分の悩みを率直に伝えてくれます。「顔の吹き出物を治してほしい」「かゆみがひどく夜も眠れません」といった感じです。そして治療によって症状が改善すると、とても喜んでくれます。その姿を見て、皮膚科医は人に喜ばれる仕事だと実感しました。

循環器内科では命に関わる重大な病気を扱いますが、皮膚科では一見ささいな悩みでも、その人にとっては大きな問題となっている症状を扱うことが多いのです。ニキビやシミも、人によっては人生を左右するほどの悩みになり得ます。そういった悩みを解決することも、医師の重要な役割だと気づきました。

皮膚科医における大きな成功体験は、自費診療領域への本格的な参入です。開業当初は保険診療の一般皮膚科の割合が9割でしたが、1割の美容皮膚科のニーズが徐々に増えていく可能性を感じ、開業2年目から本格的な導入を決意。レーザー機器をはじめ複数の医療機器の設備投資をしました。

その結果、一般的な保険診療だけではよくならない患者さんのニーズに応えられるようになりました。例えば、ニキビの治療やあざに対するレーザー治療など、これまで宮城県では、大学病院などの基幹病院や一部の美容クリニックでしか受けられなかった治療を当院でも提供できるようになったのです。自由診療はコストも時間もかかりますが、近隣の皮膚科や病院からも難しい症例の患者さんを紹介していただけるようになり、地域の中でも重要な役割を担えるようになりました。

保険診療と自由診療どちらも行うにあたって、オペレーションには苦労しました。健康保険には「同じ疾患に対して同日に保険診療と自費診療を行ってはいけない」というルールがあります。「保険で診察して解消できない悩みは、別の日に自由診療で治療する」といったように、明確にわけてオペレーションしています。

コンテンツは会員限定です。
続きをご覧になるには以下よりログインするか、会員登録をしてください。